fal-cipal(ファルシパル)

福島県出身。本業多数でnoteにて執筆活動を断続的に継続中。東日本大震災当時の様子を描…

fal-cipal(ファルシパル)

福島県出身。本業多数でnoteにて執筆活動を断続的に継続中。東日本大震災当時の様子を描いた「震災クロニクル」その後の様子と心の変容を描いた「復興シンドローム」を掲載中。他にも不登校から高校中退その後の記録「戦略的モラトリアム」、「戦略的モラトリアム大学生活編」を執筆しています。

マガジン

  • 戦略的モラトリアム【大学生活編】

    不登校・高校中退からの大逆転?「ライ麦畑でつかまえて」に象徴されるいつまでも大人になりたくない主人公が、モラトリアムを謳歌し、大学でどう生きて、成長したかを描く。

  • 雑談・空想・独り言

    独り言・きれいごと・世迷言・ふとした瞬間に思ったことをツラツラ書きつけていきます。 コメント歓迎します。よかったらお願いします。

  • 復興シンドローム

    2011年3月11日東日本大震災が起こり、僕らの生活は一変した。様々なことがあり、人々の心が様変わりした。避難し新生活を迎える者、そこに残ることを選んだ者。そして、ただ茫然と居続ける者。 僕はそこに留まり続けた。何の政治的主張もないが、体が動かなかったというだけである。身の回りのことで精いっぱいで頭が忙しくなって、時だけがただ時間は残酷なまでに過ぎていった。 そして3年が経った。僕はまだそこにいる。そして少しずつ心が変わり始めた。それは醜くもさもしい変化だったのかもしれない……。

  • 音楽懐古村

    個人的なレコメンド 自分の半生で出会ってきた音楽を小出しにしますか。 個人的な思い出と音楽の混ぜ物でよければどうぞ。 コメントや感想大歓迎です。

  • VINTAGE【とあるCAFEの不思議な日常】

    別マガジン「戦略的モラトリアム大学生活編」のCAFEの出来事に特化した物語。とあるCAFEを訪れる人々の人勢模様を垣間見るしがない大学生視点で見るだけの話。 「生きること」ってどういうことなんだろう。20代で捻くれ尽くした大学生が、CAFEで様々な人と話す度に生き方を考えるジャンル分けできない変な文章集です。コメント大歓迎です。

最近の記事

戦略的モラトリアム【大学生活編】(43)

「ごめん、行けそうにないわ……」 弱々しい声、それは電話口の向こう側から。 指導教官の声。それはとてもゆっくりと、そして申し訳なさそうな気持ちが電話口から零れ落ちそうな声で。 ぎっくり腰で起き上がれない。 指導教官に思いもよらぬ災難が降りかかったってわけだ。しかも、それはそのまま自分への災難となって頭から降りかかった。 授業どうする? 給食どうする? 学活どうする? 教頭と数名の先生が職員室のど真ん中で打ち合わせをする。 ボクはただただ、呆然とその後ろで立ち尽くすのみ

    • 戦略的モラトリアム【大学生活編】(42)

      深夜まで実家の自分の部屋に閉じこもり4畳半のスペースいっぱいに熱情を滾らせる。教育実習中の自分には当たり前のことと思われれそうだが、自分の中では革命めいた心境の変化に驚いていた。いや、根っこのトコロは何も変わってはいない。 「目のモノ見せてやる」 そんな反骨精神と安っぽいプライドだけが自分の中に地味に深く食い込んでいた。 「まずは要点をまとめて、unitのテーマを明確にして ……解説と練習、そして考えさせる発展を工夫しながら……」 塾でいつもやっている授業と同じ計画を

      • 震災から13年 人口減少とどう向き合うか

        東日本大震災から10年以上の年月が過ぎた。早かったような気もするが、自分は相変わらず飄々と薄氷の上をいきている。 さて、次のホームページを見てほしい。 いま、東日本大震災の爪痕を消すため、新たな試みが至るところで始まった。 家賃補助をはじめとした、ありとあらゆる生活補助が移住者に与えられている。 今、大熊町に移住すれば、ほとんど 生活費がかからない。 復興の足がかりがこれか……。少しさみしい気もするが、現実を突きつけられたとき、この制作に帰結するのも致し方ない。

