マーチS 予想メモ


コース形態

中央ダートコースでは最も起伏が激しく、急坂2回登るのも含めてタフなコースと言える。1角までは375mと標準よりやや長く、先行馬の争いによってはハイペースになることも珍しくはない。本来なら最初に登り坂ならペースが緩んでもいいのだが、ダートの条件戦は基本先行力が命でペースも上がりやすいので、結局そこを勝ち進んでOPまで行くとそんな楽にはなかなか行けないということだろう。
しかし、直線は短い構造上4角のポジションはある程度必要。そこから脚を使えるのか否かがポイント。
スロー、あるいは後ろも脚がなくなるペースなら前で決まる可能性は高いが、マクリや直線一気も展開次第で起こり得るので警戒。

TB想定

雨次第。
レースの観察が必要。

ブライアンセンス

東海Sの4着は雨で高速化したダートで内前で決まったなか中団外を回り続ける競馬で、また砂を被ったことでやや首を上げて引っかかっていたながらも位置を押し上げたものの、展開TB不向きで前の馬に届かなかっただけであり、悲観する内容ではない。初重賞ながら負けて強しと言える立派な内容。
今回も湿ったダートになりそうで前残りパターンの場合は厳しい可能性があるものの、能力的にはG3くらいの重賞なら即通用してもおかしくないことは前走で示しているので、メンバーレベルも大差ない今回は勝ち負け可能。
1着候補。

ウェルカムニュース

昨年東海Sの4着は前残りの展開に恵まれたものであり高評価は不要で、その後のOPでは苦戦。
カノープスSでOP初勝利を挙げたが、内をロスなく立ち回った馬に有利に働いた結果であり、早めに外から正攻法でねじ伏せにいったテーオーリカードの方が内容としては上である。
ポルックスSは差し馬台頭の決着で展開不向き。
仁川Sは前残りの決着に恵まれた2着であり、むしろ同斤量の牝馬アイコンテーラーをギリギリ交わすくらいしかできなかったことを悲観的に捉えるべきである。
よって、前に展開が向けば好位追走から抜け出すこの馬にとってはチャンスはあるものの、重賞級と言えるほどの力は現状示していない。
ブライアンセンスの方を上に取れる。
2着以下候補。

キタノリューオー

少し前はムラ駆けタイプみたいなところはあったが、最近は溜めれば末脚堅実なところを見せている。
ただし毎回スタートが悪いので、まともな位置を取れると思わない方がいい。
ポルックスS、師走Sのとおり、ヴァルツァーシャルとはほぼ互角で、斤量が軽かった方が先着している。今回は同斤量。差しに展開が向く場合は警戒が必要。
1着候補。

ヴァルツァーシャル

キタノリューオーとほぼ同格。
同じく差しに展開が向けば好走可能。立ち回り一つ。
1着候補。

ミトノオー

自分のペースを守れれば粘り脚を見せるものの、そうはいっても近走は地方重賞で中央よりはややレベルが下がる。ディクテオンやテンカハルは中央ではOPレベルである。
日本テレビ盃、名古屋グランプリのようにマイペースを刻めなかった場合は悉く大敗するので、アテには出来ない。
浦和記念はスロー逃げがハマって前残り展開を呼び込んでの2着なので、まくって差したディクテオンはもちろん、同様の立ち回りで届かなかったテンカハルには内容で大きく見劣りする。
よって、距離短縮自体は悪くないが、TBや展開の助けがあってかつ楽に先行できないと地力は足りなそうで厳しい。メンバー的には逃げ馬はこの馬くらいなので、警戒は必要。
3着候補。

ゴールドハイアー

師走Sでキタノリューオーやヴァルツァーシャルに差されているものの、それまでスタートがあまりよくなく後方から差す競馬ではなく好位から立ち回る競馬にシフトし、外から積極的に逃げ馬を捉えにいった結果のもので、有意な差はない。総武Sでは中団から
上がり馬サーマルソアリングを差し切っており、OP初勝利を決めた。
よって、展開一つで彼らとの逆転も可能であるが、自身はブライアンセンスに近い脚質なので、彼に勝てるかどうかも重要。
1着候補。

ペイシャエス

被されるのがよくない馬なので、外枠の方が安全。
ただ地力的にはポルックスSで差し展開にも関わらず前のテーオードレフォンも交わせないのはいただけない。
中央重賞だと苦しい立ち位置か。
3着候補。

キリンジ

佐賀記念で先行競馬ができたが、あくまでもレベルの低い地方重賞であり、実質少頭数かつ先行馬不在だったためである。
中央重賞だと位置が取れず、差し展開に恵まれない限り厳しいと考えるのが妥当である。
また、差し展開でもブライアンセンスやキタノリューオーなどが現状格上。
この馬に席が空くのか?
見送り。

キタノヴィジョン

昨年マーチSは前残り展開から唯一追い込んで3着に滑り込む好内容。
前走の総武Sも58kgを考えれば悪くない。ただ、ゴールドハイアーにはほぼ力負け。
基本的に後方からなので展開依存だが、タフな中山は何度も好走している得意舞台。展開が向けば侮れない。
2着以下候補。

ニューモニュメント

8歳馬で近走内容から衰えは否定できないが、毎回58~59kgを背負わされていることを考えると多少酌量はできる。
シリウスSの予想メモに書いたが、実績はあるがもともと重賞級かと聞かれると微妙。
神奈川記念は展開についていけなかったうえに軽斤量馬の決着であり、距離も足りなかった感がある。
福島民友Cは59kgではあるので3着相当の価値はある。もともとコーナーで動けるタイプではないので届かなくても仕方がない。
昨年ポルックスSの内容は秀逸だけに、あれだけ走れれば、展開次第では好走は可能。
3着候補。

ダノンブレット

差しに展開が向けば可能性はなくもないが、他に候補はいっぱいいるし、さすがに3勝クラスで何度も足踏みしてOPに上がれてない馬を積極的に評価はできない。
見送り。

ラインオブソウル

摩耶Sは前残りの展開に恵まれたことと外目を気分良く追走できたことが要因か。55kgの軽斤量も味方した。
仁川Sはスタートで不利があり位置が取れなかったので度外視可能も、もともと花園Sでブライアンセンスに突き離されて完敗しているだけに、力が足りない可能性は高い。
ただし、54kgに加えて先行場が多くないので、前が恵まれる場合は警戒する必要がある。
3着候補。

クリノドラゴン

近走の内容が悪すぎるので、今回は厳しい。
見送り。

ホウオウルバン

典型的な外から被されず、砂を被らないように立ち回れると走る馬である。
昨年総武Sまでの内容は良かったのだが、マーチSは前残りなので仕方ないにしろ、平安S以降の内容が悪すぎる。
師走Sは長期休養明けで馬ができていなかった可能性は否定しないが、ペテルギウスSもポツンでそのままというのが印象が悪い。
よって、総武Sを勝った舞台に戻ること、かつ外枠を引いて楽な立ち回りができれば巻き返す可能性はあるものの、馬のメンタルが壊れている可能性があることも考慮した方がいい。
3着候補。

総評

基本的には上位拮抗という感じだが、重賞級というよりOPレベルが多くそこまで大差はないので、波乱がある可能性は否定しない。
枠や展開を加味して馬券検討をしたいところ。

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