ユニコーンS 青葉賞 天皇賞春 振り返り


ユニコーンS

最終印

TB・展開

TBはフラット。普通の京都ダート。
3F37.0-38.1、4F48.9-50.7(5F61.5)とミドルペース。ほとんどラップが動かない我慢比べで、その中で脚を使えた馬と位置を取れた馬が上位に来た。
トライアルでもあったので、なかなか優先出走権をかけたいいレースになったのではないか。なかなかレベルは高そう。

ラムジェット

距離延長を続けることで追走面は緩和。中団後方から進めることができた。それでもかなり追い通しでズブさは変わらず。
向正面外から一気に進出し、捲りながら直線ではすでに先頭集団。抜け出して突き放す完勝ぶりだった。
道中は馬群の最後方で単騎で動けるポジションだったためそれに恵まれたとも言えるものだが、自分から動いて勝ちに行っての勝利は価値があり、地力はかなりありそう。もう少し馬が動けるようになれれば古馬とも戦えそうな素質はあるように見える。

サトノエピック

好位やや外目から進め、4角から直線にかけてかなり混み合う展開だったが、外目のぶん進路が開いておりスムーズに脚を伸ばしてのもので、ラムジェットには力負けか。
3着はかなりロスがあったので、そこまで差はないように見える。

ミッキーファイト

枠なりに好位の中から進め、サトノエピックが外にいるというポジション。
内にいたぶん4角から直線で混み合った展開で揉みくちゃにされながらも脚を伸ばそうとしたが、前が垂れかけたムルソーとカゼノランナーで壁になり、スムーズさを大きく欠いた。
2着争いはできそうな内容だっただけに、サトノエピック相手に関しては力負けとは言えないが、ラムジェットの方が強かったか。

サンライズソレイユ

後方3番手でポツン状態でかなり楽に進めてのもので、ラムジェットのマクリに遅れてついていく形。
ラムジェットにより前が苦しくなったところを差しただけなので、ポジション含めて価値はそこまで高くない。
ただ、思ったよりは走れたなという感じではある。今回は田口騎手が上手く脚を溜めた。

ムルソー

相手強化で底が見えてしまったか?
逃げられない競馬で外3のポジションでロスのある競馬だったため、それでも5着と見れば最低限力はあることは示していると考えてはいる。
ただ、ベストパフォーマンスとしては逃げた時なので、今後を考えると控える競馬を覚えさせてどこまでという感じになるのかなと思われる。

青葉賞

最終印

TB・展開

TBはほぼフラットでいいだろう。
3F35.6-36.2、5F59.5-60.7とこう見ると前傾気味のタフなミドルペースっぽくは見えるが、実際はパワーホールの大逃げによるもので、ラスト1F以外は彼のラップ。
2番手ウインマクシマムで5F60.2程度、3番手(ここからが馬群)シュバルツクーゲルで5F61.3程度なので、実際はかなりスローペースでほぼヨーイドンだったと思われる。(勝ち馬は5番手あたりから上がり33.9でまとめてるわけで)
ダービーにつながるかどうかは不明も、皐月賞に出るようなクラシックメンバーがいない格下戦であることを考えると…

シュガークン

スタートは良く行こうと思えば行ける出脚だったが、意図的に控えさせて5番手程度の内ラチ沿いから。
ロスなく進めたが直線は前がなかなか開かず出るところがなくなり、手応えがなくなっていた外の馬に寄せてこじ開けるややラフプレー。
そこから抜け出して押し切った。
ラフプレー自体は武豊騎手が小程度の影響で済む程度に御してはいたもののあまりいただけない(過怠金案件)ことではあるが、権利を取るためにもやらなければ前壁で負けるわけで最終手段だったと思われる。
それはさておき、勝ち方としてはロスなく回って抜け出して押し切るというもので、着差もないので比較的普通で抜けた内容ではないし、相手はクラシックから外れた比較的弱いメンバーである。
つまり、ここからダービーで勝負になるには少なくとも格の違いを見せる勝ち方をしなければならないわけであり、それができず手一杯の内容と考えると相手強化のダービーは厳しいと思われる。
ただ、2月デビュー馬がダービーまで漕ぎつけたのは立派である。1着賞金は積めたので秋も心配無用になったのは大きい。神戸新聞杯でどこまで良くなるか期待したいところ。

