BARBEE BOYS-女ぎつねon the run (1987)

高校のとき、TSUTAYAで何となく借りてきたBARBEE BOYSベストアルバム。偶然にもその週のCDTVで『復活してほしいバンド特集』をやっていた。その中にやたら目立つバンドか一つ……。

男女のツインボーカル。
女性のハスキーボイスと男性の高めの独特な声色。
そしてサックスを片手に顔をしかめながら歌う。
女性は華麗にステップを踏み、情熱的に踊る。

偶然借りてきたベストアルバムに目をやると、まさにそのバンドだった。

90年代後半。世は小室一色で、ユーロビートと複雑なメロディラインが機械的に生産されていく時代。この曲は尖った何かを残しながら自分の喉に魚の小骨のように突き刺さった。どこか不思議な曲調に、独特なボーカリストが二人。その空間は無機質に生産された小室サウンドとは全く違うゴツゴツした荒々しいロックを奏でていた。

今日も学校に向かう自分のMDには『女ぎつねon the run』が入っている。

福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》