アメリカの新保守主義とは?

今回は、「新保守主義」というものを考えます。
新保守主義とはいったい何なのか。
ネオコンとは何なのか。単に軍需産業の話なのか。
ネットでググらない日本人には、ちんぷんかんぷんな世界でしょう。
日本のメディアは抽象的には使っている言葉ですが、詳細には一切触れない世界です。
しかし、これを理解していると今の世界情勢はもっと分かり易くなるでしょう。

以下、主にWikipediaを引用しますが、「ネオコン」という横文字の日本語は、英語で「Neoconservatism」の略。
Neoconservatismは、直訳で「新保守主義」です。
この新保守主義勢力は、グローバリストと関係してきます。

伝統主義などを提唱する旧来の保守派である「PaleoConservatism(パレオコンサバティズム。旧保守主義、原始保守主義)」というのがあり、こちらは一般的に保守派のことだと思います。

しかし、元祖ネオコン思想家の一人であるノーマン・ポドレツによれば、「ネオコンは元来左翼でリベラルな人々が保守に転向したからネオなのだ」として、保守派と区別しているようです。

本当でしょうか?今のネオコンは保守的な行動はほとんど感じないです。
つまり、ネオコンは左翼、リベラルな人々が「新しい保守」を名乗っているに過ぎない。
だから形容矛盾だという話なのです。

ノーマン・ポドレツ(Wikipedia)
1930-
アメリカ合衆国のユダヤ系知識人、政治学者。ネオコンの主要な思想家、著作家。
アメリカのユダヤ人コミュニティーの月刊誌『コメンタリー』の編集長(1960-1995)
2008年アメリカ合衆国大統領選挙ではルドルフ・ジュリアーニの外交顧問を務めた。

ルドルフ・ジュリアーニ氏は共和党でNY市長も務めた。
トランプ大統領の顧問弁護士もやっていた。
現在、2020年選挙に絡んでトランプ大統領とともに起訴されています。




新保守主義者を初めて自称した人物

アーヴィング・クリストル氏(1920-2009)
ネオコンのゴッドファーザーと呼ばれた人物。

「記憶にある限り、私はいつも『ネオ』だった。ネオマルクシスト、ネオトロツキスト、ネオリベラル、ネオ保守主義者。ネオトロツキストやネオマルクシストだった時ですら、宗教上はネオ正統派だった。私は一生『ネオ』尽くしで終わることになるだろう」と自らを語っていた。

つまり、彼は新しいマルクス主義、新しいトロツキズム、新しいリベラルという考えを持っています。
これらの用語は、日本人は社会主義や共産主義を彷彿させ、実際、2018年に中国がドイツに送ったマルクス像が話題となった。
共産主義にも比較されるのが社会主義なる思想です。
ここではあえて触れませんが、このあたりの政治的イデオロギーは、おそらく日本人は混同しがちな面がある。

ともかく、彼はネオコンの生みの親でありゴッドファーザー的存在です。
そして、ゴッドファーザーはアメリカのギャング、マフィアを描いた作品ですね。
一般国民からすれば、ご遠慮願いたい世界です。
ネオコン連中が、その名をゴッドファーザーと証するほどの人物だということです。

自分を「ネオ」と自称していた話の記事

安倍晋三元総理大臣のAEIでの講演

https://www.aei.org/research-products/speech/an-evolving-relationship/

ゴッドファーザーの子息


ウィリアム・クリストル氏。
ジョージ・H・W・ブッシュ政権ではクエール副大統領の首席補佐官。

ウィリアム・クリストル 

アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)の議長ですね。
ネオコンがゴッドファーザーと呼ぶ男の息子、ウィリアム・クリストルに絶大な影響力があるのは言うまでもありません。

PNACの共同発起人


ウィリアム・クリストル氏ロバート・ケーガン氏
ロバート・ケーガン氏はネオコンの代表的論者。
そのロバート・ケーガン氏の妻が、オバマ政権とバイデン政権の外交官であるビクトリア・ヌーランド氏です。

ビクトリア・ヌーランド氏は、ウクライナ紛争で度々登場する人物。
2014年、マイダン革命(尊厳の革命)でも登場します。



アメリカの共和党とは?


