皐月賞 予想メモ


コース形態

過去記事引用。

中山の王道コースと言っていい、内回りコース周回の2000m戦。
起伏のアップダウンが激しく、要所で求められるスタミナ、末脚の持久力など総合力が求められやすく純粋な実力が物を言うことが多い。
スタート直後から中山名物の急坂が始まり、ここではそこまでラップが上がりにくい。ただここで出遅れると急坂ど真ん中で脚を使う羽目になるので危険を孕む。先行争いが早まるほど、長引くほど前が危うい。
大抵は勾配が緩む場所がある2F目で隊列を形成しに行って1角に向かうことになるだろう。坂も含めて脚を使いやすい区間だが、落ち着けば1角で息を入れながらレースを進めることができる。
2角始めが上り坂の頂点。ここからは平坦と下り坂しかない区間。向正面中ほどまで一気に下るので、ここでペースアップしないよう、騎手ら大抵ここは抑えてラップを落としにいく。というか息を入れないと持たないのでまず落ちる。
3角からはペースアップが始まり、捲り合いなども起こる激戦区間。後半長く脚を使えるかどうかがカギとなる。ここから4角の下りを生かして直線へ向き、急坂越えまで堪え切れた馬が勝ちへ繋がるだろう。
もちろん、展開次第では例外的に直線一気もたまに起こるが、割とレアケース。

TB想定

今の芝状態ならフラットかやや外寄りになるか?

ジャンタルマンタル

朝日杯は若干内有利TBのうえに内で溜めていたところ4角で進路ががら空きになる展開にも恵まれた面があり、内容自体は着順通りで問題は無いが一概にこの馬が抜けているとは言いがたい。
距離延長を見越した共同通信杯は、ドスロー展開だったが前哨戦ということもあり意図的に控えさせて馬混みで我慢させる競馬をしたと思われるが、上がり32.6で好位から猛追も及ばなかった。結果的に位置取りの差で敗れたものであり力負けではない。
更なる延長かつ周回コースでどうなるかはわからないが、実力自体は底を見せておらず世代トップ候補であることは間違いない。
できればロス無く好位の内で溜めて抜け出す競馬がしたいだろう。
1着候補。

シンエンペラー

好位の内で競馬ができる上手な馬で、囲まれてもパフォーマンスが落ちないメンタルの強さも近走からは垣間見える。上位陣と比較するとトップスピードは若干見劣りするものの、手応えの割にはしぶとく脚を使って脚を伸ばすスタミナ寄りのしぶとさがある。
裏を返すとズブいので瞬発力勝負ではかなり分が悪い。(ダービーはきつそう)
京都2歳Sでは出遅れたもののペースが流れて消耗戦の地力展開になり、進路がなかなか決まらないなか馬群を割って差し切るなかなかの内容。
しかし、ホープフルSではやや前残り展開にも関わらずレガレイラにあっさり後方から差され、サンライズジパングに迫られたうえに不利を与えたことを考えると、力負けである。
弥生賞ではスタート不利があったとはいえコスモキュランダがマクって惰性で押し切る内容を内で我慢させる競馬で若干仕掛け遅れた感はあるとはいえ、展開的には恵まれてるので、実績的には勝たなきゃいけないところだった。あちらがハマったとは言えるが。
よって、本番では逆転できる可能性は十分考えられるものの、やや決め手に欠けるうえに力負けしたレガレイラがいることを考えると1つ下の評価が妥当。
2着以下候補。

レガレイラ

ホープフルSではやや内前残り展開のうえに4角からマクリ気味に進出した際に前で不利が起こり自分も大外へ振らざるを得なくなった不利があったが、それをものともせず馬なりで交わし、直線仕掛けられてからは楽々と伸びて差し切る着差以上の完勝。
有力馬のここまでの前哨戦を見ても何かしら再現性がなかったり力が測りにくいレースが多く、どう見ても強いと言いきれる馬はいなかった。
よって、TBや展開さえフラットであれば、この馬がどう見ても強く、軸候補。
1着候補。

ジャスティンミラノ

共同通信杯はあまりにもドスローの瞬発力勝負で、そもそも物理的に前にいないと話にならないレベルの脚比べだった。
そこを朝日杯組のエコロヴァルツ、ジャンタルマンタルが前哨戦的な乗り方で(多分)意図的に控えたため、すかさず2番手を奪った戸崎騎手の好判断が生き、32.6の上がりで後続を寄せ付けなかった。
メンバー的には素質馬や実績馬が多くレベルが高そうなのだが、いかんせんレースとしてはレベルが大きく下げられた展開だったため、力が測りにくい。ここが改めての試金石である。
キャリアも浅いので、内で揉まれる展開やペース対応など不明な面が多く、どれだけ気分良く運べてどこまでやれるかがカギとなる。
対応出来れば勝てる素質はありそうである。
1着候補。

