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商学部時代

18歳で入学した大学は今の仕事とはまったくかけ離れた、商学部単科の大学でした。

その大学で4年間学ぶことになったのですが、3,4年はゼミという研究グループに所属しなくてはいけず、

最初の希望だった証券市場の方は落ちてしまい、産業心理学という商売に関係する心理学のゼミに所属することになりました。

本来はここが第1志望でしたが指導教官が嫌われ者でしたので、なかなか人が集まりずらいところでもありました。

そこで、僕はスーパーのチラシの効果についての研究を始めました。

というのは、叔父が当時西区にあったトントン館という、ホームセンターを経営していてそこでアルバイトをしていました。

叔父に頼んで、所属を広告や宣伝をする部に所属をさせてもらい、チラシをどうまくか、どう配布すると効率がいいのかの研究を始めたわけです。

まずは、基準となる配布の仕方を決めます。

それは、店舗を拠点として半径5キロの家々にくまなく(当時は新聞の折り込み広告です)配布し、その配布での翌1週間の売り上げを100としました。

つまり一日100万の売り上げがあれば、1週間ですので700万が基準ラインとしたわけです。

まずは店舗を起点に中心部方向にチラシを配布しました。

そうすると、売り上げはその前の売り上げの70%程度にしか伸びません。

ところが、店舗から郊外にまくと、130%くらいに上がります。

結論として、チラシの効果というのは、店舗を起点とすると郊外に巻く方が効果的という結論でした。

この研究は、人の動き方という面では人は中心部に向かって移動したがることを意味しています。

この研究はゼミ内では大絶賛され学内の研究の賞をもらいました。

今は、まったくこの理論は使えません。

ネット、スマフォの広告はこういったものを凌駕してしまい、事実郊外にある大型店舗のほう中心部にある百貨店の売り上げの数倍もあるようになりました。

時代は変わるものです。

僕のこの研究により当時は多くの食品のスーパーはチラシを郊外に巻くことで売り上げを上げようとした時代もありました。

ゼミの指導教官には、君はぜひ商社などに入った方がいい、きっと上に上がれるよ。と絶賛もされた時代もあったのです。

今とはまったく違う時代でした。


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