Web小説発掘記 その255 TS変身!(?)魔法少女︎︎☆ゆりゆりっ! 作者 天井 萌花様

本編URL

https://kakuyomu.jp/works/16818023213073804809

前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。

あらすじ

 高校3年に進級したばかりのブレアは、下校時、校門前にいた見知らぬ少年に声をかけられた。
 ルークと名乗るその少年は、ブレアにしか頼めないお願いがあると言う。

 面倒だ。非常に面倒だ。
 拒否したブレアは無視をしようとするが、ルークはどうしても諦めるつもりがないらしい。
 仕方なく話を聞くと、その願いは――魔法少女になること!?

 中二病を拗らせてしまった人なのかと思ったが、どうやら本当の話らしく――!?

 なぜ男のブレアに言うのか。
 なぜブレアにしか頼めないのか。
 普通の少年に見える彼は、どうして魔法少女になってくれる人を探しているのか。

 謎だらけ(かもしれない)後天性TS魔法少女ラブコメ!?

ストーリーと見所

こちら同作者さんの別作品のスピンオフ。
つまりは本編があって、こちらはまた別世界線を描いた外伝作品となっている。外伝?まぁ、外伝か……。

一応そちらも一章までしか読んでないけど記事にはなっているので、よければご参照を。(もっとも、記事を書いたのが一章時点なのであまりレビューとしては当てにならないだろうが)

で、手っ取り早く説明するとこちらは本編の主人公とヒロインを入れ替えて、舞台を現代(?)にしてしかもヒロインを男にしたうえで魔法少女にするというなんかこう、とんでもないようなお話となっている。

スピンオフとはいえ、お話としてはこちらだけで完結しているものとなっているので本編を読んでいなくても大丈夫。

作品の雰囲気などは本編に比べるとシリアスさは減っているものの、何となくの空気感は一緒といえば一緒なので先にこちらを読んで、面白かったのならば本編へと進んでみるのも一つ。

で、内容としてはこちらの世界線では男である本編のヒロインが魔法少女に変身して敵を倒すというもの。
……?
……??
……???
それだけ聞くと頭に疑問符が浮かぶこと間違いなしだろうが、実際そうなってしまっているのだから仕方がない。ありのままに目の前にあるものを受け止める覚悟でやっていくとしよう。

ちなみに本編の主人公は魔法少女に変身を促す役割と彼(彼女)に対して熱烈アプローチを仕掛ける変態と化している。何が恐ろしいってこの辺りは本編とあんまり変わらない。

なので二人の関係性や、会話でのやり取りに刺さるものがあったのなら是非本編を読んでみるといいだろう。

物語としては至ってシンプル。
主人公が魔法少女に変身し、本編主人公に愛の告白をされたりセクハラされたりしながらも敵を倒すといったもの。

スピード感と会話のやり取りが面白く、そこまで文字数が多くないこともあってかするりと読み切れてしまう作品。

キャラクター

ブレア

今作の主人公で、本編のヒロイン。

僕っ子である……いや、こちらでは男だから別に僕っ子ではないか?いやでも魔法少女になったときには女の子だから……。

と、それなりに脳が混乱しそうになるのだがまぁ、あまり細かいことは気にしなくていいだろう。

本編の一章までのイメージと比べると、彼女の背景が簡略化されてあることもあってか割と賑やかで楽しそうに思える。

ルーク

ブレアを魔法少女に導く人であり、彼に一目惚れをする。

その後はひたすらアプローチとセクハラを繰り返す変態なのだが、そこがこの物語の魅力なので許してあげてほしい。

本編の一章に比べても勢いがあり、キャラクターとしては生き生きしているようにも見える。

総評

評価点

凄まじいスピード感が魅力的な作品。

とにかく細かいことは無視して、キャラクターの魅力を際立たせようとする意志が強く感じられる作品。

その甲斐もあってか二人の会話劇は読んでいて弾むような楽しさがあり、それだけで充分に一つの小説として成立している。

問題点

物語のコンセプト的にも細かいことは無視する作品であることは間違いない。
余計な突っ込みは野暮というもの。

最終評価 54点(Web小説としては充分な良作)

単体で読んでもそのスピード感とキャラクターの立たせ方から、充分に楽しむことができる作品。

本編の雰囲気を程よく緩くした感じで、これを読んで楽しめたのならそのまま問題なく本編を読んでも間違いないことだろう。

勿論、本編を既に読んでいる読者にとっての新たな楽しみとしての役割も果たせている。

所要時間は凡そ20分ほど。

極めて個人的な感想

ブレアの視点から語られ、あくまでも二人の会話に物語がフォーカスされていることもあってか本編の一章部分よりもルークの(いい意味での)変態性が際立ち、キャラクターとして大分濃いようになっている印象。

これは単純に作者さんが書きなれただけかも知れないが。


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