ショウナンラプンタ

またも折り合いはギリギリでスローなのもありやや口を割りながらの追走。それでも直線は脚が残っており、外から追い込むも、ほぼ位置取りの差でギリギリ届かなかった。
負けたとはいえ、総合的に考えると内容としてはこちらの方がやや上に見える。
そうはいっても、東スポ杯、ホープフルSでチグハグとはいえ負けている馬だし、ゆきやなぎ賞も弱小メンバー。そんな馬が勝ち負けできるようなメンバーレベルと考えると、やっぱりこの馬もダービーで高い評価はつけにくい。

デュアルウィルダー

ショウナンラプンタよりも1つ後方から外を回して追い込む競馬で、最後の最後に強襲して3着に滑り込んだ。とはいえ、権利も賞金もないのでまた夏から出直しとなる。(ラジニケに行くかな?)
キャリアの少ない3戦目の1勝馬だが、折り合いはついていたしモレイラ騎手もやれることはやったという内容。
ショウナンラプンタとは位置取りの差。折り合いのロスを考えると若干ショウナンラプンタが上かもしれないが、まだまだ伸び代はありそうで完全には底が割れていない。
条件戦ならポンポン勝ち上がれる素質は感じる。秋に間に合うかどうか。

サトノシュトラーセ

やや後方からの競馬となるも、スローのうちに徐々に向正面で位置を押し上げ、中団外で直線を迎えて直線も伸びたが、シュガークンに寄られたトロヴァトーレの煽りを受けて外に追いやられる不利があり、一瞬立ち遅れて追い込んできたショウナンラプンタに挟まれかけた。それでも懸命にショウナンラプンタに食い下がって伸びたものの、デュアルウィルダーの強襲に屈した。
力負けというほどの負けではないものの、レベル的には…というところ。秋までにどれだけ稼げるか。

ウインマクシマム

逃げ馬の離れた番手で3番手も放置してくれていたので好き放題走れる最高のポジションだったのだが、伸びきれないあたりはこのくらいが限界というところだろうか。

へデントール

出遅れたとはいえこの展開でほぼ最後方グループは流石に厳しいし、いうほど脚も使えてないので、まだ馬が若く力が足りなかったと見るのが妥当か。

天皇賞春

最終印

TB・展開

TBはフラット。ほんの少し内という感じもしたが、そこまで影響はない。
3F36.6-35.3、5F59.7-62.0-61.5-12.0(L5F60.0)
とそこまで緩み切らず比較的締まったレース。多少縦長とはいえ13秒台のラップがなかったことからも、ここまでの長距離戦に比べると持久力が問われたスタミナ展開寄り。文字通りステイヤーとしての力が問われたと言っていいだろう。

テーオーロイヤル

4番手につけ3角から坂を生かしたロンスパを仕掛け自ら外を回り勝ちに行く横綱競馬。文句なしの完勝。ステイヤーとしては完璧な能力で全く危なげなかった。
一方で、この馬はオールカマーやアルゼンチン共和国杯を見ても中距離だと厳しそうであるが、G1馬となった今、適鞍がもう来年までない。
今後は海外の長距離G1に活路を広げるのだろうか。

ブローザホーン

スタミナ展開になったことにより巻き返し。
やはり弱点の3.4角のペースアップで遅れをとってしまったものの、エンジンがかかってからは他馬を撫で切り力を見せた。
力はあるにはあるのだが、展開依存型でこのレースレベルになると自分から動けない。前残りパターンに今後も悩まされそうなタイプに思える。

