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好きなっても…いいですか?⑤

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5人用 (男3 女2 兼役あり)

登場人物

中山美緒 みお 21歳 女 IT企業の社会人1年目、頑張り屋過ぎて空回り、恋も仕事にも不器用

中島瑠衣 るい 27歳 男 美緒の先輩 面倒見がよく、頼まれたら断れない性格

島田部長 48歳 男 怖くて有名な上司、人を見る目がある

立花由香  由香 26歳 女(実は28歳)帰国子女 容姿端麗 高飛車で素直になれない性格

相田咲夜 さくや 22歳 男
元ホスト 女の子に目がない、瑠衣をライバル視している

美緒父(島田部長兼任)

美緒母(立花由香兼任)

作品紹介

前回のあらすじ
晴れて正式に付き合う事になった瑠衣と美緒
クリスマス目前に突然、美緒の実家から電話があり…第5話目スタートです!

本編

島田部長:今年も残すところ、あと、わずかとなったわけだが、みんな良く頑張ってくれてるな!それと、入社してまだ半年にも関わらず、持ち前の営業トークを活かして、業績を伸ばしてくれた相田君っ!今月の月間売り上げ上位入賞おめでとうっ!

咲夜:ふっ、いや〜それほどでもないっスけどねっ!まあ、俺がっ!実力をちょっと出したらこんなもんですよっ!

由香:よく言うわね〜!瑠衣に散々フォローしてもらってたくせにっ!

咲夜:うっ…それは…

美緒:たしかに…あ💦でもでもっ!咲夜さんの人との接し方が、入社当時より随分穏やかになりましたよね?

咲夜:でしょー!さっすがっ美緒ちゃんっ!オレの事ちゃんと見てくれてる〜!あ〜やっぱりオレに気があるとか?

美緒:いや…それは…(由香のセリフをかぶせる)

由香:そんなわけないでしょ!美緒ちゃんは瑠衣しか見えてないんだからっ!瑠衣の周りをウロウロしている相田君が、たまたまっ視界に入るだけよっ!な〜に浮かれてんだかw

咲夜:由香さんにそんな事言われなくてもわかってますよっ!ちょっと期待持ってもいいじゃないすかっ!オレなりに頑張ったんすよ?

瑠衣:あっはははっ!うんうんっ!相田君は以前に比べたら成長したよっ!分からない事は素直に聞いてくるし、率先して先方の話に耳を傾けるようになったよね!

咲夜:ほら〜?由香さん、中島さんも認めてくれるんですからっ!実力ですよっ!じ・つ・りょ・くっ!

由香:はいはいっ頑張って偉いねー!相田君👏

美緒:うふふふっw

島田部長:そして、最後になったが中島君っ!君は3年連続で年間営業売上トップだっ!おめでとうっ!

瑠衣:ありがとうございますっ!これもひとえに営業一課の皆さんとチーム一願となった結果です!自分1人の力ではありませんっ!

島田部長:そうやって謙遜して周りに気をつかえるところが、中島君っ!君の魅力だっ!この調子で皆の良きリーダーとして、これからも頑張ってくれたまえよっ!大いに期待しているよ!ハッハッハッ!

瑠衣:はいっ!ありがとうございますっ

由香:瑠衣っ!さすがねっ!私も頑張ったんだけどな〜1歩およばすだったわ

瑠衣:いやいや💦由香もオレの仕事のフォロー入れてくれたし、オレなんかより由香の方が凄いよっ!

咲夜:まあ…オレも〜中島さんの仕事のフォローに入った事も多分あるし〜?オレのおかげ的なとこもあったりしますよねー?

瑠衣:ふふっ、うんうんっ!ありがとう相田君っ!いつも助けらてるよ!

由香:瑠衣の相田君へのフォローが10に対して、相田君から瑠衣へのフォローが1あるか?ないか?くらいでしょ!新人が何を張り合おうとしてんのよっ!…あ〜それと…美緒ちゃ〜ん?…瑠衣の顔を恋する乙女の顔で、ガン見するのはそろそろ止めたら?はたから見たらちょっと異常よ?瑠衣の顔に穴あいちゃうから

美緒:…え?んん?…あ💦すいませんっ!私そんなに見てました?…あ、瑠衣っ!おめでとうっ!

瑠衣:はははっ美緒ちゃん!ありがとうっ!

