自分がパンセクシャルだと認識した時の話

中高は女子校で距離が近すぎるスキンシップをとるような環境だった。そんな中、4つ上の先輩を好きになった。当時はその感情の種類を理解できなかったけれど今考えるとあれは確かに恋だった。

中学の時好きになり今も大好きなアーティストがある日ラジオでこう言っていた。

「男も女もウェルカム!どっちでも抱ける(ニュアンス)」

耳年増な私はこんなラジオが好きだったのだが、この時「あ、自分も男でも女でもいけるな」と感じた。何の疑いもなかった。この瞬間、私はバイセクシャルというアイデンティティを手に入れたのだと思う。しかし当時の私はそれが”普通ではない”ということに気づいていなかった。そのため、何気なく母親に「私どっちもいけるよ」といって引かれた記憶がある。もともと私自身にはセクシャルマイノリティへの偏見はなかったにもかかわらず、家庭をはじめとする環境によって”普通ではない”物への偏見は作り出されていくのだろうと思う。

そののち、様々な性自認の人と出会い、そもそも男女二元論に疑問を抱くようになった私は、自分のことをパンセクシュアルだと位置づけるようになった。バイセクシャル(両性愛)ではなくパンセクシュアル(全性愛)として生きることは楽なことばかりではないし、同性愛の人々よりあいまいな性的志向だからこそ時に「いざとなれば男に行けばいいよね」といわれることもある。だけど、”全”性愛 って素敵じゃない?(性愛がすべてとはもちろん思っていない)

だから私はこれからもパンセクシュアルを名乗るし、たくさんの人を愛したいと思う。男女両方にヤキモチを妬くのは疲れるけど、自分を尊重したい気持ちのが強いから、たくさんのパートナーと関係を築いていきたい。

もし彼が同性愛を否定する人だったら私はどうなっていたのだろうかとたまに考える。彼と自分の恋愛、性的志向を天秤にかけ、板挟みになっていたかもしれない。だから彼には本当に感謝している。私の価値観に大きな影響を与えたのは中高の教育と彼の存在だと強く思う。でもその話はまた今度。

※LGBTに私は含まれていない。カテゴライズすることでmarginalizedされる人々は確実に存在する

はじめまして、まだまだ勉強中の学生ですが良かったらサポートしてくださると助かります!