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高野山金剛峯寺奥の院

中の橋駐車場に到着後、奥の院へ急ぎ足で向かう。夏とは言え天気の悪い夕方16時台ともなると日が暮れかかり辺りは薄ら暗くなってきた。それもあってか観光客は奥の院へ向かうより帰る方角へ進む人が多い。私はその人の流れに逆らう形で速足で歩く。
ひとまず奥の院を一目見たい、あわよくば有名な武将の墓を拝んでみたい、あと不思議な場所すべては無理でも見返り井戸と汗かき地蔵は抑えておきたい。時間が惜しい。とにかく先を急ぐ。
奥の院に向かう途中、織田信長と豊臣秀吉の墓が。織田信長の墓は何となくこじんまりした感じで何も知らなかったら普通に並んでるお墓だったが豊臣秀吉は結構広大な土地に建っていた。歴史の教科書でしか知らない伝説の人物だが、こうして墓があるっていうことは空想上の人物ではなく、ちゃんと人として生まれ死んでいったんだと現実味がある。当たり前なのだが、私はどうしても本で読んだ知識は空想と現実がごちゃ混ぜになる傾向があり、こうして目の当たりにすると「本当にいたんだな」と感心させられる。

ゆっくり見ていきたい所だが今度は奥の院へ。もちろん撮影禁止区域。さらに脱帽して拝観するようにと注意書きがある。

夕暮れ時でもあり人も少ないので辺りは物々しい雰囲気が漂う。幽霊が出るなどの噂があるが、そらお墓だらけなんだからそうだろう。それにしても威圧感漂う場所であった。
奥の院の建物の中を覗き込むとはお坊さんが何やら書き物をしていて入っていいやら静かにしておくべきなのかよくわからない。近くにいた外国人がいたのだが彼らも同じなのだろう。建物内を覗いては離れてをしばらく繰り返した後は建物の周りをうろうろしていた。拝観料を払う余裕も時間的な余裕もなかったので私も建物の外周を回り帰ろうかと思ったら地下の納骨堂?のような場所へ入れそうであったのでとりあえず入ってみた。中はお経が書かれた小さな傘のようなものが無数にあり所々仏像のようなものが並んでいる。不勉強なものでどういった意味があるのかよくわからなかったが順路の通り一周回ってみた。道半ばに差し掛かった時祭事に使うのか、かなり大きいサイズの「独鈷」が鎮座していた。これはわかる!「孔雀王」にも出てたし「うしおととら」にも出てた!妖怪変化を倒す武器・・・ではないのでしょうねきっと。漫画でわかる程度の知識ではどうにもならなかったが、漫画に出てきた物品が実際に使われているんだなと思うとあれは空想上の武具(?)ではなかったのだと漫画世界の物事が一気に現実味を帯びた。そうさ、いつか私も修行を積めば流兄ちゃんみたいに獣の槍伝承候補者になって白面の者を倒しに・・・そんなわけないのだが。と言うか流は裏切ってて白面側についたか。


色々感慨に耽っている時間はないのでここから不思議スポットへ向かう。

奥の院を後にし元来た道を急ぎ足で戻っていく。途中の分岐を元の道ではなく一の橋方向へ向かう。
姿見の井戸と汗かき地蔵はすぐ近くにあるようだ。それぞれ井戸の底に自分の姿が映らないと三年以内に死ぬ、汗かき地蔵は人々の苦しみを身代わりとなって一身にに受けてくれているからずっと汗をかいているといわれている。姿見の井戸に私の姿が映るなら今回の旅で命を落とすことはないだろう、汗かきとか言いつつ湿度のせいなんじゃないか、とかなんとか考えながら進む。

10分弱程度で目的地に到着。道中覚鑁坂で転ぶこともなく、姿見の井戸には・・・自分の姿は映った。これで帰り道は大丈夫だろうと一安心。汗かき地蔵に関しては暗くて中がよく見えず確認できなかった。
さてこれからである。中の橋駐車場へ戻らなければならないが、分岐を元来た道に入らず一の橋方面に行った為マップ上は大きく遠回りしないと帰れない。

がしかし、現場近くに県道へ向かう小道があった。ここを通ると大きく迂回することなく県道に出ることができたので時間を大幅に短縮。何とか16:30頃に中の橋駐車場に戻る。そこから準備をして出発は16:45分頃となった。フェリー出港まであと3時間。スムーズに大阪に抜けることができればいいのだが。ここからが紀伊半島ツーリング最大の難関となった。

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