メイショウタバル

毎日杯は逃げて圧勝だけにインパクトが強いが、この日は逃げた馬がオール馬券内になるほど最内が結構使えるTBであり、単騎・スロー・TBの恩恵の他に後続馬が逆に内を開け気味に立ち回ったことによるロスで着差が余計に開いた印象があるし、重馬場で他が不発した感も否めない。メンバーも4着以下は低調。つまり、見た目ほどは強い競馬はしていない。
また、この馬はテンの速さでハナを取るのではなく、ダッシュを効かせてあとからハナを奪うタイプであるため、内枠だと他の馬がハナを奪った後後続に閉じ込められて身動きが取れなくなるリスク=気分良く運べなくなるリスクがある。つまり外枠の方が自分の競馬が出来る。
さらに、マクリ脚質が意外にも複数いるため、前が楽できる展開にならなそうなのも向かい風。
TB有利及び気分良く運べてどこまでという感じで、控えめ評価。
3着候補。

ビザンチンドリーム

きさらぎ賞は出遅れ大外ぶん回しというロスだらけの競馬になりながら直線だけで差し切っており、着差こそないがロスの少なかった2,3着よりは1枚以上上の内容といっていい。
ただし、メンバーが弱かったのも事実で、タイム差なしの4着までを見ても2着ウォーターリヒトはシンザン記念3着程度の馬だし、スプリングSで大敗、3着シヴァースの新馬戦タイム差なし2着のナイトスラッガーはシンザン記念大敗(内容はシヴァースの方が上だが)、4着インザモーメントはホープフルSでたいした見せ場はなく8着に敗れているし、アザレア賞を直近で勝利しているが、この時期の2400はほぼ長距離で敬遠されているのでダービーに繋がる可能性のある東京2400以外は頭数が少ない上にレベルが低いのが一般的である。(しかも条件戦で、相手関係を見てもかなり弱い。)
よって、今回は大幅相手強化の試金石である。かなり不器用そうなので外枠が欲しい。
3着候補。

コスモキュランダ

弥生賞はスローペースを決め打ちで3角からまくった奇襲がはまった印象で、逃げたシリウスコルト(ホープフルSは展開が向いて6着止まり)が3着に残るような前残り展開の恩恵を受けて勢いのまま惰性で押し切ったものである。また、マクリ脚質はある意味馬の行く気に任せたものであるため、ハマりさえすれば気分良く能力全開できるという面もある。
一方でシンエンペラーに先着したうえ、上位が内をロス無く立ち回った馬たちのなか外を回って勝ちきったのも事実であるため、能力さえ発揮できればチャンスはゼロではない。ただし、出遅れ癖に加え、弥生賞はスローペースであったため、G1のタイトな展開になるとロスの大きい競馬ではマクれず追走で脚を無くす可能性も否定できない。ギャンブル性の高い脚質であるため、軸には据えがたいし、普通に馬混みで競馬をさせるとパフォーマンスダウンのリスクもある。そもそも京都2歳Sでは8着に大敗している。
以上より、控えめの評価で十分。
3着候補。

ダノンデサイル

京都2歳Sは進路をカットされ仕掛け遅れたことを考えると4着ではあるが悲観するほどの負けではない。続く京成杯は好位外目のやや単騎ポジションを追走し、やや内有利TBもありほぼ前残り展開ではあったが、やや外を回りながら差し切ったのは評価できる。ただし、2着アーバンシックは唯一後方外目から僅差まで追い込んでいることを考えると内容としてはスローペースのなかの位置取りの差で互角か若干あちらの方が上であり、勝負付けは済んでいない。
また、京成杯は一般的に同コースであるホープフルSに出れなかったか避けた馬が集まるので、やや低レベルになることがほとんど。明らかに抜けた勝ち方をしているわけではないので、そのぶん評価を1つ下げるのが妥当である。
2着以下候補。

アーバンシック

京成杯はスローペースの前残り展開に泣かされただけで、ダノンデサイルとは位置取りの差であるため互角である。
今回はマクリ脚質が普段より多く、前が苦しくなる可能性が考えられるため、そういう意味ではこの馬が逆転できる可能性が高まる要素がある。
そこまで器用さがあるわけではないので展開依存ではあるが、恵まれればこの皐月賞で頭角を表す可能性はある。ただし、ダノンデサイル同様、京成杯の立ち位置を考えると1つ評価を下げるのが妥当。
2着以下候補。