咲夜:くう〜!オレも美緒ちゃんに顔に穴が開くほど見つめられたいぃぃ〜!

美緒:あの〜それで…瑠衣…クリスマスの予定なんだけど?(小声で)

瑠衣:うん…明後日だよね?

島田部長:おーい中山君っ!実家から電話だっ!外線2番だっ!

美緒:…えっ!あっはいっ!…もしもしっ!お母さん?…うん…

由香:美緒ちゃんの実家からだって…なにかしらね?瑠衣…

瑠衣:うん…美緒ちゃん

美緒:ええ〜!お父さんがっ…突然倒れたって!?わかったっ!スグに帰るからっ!電話切るねっ!…島田部長っ!すいませんっ!父がっ…父がっ!

島田部長:ああ…聞こえたよ…お父さんが倒れたそうだな…すぐに帰ってあげなさいっ!立花君っ!中山君の仕事、引き継ぎ頼めるか?

由香:はいっ!美緒ちゃん落ち着いて…仕事の事は大丈夫だから…気をしっかり持つのよっ!まだお父さんの詳しい状況が分からないんだから…

美緒:…すいませんっ!由香さん…気が動転して…お父さん…ぐすっ

瑠衣:大丈夫?美緒ちゃん…ついて行ってあげたいけど…

美緒:…ぐすっ…いいんです…私の親の事だから、それに瑠衣には大事なお仕事があるし…

咲夜:…あのっ島田部長っ!オレっ!中島さんいなくても大丈夫なんで…中島さんも休ませてあげてもらえませんか?中山さん1人じゃ帰れそうになさそうなんで…

瑠衣:相田君…でも…

島田部長:うんっそうだなっ!中島君っ!中山君を送ってあげなさいっ!仕事はいいからっ

由香:瑠衣…美緒ちゃんの事頼むわね…側についていてあげて

瑠衣:わかった…島田部長っ!相田君っ!由香っ!みんなありがとうございますっ!…行こうっ!美緒ちゃん

美緒:…瑠衣…ありがとう…

(駅 構内)

瑠衣:(走ってくる)はあっはあっはあ…美緒ちゃんっ!…なんとか新幹線の指定席の切符…買えたよ!

美緒:瑠衣…ありがとう…ごめんねっ…中山家の事に巻き込んじゃって…

瑠衣:…っ…何言ってんの?美緒ちゃんのお父さんの事でしょ?オレにも関係ある事だよ

美緒:え?…でもお父さん…私が瑠衣と付き合ってる事知らないし…

瑠衣:そっか…まだオレ達が付き合って半年だもんね…でも付き合う前に美緒ちゃんのお父さんに報告しなかったオレに責任があるわけだし…こんな時に不謹慎かもしれないけど…ちゃんと挨拶しておかないとね

美緒:…ありがとう…瑠衣…お父さん…大丈夫かな?

瑠衣:そうだね、お父さんって…以前から体の具合悪かったの?

美緒:ううんっ!(首を横にふる)元気すぎるぐらいの働きもので…たまにちょっと口うるさいぐらいだけど

瑠衣:そうなんだね…働きものか…美緒ちゃんにちょっと似てるのかな?|

美緒:う〜ん?どうだろ?何でも自分でやりたがるところは私と似てるかも?お母さんはお父さんのやりたいようにやらせてるからワガママになってるかも知れないけど…

瑠衣:…そっか、あっ!電車来たから乗るよ!美緒ちゃん

美緒:うんっ!

(会社)

由香:はあ〜今頃、瑠衣は美緒ちゃんの実家に行ってるのか〜、あ、待ってっ!美緒ちゃんの実家…て事は両親に会うのよね?となると付き合ってる事を報告して…『ゴホン!娘を君のようなどこの馬の骨だかわからんやつに渡さん!(父役)』とか言われて〜、『お父さんっ!瑠衣は馬の骨ではなくて、会社では3年連続営業売上トップのエリートなのよ!(美緒役)』『おおっ!なんとっ!瑠衣君っ!末永く、うちの娘を頼むよ!(父役)』っていわれてるんじゃあ…

咲夜:由香さん…仕事もしないで1人で何やってんすか?それにその設定、いつの時代の昼ドラなんスかっ…てか、由香さん…もしかして…産まれは昭…和…痛ってぇ!(由香に叩かれる)

由香:失礼ねっ!誰が昭和よっ!まだピチピチの20代です〜!

