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『着ぐるみはコスプレか?』問題

 いやぁ、今日明日忙しくて、明日の分の小説書けないかもしれないから、ささっとまとめネタを。

 そもそも論、美少女着ぐるみ界隈が、自分たちを自称するのを"着ぐるみ"って言っているややこしさがあるので、ここでは便宜的に"着ぐるみ"はあくまでも頭を隠すタイプの仮装を指すモノとする。ただし、この定義に関しては後述する通り正しくない場合がある。

 それで着ぐるみをコスプレとして認識している人ってどれぐらいいるだろうか?

 ケモノ着ぐるみでも美少女着ぐるみにしても、或いは異形頭やその他の人々も、コスプレイベントに出かける事が多いけれど、そうやって参加している人が常に、コスプレの文脈で着ぐるみを着ているのかは怪しいものではある。

 コスプレの文脈ってそもそもなんなんだと言うのはあるけれど、コスプレイベントで自己アピールすると言う方向性よりも、どちらかと言えば内向き(界隈向け)なものを感じる。少なくともケモノ/美少女のどちらも、少なからずそういう傾向にある。

 なので、便宜上コスプレの体裁を取っているにしても、コスプレ界隈との交流は限定的だし、割と断絶している面もある。(当然人によるが)

 この辺は、女装コスと女装の違いみたいなところもある。
 勿論、その間を横断している人はいるものの、コスプレとしての女装と、好きな衣服が女性モノだったと言うことは違うし、なんならそこにトランスジェンダーとの違いもあるだろう。
 これは表面上"女装した男"としか言えない面もあるが、確かに温度差はあるのだ。
 確かに、トランスジェンダーがコスプレを楽しむと言う場面もあるが、それは女性としてコスプレを楽しんでいるわけであって、女装コスとは文脈は違うだろう。

 また、逆に着ぐるみをパフォーマンスとか、コミュニケーション手段とか、或いは性交渉のアイテムとして使う人もいる。
 こういう人が、コスプレイベントで着ぐるみを着る場合もあるし、なんならコスプレイベントで出す着ぐるみを、そのままそういう方面に使うこともあるだろう。
 だけど、それとこれが同じ理解での活動ではないのは間違いない。

 いずれにせよ、そういう場面、立場では「コスプレ」ではないのだ。

 この辺をはっきりとした一つの文言で示すとすれば、「着ぐるみ(活動)の定義とコスプレの定義のラップした部分が、コスプレとしての着ぐるみだろう」と言うことだ。

 ともなると、このラップした部分とは何なのだろうか?

 極論、ガワコスと呼ばれる人々が、何処まで自分を着ぐるみとして理解しているかは微妙なラインだ。
 特にネタコス界隈は顔を隠すことが目的ではないので、ある時はガワコス、ある時は顔をさらすコスプレ(美少女着ぐるみ界隈では"素コス"という謎のレトロニムが存在する)となるので、その境界線は曖昧だ。

 特に、ガワコスの人がケモナーではない文脈でファースーツ(ケモノ着ぐるみ)をこさえる場合もあるけれど、じゃぁその人がケモナーに近づくかどうかと言うのはまた別の問題だ。
 VTuberがお面の着ぐるみを作ると言う場面もあるけれど、これが美少女着ぐるみ界隈への接触かと言うと、それはまた違うだろう。
 更に言えば、同人AVで顔を隠す道具としてお面を付けているのと、美少女着ぐるみAVと言うのはまた違うジャンルである。

 そういう意味で言えば、顔を隠すマストな方法として着ぐるみが選ばれたとしても、それが直ちに着ぐるみ(としての活動)かと言えばまた怪しいところである。
 ギャグとして全身タイツを着るのと、ゼンタイ趣味で全身タイツを着るのとの違いみたいなところはあるだろう。

 大体、着ぐるみでも(外から見たら)同じジャンルに思えるけど、微妙に雰囲気が違うと言うことはままある。

 概ね同じだけど、少し文脈が違うとか、必ずしも横断的な人ばかりではない――と言うのは、ケモノ/美少女着ぐるみでは良く見るものだ。

 例えば、ケモノで言えば、所謂ファースーツの人もいれば、ハーフスーツの人もいれば、ストレッチファーやペットスーツによるタイプの人もいる。そしてマスコット着ぐるみに近いケモノ着ぐるみもいれば、完全にマスコット着ぐるみと言える人もいる。

 美少女着ぐるみで言えば、アニメ系の着ぐるみとドール系の着ぐるみ、フィメールマスクなどは概ね文脈や層が違う。

 勿論、横断的に楽しむ人は沢山いるけれど、じゃぁ、それぞれを同じように楽しんでいるかは違うのだ。

 大体、"着ぐるみ界隈"に辿り着く経緯なんてのも人それぞれである。
 その詳細を語るには至らないが、しかし、どのように入ってきたかは文脈に大きく左右されるわけである。

 そして、美少女着ぐるみから女装にハマる人もいるし、逆の場合もある。
 美少女着ぐるみからケモノへ、ケモノから美少女への移行も珍しくはない。

 結局のところは、人それぞれとしか言えない部分が大きすぎる。

 ただ、コスプレイベントを"利用"するのであれば、コスプレへの最低限の誠意は必要である。
 特に着ぐるみは更衣室の専有面積が広い。
 そういう状況に何かしら感じる運営もいるだろう。

 定期的に着ぐるみがゴタゴタを起こすことは多いのだ。
 その時、「着ぐるみは禁止」と言われたとき、いつだったかのように「俺は悪くないもん」みたいな子供の反応をしていられるだろうか?

 顔を隠すというのは、一般的に防犯的によろしくない。
 安全的にも理想的とも言えない。
 そういうことに対する意識は必要だ。

 それが出来ないのであれば、自分たちの居場所を自分たちで確保する必要があるし、その努力は必ず必要だ。
 そうしたとき、仲間の潰し合いに必死になるのが果たして大人の態度なのかを考えよう。

 着ぐるみがコスプレかどうかは、各自の活動や場面で違ってくるが、都合のいい場面でつまみ食いをすると言う態度は、世間的に言っていい顔をされない。
 単純にそれだけのことではあるのだ。

 なので今一度、自分たちの態度を改める必要のある人はいるのではないだろうか?

※挿絵はDALL・Eを使用しています。

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