        • あの日から13年。そして今の大熊町

          空間線量が高いため、いまだに立ち入り制限がかけられている場所がある。私は許可をもらい、そこを覗いてきた。 2011年3月11日 あの忌々しい日が至る所からその姿を出す。 11日は卒業式で金曜日。翌週の予定が書きこまれている。 荒れ果てた校庭に朽ち果てたゴールポストがひょっこりと顔を出している。もはやグラウンドの面影はない。ただ、雑草の枯れ草で時間という毛布をかぶった様子。 2024年2月に初めての一次立ち入りがあったため、きれいに片付いてはいるが、注目してほしいのは下駄

        戦略的モラトリアム【大学生活編】(43)

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          16本
        • 復興シンドローム
          25本
        • 音楽懐古村
          34本
        • VINTAGE【とあるCAFEの不思議な日常】
          27本
        • 忘却の映画懐古村
          21本

        記事

          ご無沙汰しております。noteを再開します。 縁あって今年は福島県大熊町で働くことになりました。 どう流れていくか分かりませんが、しばらくはこっちで復興の光と影を見守りたいと思います。

          ご無沙汰しております。noteを再開します。 縁あって今年は福島県大熊町で働くことになりました。 どう流れていくか分かりませんが、しばらくはこっちで復興の光と影を見守りたいと思います。

          しばらくマガジンの更新をストップします。 理由は「表現力の低下、稚拙化」です。頭のなかでもう少し揉む必要がある部分があるので、暫く脳内醸成して、重みのある文章にしたいと思います。

          しばらくマガジンの更新をストップします。 理由は「表現力の低下、稚拙化」です。頭のなかでもう少し揉む必要がある部分があるので、暫く脳内醸成して、重みのある文章にしたいと思います。

          復興シンドローム【2017/01/01~】㉔

          震災から6年を迎える2017年もあけた。テレビもない生活が長いせいか、自分には一切のおめでた気分はない。大晦日と元旦はコンビニに出勤し、酔っ払いと里帰り客の相手をする。全く鼻につく連中だ。レジに売るとよく分かる。高慢な被災者が一人、また一人と被災地に解き放たれていく。悲哀の感覚はない。そこには表面上の明るさと、空っ風が吹き抜ける殺伐とした冷ややかな人間関係が垣間見えるだけである。 間違いなく「お金」が我々を分断し、人間関係だけでなく人間そのものにもひびを入れたんだ。ボクや福岡

          復興シンドローム【2017/01/01~】㉔

          戦略的モラトリアム【大学生活編】(41)

          朝8時。田園のど真ん中をチャリンコでどんどん進む。 職員室を挨拶して回り、教室に入る。自分は1学年のクラス。まだ小学生らしさが抜けない数人が教室内を走り回る。 「おはようございます」 そこら中から掛け声のようにこだまする。担任の先生が自分を紹介し、手短な挨拶を終える。 まったくもって心のこもっていない挨拶だ。自分ではっきりと分かるんだ。心にもない言葉を並べて、それなりに振舞っている自分はとても滑稽に映る。 「先生はどこの人?」 「どこから来たの?」 「大学はどこ?」 あ

          戦略的モラトリアム【大学生活編】(41)

          『ライ麦畑でつかまえて』

          サリンジャーの名作。 2010年代ではアニメ『攻殻機動隊』笑い男シリーズでピックアップされた。大人になりたがらない主人公。ピーターパンのようなファンタジーではなく、成長することを汚れることと見なした主人公の生きにくさを描いていく作品。まっすぐに生きるということと大人になることは反比例の関係なのか。 誰しもが大人になる過渡期にぶち当たる『社会の壁』をとても面白い視点で描いている。たいていの人々はどこかで折り合いを付けながら生きていくのだろう。しかし本作品の主人公はそうはいかない

          『ライ麦畑でつかまえて』

          4年間。すれ違いのままで

          自分は大学一年から進学塾で働いていた。スーツで学校に行き、そのまま仕事に向かう毎日。アルバイトとはいうものの、それなりに真面目に働いていた。 教職課程 教員を目指す学生はこれを履修する。大学生活を半分捨ているようなものだ。人よりもたくさんの授業を受け、専門的な知識を詰め込み、大学4年次の教育実習に向かう。 そこに一人飛び切り明るい女の子がいた。 英語の教員を目指す女子大生。 かわいらしく無邪気に振舞う彼女は誰とでも友好的に話しかける。 一方、自分はといえば、社交性は皆無。