咲夜:ピチピチって…それもう死語じゃないっスか〜!

由香:うるさ〜い!アンタも美緒ちゃんの事好きだとか言ってる割には、カッコつけて瑠衣の代わりに仕事引き継いだんだからっ頑張りなさいよっ!

咲夜:わかってますよ〜!ここで美緒ちゃんや中島さんに借りを作って、中島さん抜きで仕事をやり遂げたあかつきには、島田部長から昇進を約束されたようなものっ!まさに一石二鳥!棚からぼたもちですよ!この素晴らしいオレの計画!どうですかっ!

由香:瑠衣抜きで1人でやり遂げられたらね?私に泣きついて来てもフォローしてあげないんだからねっ!

(美緒の実家)

美緒:ただいまー!

母:…え?美緒?あなた…何しに帰ってきたの?

美緒:お母さんっ!お父さんはっ!

母:お父さんなら奥の部屋で寝てるわよ

美緒:ええ〜!病院で入院とかしなくて大丈夫なの?

母:なんでぎっくり腰で入院するのよ?自宅で安静にしなさいってお医者さんに言われたところよ

美緒:えー!倒れたって…ぎっくり腰だったの?

母:そうよ?だから美緒には心配しなくてもいいよって連絡入れたでしょ?なのに勝手に電話切るし、またかけてくると思ってこっちは待ってたのよ?…それがいきなり帰ってくるなんて…私の方がびっくりよ!…で?そちらの人は誰なの?

瑠衣:あ…初めまして、美緒…んっ…中山さんと同じ会社の中島瑠衣と申します…中山さんがお父様の事で心配されて、不安定な精神状態でしたので付き添いと…その…あのですね…

母:まぁ…それはそれは…はるばる東京からこんな所までご丁寧に〜、美緒〜あなた会社の人にまで迷惑かけて…にしても…あなたを実家まで送ってくれるなんて…こんな良い人がいるなら早くお母さんに言ってくれないと

美緒:…ごめん…でも…良かった〜!お父さんが無事で…

母:…そんな玄関先で座りこなまいでちょうだいっもうっ早く家に上がりなさい、中島さんでしたかねぇ?あなたもどうぞっ

瑠衣:あ、はいっ失礼しますっ!

美緒:ふふふっ瑠衣…そんなに緊張しなくても大丈夫だよっ!お母さんは…

瑠衣:お母さんは?…え?じゃあ…お父さんは?

美緒:…ふふっ

瑠衣:えっ…何その笑い方は…

(居間)

母:中島さん、なんも無いけど、ゆっくりしていってねぇ

瑠衣:いえいえ、いきなりおしかけてすみません💦

美緒:ふふふっ!実家に瑠衣がいるなんて…なんか不思議な感じ…そわそわしてるけど…落ちつかない?

瑠衣:そうだね…ここで美緒ちゃんが育ったんだな〜て思って…

母:美緒…ちょっとお母さん、お父さんの様子みてくるからっ…あの人すぐに機嫌が悪くなるんだから…

美緒:あ、私もいくわっお父さんの様子みたいし、その為に帰ってきたんだもんっ

(奥の寝室)

母:お父さん具合どうですか?

父:…どないもこないもあるかっ!痛いに…決まってるやろっ!いちいち…っ…聞くなっ!

母:はいはい…もう昨日から話しかけたらこんな事ばっかりいうのよ…私、ちょっと疲れたから…美緒…あとはお願いね

美緒:うん…お父さんっ!私っ!美緒だよっ!大丈夫なの?

父:はあ?美緒だ〜?母さんっ!なんで美緒がここにいるんだっ!

美緒:お父さんが倒れたって聞いて急いで帰ってきたのよ!

父:母さんか…まったく…余計な連絡して…大丈夫だ、あ〜それより美緒…仕事はどうなんだ?頑張ってるのか?

美緒:うん…大丈夫、周りは優しい人ばかりだし…それでね…今日はもう一人…来てるの

父:ん?誰だ?友達か

美緒:…それが…

瑠衣:美緒ちゃん…オレから話すよ

父:ん?…誰だ?アンタは…

瑠衣:挨拶が遅れまして申し訳ございません…私、中山さんと同じ会社の者で、中島瑠衣と申します!…実は半年ほど前から中山さんのお嬢様の美緒さんとお付き合いさせていただいております!

父:なんだって!?…うちの娘と?…美緒…本当か?

