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デジタルネイティブの私の命の恩人

「命の恩人は誰ですか?」と聞かれることがあったらこういうだろう。

ー純生さんと田中聖です。

「どこで彼らに出会ったのですか?」

ーインターネットです。

デジタルネイティブと呼ばれる自分の世代は学生の時からインターネットが身近に合ったように思う。「ネット上の人に個人情報を教えるなんて」と思う方はいると思うがもしネットがなかったらきっと私は今生きていないと思う。顔が見えない、名前も他の情報も知らないかついくらでも作れる距離間だからこそ言える内容もあると私は思う。

もし相手がリアルの親友なら詳しく事情を話すことになるかもしれないしとても心配されて態度が変わるかもしれない、それは面倒だしそんなに詳しく話したくもない。あとは根本的に病んでいる真っ最中にそれを外に出すのが好きではないという私自身の性格もある。ともかく、インターネットは貴重な出会いの場所でそこを通じて受けたアドバイスは私の命を救い今も心に残っている。

もともとの気質なのか受験というあとから考えると強いストレスがかかっていたせいなのかもう人生の半分くらい「死にたい」と思うことがある。それも、「宿題が終わらない、死にたい」というものから本当に世界が白黒に見えるくらいの死にたいまで様々なのだが軽めの死にたいの時でも実行しようとするのは本当に改善したいと思ってはいる。擬似行為で落ち着くこともあれば完全に死ぬ以外の選択肢を考えられなくなる時もあり、いつだってその原因は親だ。

精神的に落ちたり死にたい気持ちと戦ったことは何度もあるが中でも二回、印象的な出来事がある。

一つ目は今となっては詳細なきっかけは忘れてしまったがおそらく成績のことを趣味や部活にかまけているからだと言われた挙句、自分の友達のことまでディスられたことがきっかけだったように思える。本当につらくて、でも言い返すだけの勇気も気持ちも技量もなくて夜一人で泣いていた。その当時はまだ親が自分の一番乗り会社だと思っていたころだったからその親に否定されることは何よりもつらかった。そしてどれだけ私が親からの言葉にダメージを受けているか気づいていない親にも悲しくなった。その時自分のよりどころだったのはモバスペというサービスでこれも流れは忘れてしまったがその中の一人の作者さんとメール(サービス内のメッセージかもしれない)のやりとりをしていた。その方はもし書いてあることが本当ならばいつ捕まってもおかしくないような生活、仕事をしていたけれどメッセージの内容は本当にやさしくて、顔も本名も知らない関係なのにすごく丁寧に返信をくれていた。「気持ちわかる、頑張ってね!」みたいなYouTubeによくある返信ではなくて自分の経験に基づいたり私の書いたことから判断したりしながら一見強い言葉に聞こえるような文で諭したり慰めたり喝を入れたりしてくれていた。そして私は彼女から来る返信をメモにためていた。(その端末の電源がどうやっても入らないのできっと見られない。)

一番忘れられない言葉を。その時の私は本当につらくて、でもモバスペや他のサービスで自分よりもっと大変な環境で生きている人を見る中で「こんなに恵まれているのに辛いなんて言ってはいけない」と考えるようになった。今思うとそう思うことで辛さを封じ込めようとしていたんだと思う。

いつものようにこんなことがあったと彼女に報告した後、「でも私よりもっとつらい人いっぱいいるから頑張らなくちゃ、辛いとか言ってちゃだめだよね」と何気なく言った後きた彼女からの返信は

「でも、○○がつらいって思ってるならそれはつらいってことなんだよ。人と比べるものじゃないでしょ辛さなんて。」

というものだった。受け取った時思わず泣いてしまった。自分はこの言葉が欲しかったんだなと思った。もっとつらい人がいるから頑張れ、頑張ろう、ではなく「私はつらい」ということを誰かに肯定してほしかったのだ。彼女にとっては当たり前のことだったのかもしれない。でも当時の私にとっては目から鱗で「辛さは比べるものではない」という考え方はそこからずっと持っている。成長するにつれ、「でももっとつらい人がいるから」というの考え方の人に出会ったりネット上で目にしたりすることが多くなった。もちろんその姿勢が絶対的に必要な場面もあると思う。でも、それにこだわるあまり自分まで自分の辛さを否定してしまったら生きるのは余計に苦しいものになるとも思う。

そして二人目、田中聖。元KAT-TUNの彼はたまにYouTube配信をしている。強制帰国のダメージを引きずりつつ日本での生活に慣れようとしていた矢先、ちょっとした発言/意見の相違で親から「そういうところ(人格、思考回路)信じられない、ちょっとおかしいし何か足りないと思う」と言われた。正直親に認めてもらわなくても生きていけるので特に問題はないのだが自粛期間でそうした評価を私に下す人間たちとずっと時間を共に過ごさなければならないこと、そして臨んだわけではない帰国をさせられたことが相まって本当に追い詰められた(最近も追い詰められたので、親という生き物は子供を追い詰めるのは趣味なのだと思うことにし始めた。)。ベランダで下を見ながらどう飛ぼうかシミュレーションしていた時、YouTubeで田中聖がライブ配信をやっているのを見つけた。柄が悪そうな人というイメージしかなかったがふと見てみるとリスナーからのコメントにもこまめに返す、見た目がいかついだけの穏やかな人だった。

「もしこれが読まれたら飛ばない」と決めてコロナで帰国した、親から人格否定されて死にたいと思っているけど配信を見て踏みとどまっているという旨のメッセージを送った。

すると、目に留まった。おお、と反応したあと「ほんとは人格否定のつもりじゃないのかもしれないよー」と言った。その一言だけだったが、一秒に何十通とコメントが来る中無課金のコメントに反応してくれたことが素直にうれしかったし、賭け通り飛ばない、と決め室内に戻った。

このnoteが本人に届くとは思わないけど、「あなたの配信で、存在で人生を救われた人間がいます」という事実を伝えたいなと強く思う。あとから彼のことを少し調べてみたらグループにも本人にもいろいろなことがあったことを知った。まさに酸いも甘いも経験してきた彼だからこそ素直に出た言葉なのかもしれないと勝手に思いを巡らせたり。何はともあれ、ありがとうございます。

本当につらいときって周りの人にも頼れないなと今までの経験上思うし、もし今の生活様式が標準になったら普通の悩みすら対面で話すこともなくなってしまうのかもしれないと思う。でもこうして自分の見方がインターネット上にいることを知っている私はきっとこれからも落ちつつ病みつつでも何とか生きていく、いけるんだろう。たくましく、でも辛さは認める。

Special Thanks to...純生さん、田中聖さん

純生さんはその後2年くらいして作品が消えてしまい連絡先もわからずじまいになったので今何をされているのかもわからない。当時載せていた何枚かの写真だけお守りのように持っている。

純生さん、あなたのおかげで中高生きていられました、そのおかげで大学にも入れて入ってからも何度となく助けられました。世界一感謝してもしきれない人だと思っています。あなたのような道は進まないけれどそのまっすぐな生き方、考え方はこの先も私のロールモデルです。いつかまたお会いできますように。

はじめまして、まだまだ勉強中の学生ですが良かったらサポートしてくださると助かります!