共和党は保守派政党です。
民主党は左翼、リベラルです。

実は、共和党には「共和党RINO」と呼ばれる人たちが存在します。
名ばかり共和党員という意味です。考え方は保守的とは限らない。

このような形式だけの人は民主党では聞きません。

さらに、「Uniparty」というのがあります。
Unipartyとは、一つの政党を意味します。(一党独裁)
両政党の一部の政治家が同じ政策、思考で行動します。

二大政党制と言ってはいますが、保守主義の勢力からすると、相容れないグローバリスト勢力のほうが多い傾向にある場合、「共和党の保守派」では選挙での勝算が小さくなります。

実はこの関係、戦後の自民党と社会党の関係にそっくりです。
憲法改憲をしなかったのも軍隊を持たないと米国に言い張った(お金儲けのため)のも、与党と野党が談合しまたは黙認し、国民を扇動してデモを起こしたり妨害をすることで、日本国民と米国を欺くのです。


Uniparty 英語版を翻訳

「一党独裁」とは、グローバリストが政治と政策を支配していることを表す言葉であり、すべての、あるいはほとんどすべての主要政党や政治家がグローバリストに支配されているため、政策的には異なるものよりも共通するものの方がはるかに多い。どの政党や政治家が選ばれても、ほとんど関係なく支配を維持するため、本質的にはディープ・ステートと同義である。

例えば、アメリカでは共和党と民主党の両党が、連邦政府の規模を継続的に拡大し、その範囲を国民生活のあらゆる分野にまで広げようとしている。
一党独裁を超党派と混同してはならない。超党派は、協力することを目的のための手段とみなすのに対し、一党独裁は、異なる政党が協力すること自体を目的とみなすからだ。

異なる政党、同じ政策


例えば、ニューディールの後、多くのリベラルな共和党員はFDRの大きな政府プログラムを支持し、その維持に貢献した。
この「私も」という態度は、バラク・オバマの立候補と大統領就任の際に再び顕著になり、多くの形だけの保守派が彼の左翼的な政策を支持する声を上げ、移民やマイノリティに関する問題で共和党の体制が民主党と同じ政策を採用しようとした。
一党独裁は一貫して、不必要な社会支出や国防支出を削減する努力をすることなく、連邦支出の純増を提唱しており、両党とも銃規制を支持した実績がある。
マルクス主義の思想は民主党と共和党の両方に「浸透」している。
2012年のアメリカ大統領選挙で、保守派は民主党のバラク・オバマと共和党のミット・ロムニーが同じ価値観や政策を多く共有していることを指摘した。
一党独裁のもうひとつの例は、ドイツ、オランダ、オーストリアなどヨーロッパのいくつかの国における「大連立」政権である。
伝統的な保守本流政党とリベラル政党が一緒になって政治を行う一方で、多くの議題、特に大きな政府を掲げるグローバリズム政策の推進で合意した。
同じ批評家はまた、一党独裁の例として、共和党のエスタブリッシュメントが自分たちの表明した立場から妥協し後退する用意があることを指摘している。
多くの新保守主義者とリバタリアンは、国民的アイデンティティと国民国家を廃止しようとする左派の動きを支持している。
共和党は、開放的な国境政策を推進し保護するために民主党に加わっている。

https://www.conservapedia.com/File:Uniparty.jpeg

オバマは民主党。
ブッシュは共和党。
クリントンは民主党。
両党の大統領が仲良く写真に写っています。

1961年、セオドア・ルーズベルト大統領の孫娘であるエディス・カーミット・ルーズベルトは、エスタブリッシュメントの定義を次のように書いている:
"エスタブリッシュメント "という言葉は、国際金融、ビジネス、専門職、政府におけるパワーエリートの総称であり、主に北東部出身者である。
ほとんどの人は、この「合法的マフィア」の存在を知らない。
しかし、エスタブリッシュメントの権力は、財団の助成金を求める教授から、内閣のポストや国務省の仕事の候補者に至るまで、その存在感を示している。
ほとんどすべての分野で国の政策に影響を及ぼしている。
エスタブリッシュメントの視点とは?過去4回の政権を通じて、そのイデオロギーは一貫している。
共産主義と戦う最善の方法は、自分たちのような「専門家」が統治するワン・ワールド社会主義国家であるというものだ。
その結果、超国家主義の成長に有利な政策がとられることになった。”

伝統的な政治的所属がいかに無意味であるかを示す一例として、「中道右派」であるはずのジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長が、マルクスの生誕地でマルクスの誕生日を記念し、ユンケルはマルクスを擁護し、EUをマルクスの指導に従わせることを提唱し、中国の共産主義政府から寄贈されたマルクスの銅像を除幕したことが挙げられる。
さらに、共和党の多くの既成政党は民主党とともに、米国の移民法を施行したトランプ大統領を非難した。

一党独裁の影響力


一党独裁体制の批判者は、一党独裁体制があらゆる、あるいはほとんどの主要政党や政治家を支配していると主張する。
この主張の証拠となるのが、両政党の指導者が支援する、あるいはその逆の非政府組織の数々である。
例えば、両政党のアメリカ大統領は、外交問題評議会や三極委員会といったグローバリスト組織のメンバーで政権を埋めることを選んだ。
さらに、両政党の著名人はビルダーバーグ・グループやボヘミアン・グローブのメンバーである傾向がある。
キャロル・クイグリーが1966年に著した『悲劇と希望:現代世界史』によれば、イギリスやアメリカなどの国の外交政策は、どの政権が握っているかに関係なく、少数のグループがコントロールしていたという。

