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PERFECT DAYS

新春第一弾の映画は、パーフェクトデイズ。
今年もどんなに忙しくても月に2、3本ペースで映画を観たいと思っている。
そして、その口火を切るには秀逸な映画が観たいと思った。
正月休み期間中ということもあって、思ったより観客は多かった。

しかし、役所広司という役者はどれだけ引き出しを持っているのか。
いやいや、走りながら引き出しを増やしているのだろう。
同世代としては、彼の真摯な生き方に共鳴する。
この映画の醍醐味は、主人公の役所さんの台詞がほとんどないということである。
なのに映画を観終わったあと、表情と所作だけで彼の心情が手に取るようにわかり、多くのセリフを聴いたと錯覚してしまう。
語らずに演じ切る。

そして、学生時代の極貧生活を思い出した。食べるために、金になるバイトは何でもやった。
社会の中で評価されないバイトも沢山やった。
バイト中、汚らわしいと蔑まれるようなこともあった。なぜか、子供を連れた女性が多かったような気がする。
そして、子供に、「勉強をしないとあんなになるのよ」と聞こえよがしに言われたこともある。
あの経験が、今の自分を形成している。どのような仕事であっても、働くことの尊さを未だに持ち得ているのは、その経験のおかげである。
どのような仕事でも、汚れ仕事はある。
亡父が言っていた、「人の嫌がる仕事をしろ」という言葉を常に胸に秘めていた。
この映画を観て、その言葉を思い出させてもらった。

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