【FC琉球】J2 第29節 vs 徳島ヴォルティス

はじめに

前回対戦では、直前に中川の移籍が有ったものの2-1と辛くも勝利した琉球。今回も直前に主力を抜かれての対戦となる。
このレビューを読む前に、4節徳島戦の内容を振り返る事をお勧めする。

4節徳島戦
https://note.mu/falsolateral/n/nb6d998c9f605


スタメン

琉球 4-2-3-1
新加入鳥養が左SBに入る。鳥養・富所と左サイドは逆利き足選手を配置。こちらも新加入ハモンが中盤右に入る。

徳島 3-1-4-2
これまでに対戦した記憶が無い変な布陣。なんじゃこれ。
狙いはわからないが、中央をミラーゲームにしたかったのかも。

前半

開始4分、鳥養がワイドポジションからWBとCBの裏を抜ける動きをみせる。惜しくも富所とはタイミングが合わずパスを引き出せなかったが、今までには無いSBの動きだった。

琉球、守備時4-5-1。中盤を厚くする。前節同様この試合でも相手が深い位置からビルドアップを開始し琉球を自軍に引き込みたい思惑が見えたが、琉球はそれには付き合わない。最終ラインの持ち上がりは許容し中盤に入ってくるパスを狙った。琉球の守備は全体が30メートルを保ちコンパクトな陣形だった。横浜戦の反省を活かした守備から試合に入る。

11分、徳島のフリーキックを岸本がヘディングで狙うも届かず。琉球は苦手なセットプレーで相手マークを外してしまう。またかよ。

同11分、徳島FW脇のスペースから岡崎がボールを持ちあがり縦パス。ミスにはなったがDFラインからボールを持ち上がる良いプレーだった。前半何度か有ったので意識的に岡崎が持ち上がるプレーを選択していたと思う。

ハモン、徳島中盤3枚の脇で自由を得る。

琉球、岡崎が持った際は上里が中央でサポート。西河が持った場合は中央上里&風間が右SBまで降りてサポート。ビルドアップに難がある西河には中盤2枚でサポート。

34分、上里のノールックパスを受けた上門が強烈なミドルを打ち抜き琉球が先制にする。上門は徳島相手に2戦連発。

前半、システムの噛み合わせを活かしハモン、富所が中盤脇のスペースを使い優位に試合を進めた。鳥養はデビュー戦とは思えないフィットぶりでビルドアップを難なくこなした。守備では不用意に相手を深追いせず、陣形をコンパクトネスに保つことを優先し、前節からの修正が見てとれた。琉球が一方的に殴り続け1-0とリードして終える。
一方徳島はシステムがかみ合わな過ぎて守勢に回る時間が多かった。後半フォーメーション変えないとやばい。

下の図は作ってはみたものの使いどころが無かったので、とりあえず張っておく。徳島の攻めと琉球の守備陣形です。

後半

徳島は4-4-2に変更。
左SB内田は偽サイドバック化、攻撃時は中盤中央に移動しビルドアップの逃げ道を作る。ネガティブトランジションに転じた際は危険な中央のスペースを埋めるピースとしても機能。

試合は一方的に徳島ペースで進む。
ボールの扱いに長け偽サイドバック化した内田と岸本を中心に左サイドを制圧。琉球のプレイヤーを左側に集めておき、CBバイスが右サイドへロングパスをする形は徳島の十八番。
前回対戦時にも悩まされたこの形に対し、琉球は中盤富所が左の最終ラインに入ることで対抗(守備時5-4-1)。

システムを変える事で前からはめていく徳島。スペースを埋めた前半と違い、後半はマンマーク気味になる。
琉球も間で受けようとするが、前線の圧力を強めた徳島の守備に対して有効なパスは出てこない。なかなか中盤に当てる事も出来ず、ロングボールを放り込むも上門はターゲットマンとしては機能せず。鈴木がいた頃はロングボールでも何とかなっていたんだが、、、「カルバハルに戻してリセットするぜ」に対してもFWが執拗にプレスしボールを持たせてもらえず、カルバハルはロングボールを蹴るしか無かった。もちろんそのボールは徳島が回収した。完全に出鼻をくじかれた琉球であった。

52分にバイスのFKで同点にした徳島。その後も72分のオウンゴールを皮切りに18分間で5得点をあげ1-6で試合終了。今回もセットプレーから5失点。。

失点シーンは振り返らないが、西河のパフォーマンスは不安の一言。遅れて足を出してPKを与えたファウルの場面は、今シーズン何度か見掛ける「敵に抜かれたらファウルで止める」だったがPA内ではあかん。53分のスローインをセルフジャッジしたシーンも開いた口が塞がらなかった。。

徳島のハイラインハイプレスに成すすべもなく敗れる結果となった。
主力を抜かれるシーズン序盤で有れば、こういった試合でも相手のプレスをかわす事が出来ていたのだが、、増谷 中川 鈴木を失えば厳しい。

今節に限らずだが敵が琉球対策を講じた際に、それを見越してあらかじめ「陣形を変える」だとか「この選手をここに配置する」だとか、オプションとして手札を持っていないのが最近の負けが込んでいる一番の要因だと思う。誰かが言っていたが「相手はグーを出しているのに、琉球はチョキを出し続ける」みたいな。
「勝つ!うちは絶対にチョキで勝つ!相手がグーであっても!」がいわゆる"琉球のサッカー"なんだと思う。いや相手がグーならパー出そうよ!と言った所でパーを出す選択肢は持ち合わせていないので、試合終了にかけてゆっくり死んでいくのである。


ポジティブな点は、鳥養が加入し左サイドには逆足の選手を置くオプションを得たので、この試合では攻め上がりを自重していた西岡のオーバーラップが効きそう。左サイドでビルドアップして右サイドで一気に崩す開幕時のスタイルはもう一度みたい。徳元復帰したら鳥養を右サイドバックに回すのも十分有りだと思う。
ハモンは思った通りアジリティが有ってボールの扱いに長けた選手。サイドに張らせてもハーフスペースでも仕事が出来るしあの独特のリズムのドリブルはなかなか止められない。55分のバイスとの1on1はしびれた。
フィジカル面で少し不安はあるけど徐々に慣れていくはず。

次節は岐阜との降格争いダービー on 一万人祭り。
風間弟は出れないが、新加入FW山田のデビューに期待したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?