福島牝馬S マイラーズC フローラS 振り返り


福島牝馬S

最終印

TB・展開

TBは外差しが届かないわけではなかったが、フラット寄りの若干内有利。
3F35.3-35.0、4F47.8-46.6(5F60.3)と勝ち時計1.46.9を考えても比較的スロー。ウインピクシスが単騎逃げを成立させたうえ、3角付近で好位外のシンリョクカが不利を受けて落馬が発生したことにより中団・後方の大半は巻き込まれを回避するためにレースを何秒か放棄せざるを得ず、(ライトクオンタムが巻き込まれて落馬)不発を余儀なくされたため、前残りレースになったといえる。

コスタボニータ

このTBでこの枠は、内で立ち回るのが得意なコスタボニータにとっては絶好だった。相手も手頃だったので、今回順番が来たと言う感じだろうか。
スローの好位の内をロスなく立ち回り、直線は前が詰まったものの、その分溜まった脚でキレを出して抜け出し完勝。
やはり条件が揃えばこのレベルなら上位争い可能な馬だろう。

フィールシンパシー

外枠ではあったが、早めに位置を主張し好位外の3番手を確保。楽に運んでスローの前残り展開を生かした。この馬も好走には条件がつく馬であり、ここまでの重賞は全てスローやTBに恵まれている。人気で逆の展開が見込めるなら疑いたいタイプではある。

ウインピクシス

好スタートからハナに立ち、この馬の得意な内ラチ沿いを確保。スロー単騎で楽に進めて粘りこんだ形である。
この馬の好走パターンは内ラチベッタリ&内有利TBか内前有利の展開のみ。
今回はそれに当てはまったというだけ。

ピンクジン

2勝クラスで燻ってた馬が大激走だが、一応この馬も例に漏れず前残り。
上位3頭以外の先行馬(トーセンローリエとラリュエル)が弱すぎたのと、捲って上がったタガノパッションの脚が上がったこと、後方がほぼ不発したのが影響したか。
同じ位置にいたエリカヴィータを競り落としたのは立派だが、3頭にはやや離されたし、この結果を素直に受け止めるべきとは思わない。

エリカヴィータ

枠を生かして中団前目を内でロスなく溜めての5着なので価値は低い。
まだまだ地力が足りないか。

マイラーズC

最終印

TB・展開

TBは開幕週だったがそこまで内有利はなく、ほぼフラット。外差しも決まっていた。
3F34.1-35.4、4F45.6-46.9(5F57.1)とG2にしては力勝負のミドルペースになったといえる。前がそこそこ競り合ったのもあるだろう。
決着もほぼその通りになったかなという印象。

ソウルラッシュ

中団からスムーズに外から進出してマクリ気味に差し切る内容で、スムーズな競馬もできて文句なしの内容。
昨年よりも少し競馬の内容が良くなってきた。G1まで勝ち得るかはわからないが、チャンスは生まれてきたかもしれないと思わせるものであった。
後述するが、セリフォスとは今回に関しては多少加味する点はあるが僅かに上かというところ。
安田記念への期待が高まるところだろう。

セリフォス

壁を作って折り合いに専念という形で、今回はそれなりに折り合えてはいた。
しかし、やや4角で詰まったぶん加速が遅れ、坂をうまく生かし切れなかった。
そのぶんの遅れが響いての2着だが、力を示した内容で内容自体は悪くない。
斤量1kgのハンデを加味すれば見た目ほどの差はないし、本来の力を出しきれればG1級なのは疑っていない。
4歳春のときよりもやや陰りが見えなくもないが、まだ悲観するレベルではない。

ニホンピロキーフ

ソウルラッシュの内から進め、同じくスムーズに進路を確保して伸びてきた。
道中のロスはかなり抑えられていたことを考えると上2頭には力負けだが、他にはきっちり先着しており、上がり馬ながら力を示したと言えるだろう。
サマーマイルシリーズあたりで一稼ぎできそう。

エアロロノア・ソーヴァリアント

実績馬の意地を見せた格好で他のOP馬にはきっちり先着したが、やはりG1級には遠い。
この馬たちもどちらかと言うと今後はサマーマイルあたりが良さそうだが、ソーヴァリアントは重賞2勝馬なので、ハンデ的にキツそうか…。

フローラS

最終印

TB・展開

TBは若干内有利程度。開幕週ながら前開催ほどは内の有利性はなかったものの、ロスなく立ち回った馬が穴を開けるケースは比較的多かった。ただ外差しができないレベルではなかった。
3F35.6-35.0、5F59.7-59.3。淡々と11秒後半~12秒前半を刻み続ける流れで、この時期の牝馬の中距離戦かつトライアル重賞としてはまずまず体力も必要なペースだったと考えている。ただし、12.0-11.6-11.6-11.8なので惰性が使えていないわけでもはない。よって、後方よりは前目でロスなく運んだ馬にチャンスがあったとは言えるだろうが、そこまでスローというほど緩んではいないことを考えると比較的力勝負に近かったかなと思われる。

アドマイヤベル

牡馬混合で戦ってきただけのアドバンテージはあったと言える内容。
好位外目をしっかり確保。多少被されるところはあったが我慢はできていたし、途中から単騎のシーンもあったので気分良くは走れていたと考えている。
直線もしっかり伸びて差し切り完勝の内容ではあるが、後述するがメンバーレベルは低い。オークスは抑えまでが妥当か…。

ラヴァンダ

インベタで好位をロスなく回り、直線も進路が開くまで仕掛けを待ち最内を選択して逃げ馬を交わして抜け出したところをアドマイヤベルの強襲で交わされた。
内容自体はTBを考えるとやや恵まれたもので、高評価していいか微妙なところ。
そもそもこの馬は1400でも1勝クラスを勝ち切れなかった馬である。
距離適性などあるかもしれないが、そんな馬が2着に来るようなメンバーレベルだったと考えるのが妥当だと思う。

カニキュル

後方から唯一追い込んでフラワーCから巻き返した。
東京のように広く使えるコースがいいのかもしれないが、フラワーCも1勝クラスレベルだし、それの6着馬が巻き返して3着といっても・・・という話にしかならなそう。

クリスマスパレード

悪くはない内容だったが、逃げて勝ってきた馬が外3頭目を回り続ける競馬だったのはやや苦しかったか。
とはいえ、2勝馬の格好をつけたとまでは言い切れず、悩ましい評価。

トロピカルティー

バロネッサがもう少し楽な枠でスムーズだったらこうなっただろうというイメージの内容。
悪い内容でもないが、メンバーレベルを考えるとあまり評価はできない。

エルフストラック

出負けして逃げられず最後方から。
途中から捲って好位につけ直して直線もしぶとく脚を使って2着争いにギリギリまで持ち込んだのは、そこまでペースが緩まなかった展開を考えてもなかなか優秀。いずれもう1,2個勝ち上がれるだろう。
とはいえ、何度も書くが、フラワーCをロスなく回って逃げて5着の馬が強く見えるレベルなのである・・・。
キレ勝負に持ち込まなかったのは良い判断だったが。

バロネッサ

前走は出たものの、今回は出遅れ。最内枠が仇になって外から切り込まれたため、序盤は多少の不利も受けたし、折り合いもイマイチだった。
ややチグハグさもあったので、今後巻き返せる可能性はある。
ただ、秋に間に合うほど強くはなさそう。

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