美緒:うん、ごめんね…お父さん…ずっといいそびれてて

瑠衣:いえ、彼女は悪くありません、私が悪いんです、お付き合いさせていただく前に、ご両親の許可もなく…本当に申し訳ございませんでした

美緒:…っ…瑠衣

父:……美緒…私は中島さんと話すから、向こうへ行ってなさい

美緒:でも…

瑠衣:美緒ちゃん…オレからもお願い…お母さんの様子見てきてあげて…オレ1人で大丈夫だから

美緒:うん、わかった…何かあったら呼んでね?

瑠衣:ありがとう美緒ちゃん

(瑠衣は美緒の父に2人のこれまでの事を少し話した)

父:そうですか…それでわざわざ東京から娘の付き添いに…それはご迷惑かけましたな…

瑠衣:いえいえ…頭をあげてください、中山さん、私が無理についてきただけですから

父:…中島さん…あの子、美緒はな…小さい頃から引っ込み思案というか…自分の気持ちを表に出すのが苦手でね…あ〜いつだったか…学校から泣いて帰ってきた時があってね、理由も聞いても…な〜にんも言わないで、黙って耐えるような我慢強い子でした…

瑠衣:そうなんですね、ふふっ…美緒さんが入社したての頃は…そんな感じでしたよ、人に頼らないで…何でも1人で抱え込む感じで…どう接してあげればいいのかと…正直迷いました

父:そうか…私に似てしまったのかもな…もっと素直にならないとダメなんだが…頭ではわかっていてもね…なかなかね…私も頑固だから、ついつい母さんには強く当たってしまってね…

瑠衣:んっふふっ、似た者親子なんですねっ

父:…中島さん…あんたには…苦労かけると思う…うちの母さんみたいに…美緒が迷惑かけるだろうから…

瑠衣:迷惑なんて…美緒さんの事をそんな風に思った事はないですよっ、寧ろ私の方が頼りなくて…不安にさせてしまったりしたので…今は…お互いに素直に思ってる事を言い合える…関係になりましたけど…

父:ははっそうか…それはお互いにとってはいい事だな、案外あんたと美緒は似てるのかもですな〜!ん?…という事は私とも似てるのかな?

瑠衣:ふふっ美緒さんのお父さんにそんな事いわれるなんて…光栄です、大事な1人娘に手を出して殴られるんじゃないかと…正直会ってお話するまでは冷や冷やしてましたよ💦

父:あっはっはっは!私がそんな頑固親父に見えましたか?まあ…子供には道歩いてるだけで怖がられたりしますけど…それが凄くショックでね〜はあ〜

瑠衣:あっははっ!あ、いやいやっ!すいませんっ!

父:謝らなくていいよ、ただの笑い話だからっ今みたいに笑ってくれていいから、気にしないでっ

瑠衣:はいっありがとうございます!

父:ところで聞くが…中島さん…あんたの家族は?

瑠衣:はい…私の父は…私が物心がつく前に病気で亡くなり、母に育てられました、他に兄弟もなく母と私の2人で…生活はきっと、大変だったと思います、父がいないせいでいじめられたり、寂しい思いする事もありましたが、それでも母は…私をここまで育ててくれました、それでも母は私をここまで育ててくれました…今の会社に入り島田部長と言う上司に出会ったんです…顔は失礼ながら中山さんと負けずと劣(おと)らず強面(こわもて)ですが、時に厳しく、時に優しく見守ってくれてます、きっと…自分の父親が生きていたらこんな感じなんだろうな〜と…そんな事をいつも思います

父:…んっ…中島さん…あなたはいい上司に恵まれたんですなぁ…

瑠衣:ええっ!とても感謝しています!

父:ふふふふっ(笑い続ける)

瑠衣:あははははっ(笑い続ける)

(台所)

母:…え?なんか…2人して笑ってるわね…あのお父さんが声出して笑うなんて…いつぶりかしら?

美緒:は〜良かった〜!瑠衣が怒られちゃうんじゃないかと心配したから…お父さんも元気そうだしっ

母:美緒…あなたの事…心配してたけど、無理してまで東京の大学に出しといて良かったわ!あんな優しそうな男の人を捕まえてくるなんて…

美緒:お、お母さんっ💦捕まえてくるだなんて…瑠衣をそんな風にいわないでよっ!もうっ!

母:あっははっ!あなたも明るい性格になって帰ってきてっ!それもみんなあの瑠衣さんのおかげなんでしょ?