サンライズジパング

弥生賞は体勢整わず回避となったが、その前を振り返ると、若駒Sはエンジンがかからずかなり手応えが悪かったが、直線で一気に伸びて完勝。ただし相手関係的には恵まれたと言っていい。不発の部類か?
ホープフルSは好位外目からかなり外に振られてたものの、差し脚を伸ばしてきたレガレイラと併せて伸びての3着である。直線半ばでシンエンペラーが大きく外に寄れたために進路をカットされた不利があったため、それがなければもっと迫れた、あるいは交わしていた可能性は高い。
よって、状態が整ってさえいればシンエンペラーと同等の評価を与えるべきである。
2着以下候補。

ミスタージーティー

若葉Sの勝利は内有利TBをスローの好位インベタで回ってきたわりには突き抜ける脚がなく、ホウオウプロサンゲ、キープカルムと大して強くない相手で、この馬が重賞級ならば楽勝して欲しいところだった。
なお、ホープフルSでは進路を探しながら残り100程度しか追い出せなかったなか5着ならまともなら3着争いに加われた素質はある。ただし、大外枠ながらそこまでロスなく追走ができていたのも事実である。
共同通信杯は位置取りで決まったようなレースであるため度外視しても良いのだが、差し脚でも劣っていたことを考えるとトップスピード面としてはそこまで上位ではなさそうである。
よって、地力的にはどうか?も、抑え程度の評価は与えていい。
3着候補。

シリウスコルト

弥生賞の3着はスロー単騎逃げの恩恵なので高い評価は不要で、ホープフルSも前残り展開の割に6着止まりなので、今回はもっと強い逃げ馬がいる以上買い目に入れにくい。
見送り。

サンライズアース

すみれSはスロー気味のところを外から捲って先頭に立ってねじ伏せる競馬で強い内容だったが、いかんせんメンバーが朝日杯4着のジューンテイク(展開恵まれで強くはない内容)やホウオウプロサンゲやミカエルパシャなど重賞級ではなく弱かったので、これもハマった感は否めない。
今回は相手強化でさらにマクリが他にもいるのでそう簡単には運べなさそうとはいえ、能力的にはまだまだ底を見せていないので、通用の可能性はゼロではなく、警戒が必要。
3着候補。

エコロヴァルツ

朝日杯の2着は最後方からロスなく外に持ち出して展開にも恵まれて追い込んできたものであるため、ジャンタルマンタルより強い内容とまではいかない。
続く共同通信杯は前哨戦ということもあり無理せず控えさせる競馬をさせようとしたが、ドスローなのもあり折り合いを欠いてしまった。とはいえ、そこまで目立った脚もなく伸びきれずの5着なので高評価は不要。地力的には正攻法では厳しそう。
ただし、朝日杯のように気分良く運ぶためにポツンをさせて末脚に賭けるなど極端な戦法を取る選択肢が存在する馬と鞍上なので、そういうときにハマった場合は圏内に飛び込んでくる可能性は否定しない。
3着候補。

ルカランフィースト

スプリングSの3着はドスローの前残りに恵まれたもので高評価不要。勝ち馬とは大きく突き放されたため、地力不足の可能性大。
見送り。

アレグロブリランテ

スプリングSの2着は(以下同文)
見送り。

ウォーターリヒト

スプリングSの大敗は展開に恵まれなかったとは取れるが、そもそもきさらぎ賞の2着はタイム差なしとはいえビザンチンドリームよりも内容は劣るしレベルに疑問が残るため、人気以上には走るがこれを買うならビザンチンドリームを買うよねとなると手が出ない。
見送り。

ホウオウプロサンゲ

ここまでのOP戦を見てもスローの前残りなどに恵まれないと圏内に残れてないし、若葉Sの2着は相手もミスタージーティー以外は弱いし、内有利のTBに恵まれた。
基本的には地力不足か。
見送り。

総評

大混戦で展開やTBでガラッと変わりそうなメンバーである。
ただ、有力馬の多くは「相手強化でどうか?」という感じで試金石の評価であり、脚質も極端。
ただ、これだけマクリの馬がいると全馬が大人しく後方に構えるとも思えないし、混戦ムードなら誰かが色気を出して前に行きたがる可能性もある。しかしマクリが入るなら前は基本的に苦しくなる可能性が高く、個人的には4角から進出するであろう差しに振りたい。
…レガレイラが一番強く見えるけどなあ…。

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