          4年間。すれ違いのままで

          復興シンドローム【2016/12/01~】㉔

          バイト先の近場で工事が始まった。 あぁ、コンビニができるらしいよ。向こうは24時間らしい。 被災地の殿様商売ももう終わりか。 売り上げにはもちろん影響が出るだろうし、深夜の客は向こうに行くだろうね……とは言ってみても、そんなに夜更かしするほど若い住民はいないだろうけどね。 最近どんな話題も自虐を一つ挟むようになった。 事務所でそんな話をしていると、オーナーが入ってきた。 「近場にコンビニができるんだってな。うちと2件になるわけだ」 「向こうは24時間らしいですね」

          復興シンドローム【2016/12/01~】㉔

          noteを始めて数年。休みもあったけど、なんとか達成しました。ありがとうございます。

          noteを始めて数年。休みもあったけど、なんとか達成しました。ありがとうございます。

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          Mr. No problem(The D.E.P)

          何とも異質な組み合わせ。 台湾の歌姫ビビアンスーと一風堂のギタリスト。そして有名プロデューサーをませ合わせた音楽のカラクリ迷路。 歌詞は英語・中国語そして日本語と、国際色豊かな作品に仕上がっています。 たった1曲のための音楽プロジェクト『the d.e.p』 人呼んでウナギイヌ計画!!! 底抜けの面白さとクオリティーの高い音楽センスの塊! ぜひとも皆さんの耳に、心に届けたい! 是非聴いてみてください。

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          VINTAGE【スーさん、ネギを語る】㉗

          大学生は常に倹約を心掛けるものである。とはいうものの、Vintage通いはやめられないのだが。 食事に行くというよりも、豊かな時間を過ごすための費用だと最近は考えるようにしている。大学4年ともなると、3食のうち1食ぐらいは自炊するものだ。そこでいつも悩むのが『ネギ』である。 緑の部分でもなく、根の部分でもない間の部分…… 納豆に入れるには肉厚があり、みそ汁に入れるにも少し躊躇う。 包丁を入れたときに、中には白いゲル状のものが…… 自分は使わずにいつも捨てることにしていた。

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          あの夏、いちばん静かな海(1991)

          北野映画の転換点の映画。それまでの過激なまでの暴力性から、自分の心の奥を突っついてくる。 耳の聞こえない主人公。ゆえに台詞がない。 真木蔵人の若かりし日の非凡な才能の片鱗が見える。 そして幸せにたどり着かない、どこかもどかしいストーリー そして、どうなったのかすべては読者の心に判断を委ねる結末。 皆さんも是非見ていただきたい作品になっています。 後にも先にもこんな映画は見たことがない。 とても印象深いストーリー。 不条理な現実と必死に生きる青年。そして人生の不都合さ。 いろんなものを詰め込みながら、ボクらを遠いどこかの国へと連れていく。

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          キッズ・リターン (1996)

          しばらくマガジンを更新していなかったが、数年ぶりに更新したい。 北野映画の最高傑作ともいえる本作品。 「暴力的な映画は……」「ビートたけしの作品は怖くてね……」自分が北野映画を初めて見たのは『その男、凶暴につき』だ。その過激な表現に不快感すら覚えるものだった。若かりし自分は「北野映画はバイオレンス」とレッテル貼りをしてしまったのはこの頃だ。 しかし、『あの夏、一番静かな海』から作風は変わり始めた。粗暴なセリフから徐々に人間味溢れる作品になっていく。そして、必ずしもハッピーエンドにはならないという不条理。 でも人生ってそういうもんだよな。 そんな映画を作り始めていた。 そして本作品である。 若さって何だろう。危なっかしくて、ギラギラしていて、そして鋭利な刃物みたいで。1秒先にどこに向かうか分からない不安定さが織りなす一瞬の花火のよう。 そして、静かに消えていく。残酷なようでもあり、現実的でもあり。胸のどこかを抉られるもどかしさ。 しかし、ラストシーン 「まーちゃん、俺ら終わっちゃったのかな」 「馬鹿野郎!まだ始まっちゃいねぇよ」 どこから見ても絶望の儚いシーンで、人生気が付いた時から始まりなことを視聴者に訴えかけている。 どこまで、我々の胸に深く突き刺さるのか。それは受け止める人それぞれであろう。若さという眩しいバイオレンス。そして現実とぶつかる刹那の火花。 覚悟をして召し上がれ。

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