美緒:うん…瑠衣はいつも私の事を気にかけてくれるし…そりゃあ些細なケンカもするけど…私にとっては大事な人なんだ…

母:へえ〜それは孫が楽しみだわ〜ふふふっ

美緒:お母さんっ!まだ付き合って半年しかたってないのよっ!プレッシャーかけないでよ…それに…まだ…そういうことは…あ〜うんんっ!なんでもないっ!

母:な〜に〜?1人で〜変な子ね〜、ほらっもう晩御飯の準備出来たから、美緒っ、お父さんと瑠衣さん呼んできてっ今日は泊まって行きなさいよ

美緒:もうっ!お母さんは…わかったわよ〜お父さんっ!瑠衣〜!ご飯出来たよ〜!

(翌朝 洗面所)

瑠衣:う〜寒いし…少し眠いな…昨日は遅くまでみんなで話してたからな〜…ご飯も美味しかったしっ泊めてもらってゆっくりできたな…ずっと1人暮しだからな〜…なんかいいな〜家族って…

父:お?…おはよう…随分と早いね

瑠衣:…あっお父さん…おはようございます!もう寝てなくていいんですか?

父:ああ、お陰様で少し良くなったし、まあ歩けないほどでは無いからね…それにしても…お父さんか…なんか嬉しいような、ちょっと悲しいような…複雑な気持ちになるな〜ふふっ

瑠衣:あっ!すいませんっ、美緒ちゃんやお母さんが呼ばれてたので…ついつい…

父:いやいや……じゃあ私も中島さんではなく…瑠衣君と呼ばせてもらうが…いいかな?

瑠衣:も、もちろんですっ!

父:では瑠衣君っ!ちょっと手伝って貰いたいことがあるんだが…一緒に来てくれないか?

瑠衣:はいっ!お父さんっ!お供しますっ!

(居間 数時間後)

美緒:はぁ〜あ((あくび)おはよぉ〜お母さん

母:あら?美緒、おはようっ昨夜は遅く起きてたから…まだ眠いんじゃないの?

美緒:うん…でも朝はいつもこのくらいだから…ところで…瑠衣は?

母:瑠衣さんならお父さんと、朝方に車で出かけたみたいよ

美緒:ふえっ…お父さんと?腰はもういいの?昨日の今日でいつの間にそこまで仲良くなったのよ…う〜!私の瑠衣なのに〜!

母:あなた…本当に東京に出てから変わったわね〜あんなに引っ込み思案だったのに…お父さんもなんだが息子が出来たみたいで嬉しいのよ、ふふふっ

美緒:そうなんだ…私は女の子だもんね…

母:あ、そういえば…美緒はお父さんの部屋見たことないでしょ?

美緒:うん…いつも入るな!て叱られたし…

母:お父さん出かけてるし、今ちょっと見てきなさいよ…

美緒:え?どうして?

母:いいからっ!ほらほらほら〜!

美緒:ええ〜!あ〜ちょっと💦お母さんっ!自分で行くからっ!きゃっ!オシリをそんなに押さないでよ〜!もうっ!

(父の部屋)

母:ほらっそ〜と入ってみなさい…

美緒:…うん…お邪魔しま〜す…ええっ!…これって…

母:どう?驚いたでしょ?

美緒:うん…驚いた…いつから…

母:ん〜美緒が生まれた時から…たぶん…ずっと

美緒:はあ…懐かしいな〜…あ、これは小さい頃、大事にしてたクマ🧸のぬいぐるみ…こっちは粘土で作った私の花瓶だ…壁にもいっぱい…私の今まで書いた絵や書道…あ、こんなラクガキみたいな絵も…大事に額に入れて飾ってくれてたなんて…ふふっお父さんってばっ…

母:ふふふっ…私も入るな!言われてたから、たまたまお父さんのいない間に掃除でもと思って、入ったら…まさかあのお父さんがね〜

美緒:ふふっ…言えてるっ…あっ…この家族写真…たしか…お母さんが…

母:ああ…こんなのも飾ってたのね…そうね美緒が3歳くらいだったかしら、私が妊娠した時の写真ね…ほんと懐かしいわね

美緒:…お母さん…あの時は…ごめんね…弟が出来たって、大喜びしてはしゃいじゃって…

母:美緒…おいで…もういいのよ(美緒を抱きしめながら)