グローバリストと統一党による対ロ戦争を批判するダグラス・マクレガー米大佐は、
「彼ら(統一党とグローバリスト)にとってロシアは、言うなれば、グローバリストの国際主義帝国に属さない最後のヨーロッパの主要国家である。彼ら(ロシア)はLGBTQに抵抗し、ニヒリズム、マルクス主義、無神論の興味深い融合と呼ぶべきものに抵抗し、その結果、彼ら(ロシア)は破壊され、打倒されなければならない」。

一党独裁に反対する著名人


パット・ブキャナンは一党独裁に反対する著名人である。
程度の差こそあれ、ほとんどの政治家は一党独裁の一員であるため、一党独裁に明らかに賛同せず、一党独裁に反対してキャリアを積んできた人物を挙げる方が有益である。一党独裁に反対し、一党独裁と戦ってきた人物の例を以下に挙げる:

ドナルド・トランプ(少なくとも2016年大統領選期間中)
ナイジェル・ファラージ(イギリスの政治家)
フィリス・シュラフライ(アメリカ合衆国の憲法学者)
ランド・ポール(アメリカの政治家)
ジョシュ・ホーリー(アメリカの政治家)
パット・ブキャナン(アメリカ合衆国の政治コメンテーター)
ジョージ・ウィルソン・マローン
ラリー・マクドナルド(アメリカ上院議員)
クリス・コバック(アメリカの政治家)
マッテオ・サルビーニ( イタリアの政治家)
クリストフ・ブロチャー(スイスの政治家)
ロイ・ムーア(アメリカの判事)
スティーブ・バノン(トランプ大統領の元側近、投獄された)
タッカー・カールソン(FOXを解雇された)
アン・コールター(アメリカの弁護士)

ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長


任期:2014年11月1日 – 2019年11月30日
ルクセンブルクの元首相:1995年1月20日 – 2013年12月4日
キリスト教社会人民党の元党首。

マルクスを擁護し、中国からのマルクス像の除幕式を行った。
EUをマルクスの指導に従わせることを提唱した。

マルクス主義をわかりやすく解説 – 思想や問題点を10分で簡単に説明 –

ルクセンブルクじゃ、西ヨーロッパに位置する立憲君主制国家。
南にフランス、北西にベルギー、東はドイツに囲まれた国。

中国がドイツに贈った「巨大マルクス像」が大論争を起こしたワケ
(2018/5/11)


ダグラスマクレガー元陸軍大佐


元ペンタゴン顧問。
マクレガー大佐は、早くからウクライナ劣勢を分析していました。
国防総省の内部情報を利用して、よくXで戦況を流しています。

https://twitter.com/DougAMacgregor

ダグラス・マクレガー大佐が語るウクライナ紛争の現状と展望
(2022/3/19)


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アリ・バーマン:クリス・コーバックはトランプのために全米で「有権者抑圧」の道を拓こうとしている

米上院議員候補に未成年暴行疑惑 5人目が名乗り上げ糾弾
(2017年11月14日)

本人は否定。40年ほど前の話ばかりです。

この手の昔の話が今になって出てくるというのは、攻撃のためであって中身に信憑性はありません。
トランプ大統領でさえ、全くの事実無根で認定されています。


まとめ

どうでしたか?だいぶ理解が進んだはずです。

共和党が分断され、共和党に成りすましたDS議員が潜んでいて、トランプ大統領以下、保守派が苦戦しているのが今の現状です。

民主主義という皮を被り、全体主義、共産主義の世界を創ろうと画策する勢力。
彼らはマルクス主義を擁護していると自分で言っている。
富は彼らのもの。
国家主権を飛び越えて、グローバルに世界をコントロールするのが目的です。
かつてのソ連の強権政治そのものです。

日本も、保守派の安倍晋三氏は亡くなってからは、岸田政権は一気に左翼化して覚醒した感があります。
もちろん、岸田政権は吉田茂の系統ですのでGHQに支配されていた時代と同じく、バイデン政権に支配されています。
LGBT法案が公約でもなかったにも関わらず、異例の成立の早さはそこにあります。

かつて、安倍晋三氏はトランプ大統領とは凄く馬が合う関係だったそうです。保守と保守だからです。
トランプ大統領とはゴルフでも盛り上がる関係でした。
一方、オバマ大統領とは政治上の関係でしかなかったそうです。
保守と左翼だからです。

バイデン政権は、オバマ政権の3期目と言われているのは、オバマ政権の側近の多くがバイデン政権の側近たちだからです。

ロシアのプーチン大統領はロシアを守るための保守政策を打っているだけです。
ウクライナを盗ろうなどと考えてはいません。
西側の完全なプロパガンダ。

そこを理解しないと永遠に議論は進まない。

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