ディープボンド

逃げ馬の離れた番手を確保しこの馬にとっては最高の展開、ポジションで競馬ができた。
早め早めに動いて逃げ馬を捉え、一時先頭もテーオーロイヤルにがっぷり四つで食われた。
そのため基本的には力負けだが、4年連続好走は立派としか言いようがない。肉体的な限界は否定できなくとも、最低限好走できるだけのスピードを維持しつつメンタル的には元気なのだから拍手。

スマートファントム

大外にも関わらず早々に最内を確保し全くロスなく競馬ができ、直線も最短経路で捌きながら伸びてきた。スタミナ比べをロスなく乗ることでカバーし最高の競馬。これ以上は求められない。しかし、いきなりのG1でこれだけやれたことは誇っていいはず。

ワープスピード

位置こそやや後ろだったが内枠を生かしたロスのない競馬で追い込んでのもので、内容はほぼスマートファントムと同じ。
これ以上は求めにくい競馬だったと考えている。

サヴォーナ

スタートで出負けしたものの、押して押して4番手を確保し、テーオーロイヤルにロスなく回らせないよう、自分がロスなく立ち回れるよう内から終始ブロックするようにポジションをキープしたが、それでもテーオーロイヤルが強かったというもので、序盤はスムーズでなかったにしろ完全に力負け。
ただ、この馬が好走するためには前目でこういう競馬をするほかなかったと思うので、プレッシャーをかけに行った分4.5着に差されたという感じだろうか。勝負に出た池添騎手は良く乗ったと個人的には思う。

タスティエーラ

この馬に差し脚のスピードを求めるべきではないと思うので、そもそも先行できる構えは見せてるだけに中団に控える競馬ということ自体が個人的に間違っていると思うのだが・・・(まあ、大阪杯ガス欠だしこれが松山騎手なら意図はわかるが、モレイラ騎手は菊花賞も後方だったので、捉え方が違うのだろうか)
道中はロスなく乗って普通に強い馬なら完璧な競馬。これで伸びないのは力負け。
この馬自身への個人的な仮説は、高速馬場自体が合わない(サトノクラウン産駒らしい耐久戦タイプに思える)けど世代自体スピードに長けてる馬がいない(のでレベルが低い)からダービーでは通用しただけと思っている。
あとは、単に被される競馬を得意としていないので外を回ったほうがよさそうというところ。この両方を満たした最高のパフォーマンスが皐月賞。これを未だ出せていないというようにも見える。
とはいえ、宝塚記念は相手が揃うので・・・結構ピンチであることは変わりないが。

サリエラ

枠の利を捨てたのはおそらく華奢な馬、しかも牝馬なだけに揉まれるよりも外を気分よく走らせた方がいいと判断したからだろう。
強い馬なら間違いなくこれで勝てるという完璧な内容だったが、ペースアップについていけず、スタミナ比べとなったことでガス欠。この馬が重賞で勝つにはなかなかハードルが高い。

ドゥレッツァ

菊花賞馬としては明らかに物足りない内容。
序盤いくらか行きたがっておりホームストレッチでも若干掛かり気味だったので息があまり入らなかったところはあるにしろガス欠が早すぎた印象。
菊花賞がスローだったのでうまくごまかしたところはあるにしろ・・・という感じ。
なお、熱中症という報道がなされているが、それが間違っているとは思わないが、種牡馬価値も考えると力負けとは言いたくないし、外的要因に求めるのはビジネス的にはそうだよねとは思う。また、熱中症がどれだけ競走に影響があるかわからないので・・・(重度だとアスクビクターモアの例があるので、あまり踏み込んだことは言えないが)
回顧としては、菊花賞馬としては残念な内容だったということでいいだろう。この馬も立場的になかなかピンチ。
4歳世代は全体的にスピードに長けていない。意外と道悪だと全馬台頭するかも?(冗談)

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