美緒:お母さん…ぐずっ(母を抱きしめ返す)

母:私よりも…美緒やお父さんをガッカリさせてしまった事の方が辛かったのよ…美
緒に姉弟(きょうだい)を作ってあげられなくて…ごめんね…

美緒:ぐずっ…そんなのいいよっ!…あの時、私こそ…『どうして?弟は死んじゃたの?』て、母さんを責めてごめんねっ…今ならわかるよ…ぐずっ…お母さんが1番辛かったんだって…

母:ありがとう美緒…でも…今は…美緒が東京から瑠衣さんを連れてきてくれた…私やお父さんからしたら…なんだか亡くなったあの子が帰ってきてくれたみたいで…たぶん、お父さんも昨日はこの写真眺めながら、瑠衣さん会ってそう感じたんじゃないのかなって…

美緒:…きっとそうだね…良かった…2人で帰ってきて…

母:美緒…今日も泊まって明日帰りなさい…東京は何かとストレスも溜まるでしょうから…ゆっくりしていきなさい…ここはあなたの家なんだから

美緒:うん…ありがとう…お母さん…

(玄関先)

父:母さんっ!今帰ったぞ〜!瑠衣君っすまないがトラックから荷物を中まで運んでくれないか?

瑠衣:はいっお父さんっ!…はあはあっ…よいしょっと!…ふう〜…

母:…お父さん?あらあらっ…こんなにお野菜まで…畑に行ってきたんですか?

父:ああ…雪が降る前に瑠衣君に手伝ってもらってなっ!うちの畑で採れた野菜を土産にでもって思ったんだ、いやしかし東京の生まれなのに、いい腰の入りっぷりで〜大根や白菜をホイホイ抜くんだから〜驚いたのなんのってっ!な〜?

瑠衣:あははっ!大学でサークルで農業を少しやってたもので

美緒:…瑠衣?…帰ってきたの?

瑠衣:あ、美緒ちゃん?…どうしたの?目が赤いよ…

美緒:うん…大丈夫っ!…ほらっ、昨日遅くまで起きてたから、ちょっと寝不足で…あ、それよりっお父さんっ!勝手に瑠衣を連れ回さないでっ!

父:…なにを自分のものみたいに…いいか?瑠衣君はな〜ただでさえお前のような手のかかる彼女が出来て、気を使ってるんだからっ、たまには男同士で息抜きも必要って事だよっ!なあ?母さん

母:さあ?私に聞かれても…それより瑠衣さん疲れたでしょ〜居間でお茶でも飲んで一服してくださいなっ

瑠衣:あ、ありがとうございますっ!お母さんっ

母:まあ!お母さんだなんて…わたしも瑠衣って呼ぼうかしら?チラッ(美緒を見る)

美緒:もうっ!お母さんまでっ!瑠衣は私の彼氏なんだからねっ!

瑠衣:あはははっ…あ、美緒ちゃん…ちょっと外に散歩にでもいかない?今日はまだ1歩も外に出てないでしょ?

美緒:うん…いいけど…瑠衣っ大丈夫?畑仕事で疲れてない?

瑠衣:いつもの残業に比べたら大したことないよっ!…すいませんっお父さんっお母さんっ!ちょっと美緒さんと散歩に行って来ます!

父:ああ、構わないがもう日が暮れるから足元に気をつけてなっ!

母:ほらっ美緒っ!風邪ひかないようにコート来ていきなさい

美緒:ありがとう…お母さん…じゃあちょっと行ってくるね

(公園ぞいの散歩道)

瑠衣:うぅ…さすがに12月だし夜は冷え込んで寒いね…美緒ちゃん大丈夫?

美緒:うん…私は雪国育ちだし…まだこのくらいなら大丈夫かな?ほらっ瑠衣っ!寒いなら手…繋ご?

瑠衣:うんっ!あはっ!あったかい手っ!ふふふっ

美緒:ねえ?瑠衣…

瑠衣:ん?

美緒:お父さんと…何話したの?

瑠衣:え?それは〜男同士の秘密っ!

美緒:え〜!なにそれ!教えてくれてもいいでしょ!私は瑠衣の彼女なんだしっ

瑠衣:だ〜め〜!お父さんと俺との約束だから!ふふふっ!良いお父さんとお母さんだね!

美緒:うんっ!私の自慢の2人なんだ!

瑠衣:い〜な〜

美緒:えへへっいいでしょ!…まあ…いずれは…瑠衣の親にもなるわけだし(小声で)

瑠衣:ん?最後ちょっと聞こえなかった…なんて言ったの?

美緒:ダメ〜教えな〜い!ふふっ…あ、この公園…ちょっと寄ってもいい?

瑠衣:うん、いいよっ!昔よく遊んでた公園?

(公園内)

美緒:うん…あ、まだあったんだ…この鉄棒

瑠衣:この鉄棒がどうかしたの?

美緒:うん.私…小学校の時、逆上がりがどうしても出来なくて…学校終わってから暗くなるまで、お父さんがよく練習に付き合ってくれたの…何日も練習して.出来た時は感動したな〜…あのお父さんが叫んだくらいだからw

瑠衣:あははっ!そうなんだねっ、あ、ねえ?今でも逆上がり出来る?

美緒:どうかな?もう10年以上やってないし…出来るかどうかわからないけど…

瑠衣:じゃあやって見せてよ?

美緒:え?自信ないよ💦絶対やらないとダメ?

瑠衣:ダメ!やらないと…もう口聞かないっ!

美緒:え?なんでっ!ちょっと待ってよ〜!瑠衣〜!

瑠衣:ふふっじゃあ…いくよっ!準備はいい?美緒ちゃん!

美緒:あ〜ちょっとまってっ!…す〜は〜(深呼吸)…んんっ…よし…はいっ!

瑠衣:いち…にのっ!

美緒:…っ…さんっ!

(東京 ホストクラブ 店内)

由香:へえ〜さすがホストクラブね〜顔のいい男がいっぱいいるわね〜!

咲夜:ご指名ありがとうございます!咲夜ですっ!決まった…

由香:あ、指名してません…

咲夜:いやっ!したでしょうがっ!由香さんがっ!オレをっ!はあ〜…ていうか何しにきたんですか〜?

由香:いや〜なくとな〜く相田君のホスト姿を見に来ただけなんだけど〜…まあ早い話、冷やかしねっ!あはははっ!

咲夜:ガッテムっ!オレだって今さら好きでホストやってる訳じゃないですからね!
ホスト時代の後輩に、今日だけヘルプで頼まれただけですからっ!くれぐれも会社にはいわないでくださいねっ!はいっ!シャンパンどうぞっ!🍾🍸

由香:あら?ありがとう…わかってるわよ、それにしても相田君に指名…入らないわね〜なんでかしらね?…顔はいいのに…

咲夜:…顔の良いだけのホストなんて腐るほど世の中にいますからね〜それに1度辞めたオレなんかが…太刀打ち出来るほど甘い世界じゃないですよ!…はいっタバコの火どうぞっ!

由香:んっ…ふう〜(煙を吐く)…ありがとうっ!会社より気が利くじゃないっまだまだ現役でいけるんじゃないのっ!相田君っ!ふふっ

咲夜:オレ…ホスト時代の栄光引きずって…今の会社入って…思い知らされたんですよ…どこの世界に行っても同じ、相手の気持ちに寄り添わないと良い指名や仕事は出来ない…ホストの時と同じなんだな〜って、結局辞めてしまったら0からスタートなんだって…由香さんや中島さんに言われた言葉…悔しかったけど…図星だったんですよね…

由香:ふ〜ん…でも辞めてから、それに気づけたんなら、ホスト時代の経験も案外役に立ってたという事でしょ?そりゃ他にいけば新人扱いにはなるけど…相田君の経験したことは0では無いと私は思うけど?最近特に仕事…頑張ってるし…ふう〜(煙を吐く)

咲夜:由香さん…今の会社ではカッコ悪くてもなりに必死なんですよ…どこに行ったってオレはオレだし…実力つけて認めてもらうしかないんです…

由香:相田君はカッコ悪くなんかないわ…みんなそうやって成功したいが為に何かを我慢したり、這いつくばってでも頑張って生きてるのよ…そんな自分を認めたうえで、自分の事を褒めてあげないと、他に誰が褒めてくれるっていうのよ…その頑張りを見てる人は絶対にいるわ…少なくとも私は相田君の事、そういう目で見てるわよ…ふう〜(煙を吐く)

咲夜:…っ…由香さん…やっぱり…オレと付き合いま…(由香のセリフをかぶせる)

由香:付き合わないわよっ!

咲夜:ええ〜!…今めちゃくちゃいい感じだったじゃないですかっ!

由香:そんな事で私がいちいち付き合ってたらっ!こっちの身も心も持たないわよっ!…あ〜もうっ!…らしくない話をしちゃったわ…もう人がせっかくいい気分で飲んでたのに…

咲夜:由香さん…中島さんにあってオレに足りないものってなんですかね?

由香:だからっ難しい質問するんじゃないわよっ…じゃあ、美緒ちゃんにあって…私に足りないものはなんなのよっ!アンタわかるの?

咲夜:ん〜わかんないっス…

由香:ちっ!元ホストのクセに…まったく女心がわかんないんだからっ!ほらっ!もうっ難しい事考えてないでっ!今日は飲むわよっ!早く注ぎなさいよっ!

咲夜:はぁ〜…は〜い!注がせて頂きま〜すっ!

(公園内)

美緒:えいっ!あっ…足が…ちょっ…

瑠衣:それっ!(美緒の背中に回り込む)

美緒:え?瑠衣っ?キャッ!

瑠衣:…っ…早く回ってっ!

美緒:…うんっ…よいっ…しょっとっ!…はっ!…回れたっ!できたよ!瑠衣っ!

瑠衣:はあっ…逆上がり…成功おめでとう👏美緒ちゃん!

美緒:え?…でも瑠衣が手伝ってくれたから…できただけで…1人だったら…

瑠衣:誰も1人でやれなんていってないよっ最初はみんな1人では出来ない事も、誰かが助けてくれるから出来るようになるんだよっ

美緒:…そっか…昔の私は1人で頑張ってたんだ…でもお父さんが手伝ってくれて出来るようになったし…

瑠衣:うんっ!俺たちがこうして付き合えるようになったのだって、由香や相田君、
島田部長…そして美緒ちゃんのお父さんやお母さんが手助けしてくれたからなんだよ!

美緒:私達…みんなのお陰様なんだね…ありがとう…瑠衣っ!私を見捨てないで、見ていてくれて…

瑠衣:ふふふっ…じゃあ逆上がりも成功したし…ご褒美をあげないとね、じゃあ目を閉じて右手を出して…

美緒:え?なに?ご褒美って…

瑠衣:いいからっ早くっ!

美緒:…うん…こう?

瑠衣:うんっ!そうっそのまま目をつむったまま…じっとしててよ…

美緒:うん…え?…何?右手の薬指に何か当たったよ?

瑠衣:ふふっいいよっ、ゆっくり目を開けて…

美緒:……ん…んん?…コレって…指輪💍?

瑠衣:美緒ちゃん…少し早いけど…メリークリスマス!

美緒:え?えぇ〜!…こんな高価な指輪もらっていいの?瑠衣からもらう初めてのプレゼントだよ?

瑠衣:うんっ!半年記念&クリスマスプレゼント!…さすがにケーキまでは用意出来なかったけどね…あははっ

美緒:もう充分だよっ!ありがとうっ!瑠衣っ!(瑠衣に抱きつく)

瑠衣:わっ…ととっ…ふふっ気に入ってくれて良かったよ…サプライズなんか…生まれて初めてするからさ、緊張したよ…しかも初めて出来た彼女にさ…

美緒:うんっうんっ!ずっと大切にするねっ!うふふっ…あ、でもどうしよう💦私から瑠衣に何も用意してないっ!クリスマス…色々と考えてたのに…

瑠衣:…ふふっ…いいよ…また来年もクリスマスは来るんだしさっ

美緒:…瑠衣…あ…雪…❄️☃︎ 𓂃 𓈒𓏸

瑠衣:あぁ…本当だ…今年の初雪を…彼女とその実家で見られるんて…これこそ、美緒ちゃんからのクリスマスプレゼントだよ…ありがとうっ!

美緒:…っ…瑠衣…ぐずっ…私、また来年も一緒に…クリスマスを祝いたいよっ!年が明けたら初詣にもっ!瑠衣のお母さんにも会いに行きたいしっ!それからねっ!

瑠衣:美緒ちゃん…あせらず…ゆっくり…オレたちのペースで行こう…

美緒:…うんっ!やっぱり私…っ…瑠衣を好きになって…良かった!

瑠衣:オレもだよっ!今度はオレから言わせて欲しい…美緒…好きになっても…いいですか?

美緒:…瑠衣…ぐずっ…はいっ!

to be continued


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