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茜の消防士

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3人用 (10~15分)

登場人物

茜:東田 茜(あかね)姉 消防士見習い 活発な性格

誠人:東田 誠人(まこと)茜の弟 調理師見習い 冷静 茜をからかう

母:東田 多恵 (ひがしだ たえ)看護師 家族を大事にしている

父:東田 豊 (ひがしだ ゆたか)亡き父 消防士(セリフ一言 誠人と兼役)

作品紹介

亡き父を追いかける娘の話です
アットホームでほっこりする作品です

誠人は父と兼役あります(セリフ一言)

本編

(過去 小学校 茜10歳)

茜:将来の夢 4年2組 東田 茜

茜:私の将来の夢はお父さんみたいな立派な消防士になる事です!火事や事故で困った人達を助ける大変なお仕事だけど、みんなの笑顔を守る、そんなお父さんみたいな人になりたいです!

(現代 朝)

(目覚ましの音)

茜:…ん、う〜ん…(寝る)

母:茜〜!朝よ〜早く起きないと試験に遅れるわよっ

茜:……はっ!今何時っ!?うわぁぁぁ〜(ベッドから落ちる)

誠人:っ…姉ちゃんまた落ちたね💦

母:はあ〜もうっ…毎朝まったくあの子は…

(2階から急いで降りる茜)

茜:お母さんお母さんお母さんっ!ごめんっ!ご飯早くお願いっ!

母:もう出来てるわよ…ほらっ早く顔洗ってらっしゃい

誠人:姉ちゃんまた落ちたでしょ?そんなんで今日の試験受かるの?

茜:誠人はいちいちうるさいっ!それに試験の前に落ちるとか言わないのっ!全くデリカシーがないんだからっ

茜:あ〜もう時間ないのにっ早く顔洗って支度してこなきゃ💦

誠人:え?まだ7時にもなってないのに…まさか…今日もやるの?

茜:当たり前じゃん!毎朝トレーニングしないと立派なお父さんみたいな消防士にはなれないんです〜!

母:ふふっほんとにそういう所はお父さんにそっくりね、頑固と言うか、1度自分が決めた事は最後までやり通すところ

茜:ふふ〜んっだって〜私はお父さんの自慢の娘ですからっ!エッヘン!

誠人:それ自称でしょ?父さんは姉ちゃんみたいに朝寝坊はしなかったからな〜

茜:誠人〜!アンタはほんっとに一言多いんだからっ!

母:ほらほらっケンカしてないでさっさと食べなさいっお母さんもお仕事行かなくちゃだし

茜:え〜!夜勤明けなのに?お母さんも大変だねっ看護師の仕事って

母:昨日は急患だったし、本来なら通常の夜勤じゃ無かったからね、仕方ないよ

誠人:はあ〜亡くなった父さんにしても、母さんにしても、それに姉ちゃんと、うちはなんでこんなに人を助けたがる家系なんだろうね

母:あら?誠人〜あなたも調理師として、食を通じて健康から人の身体や心を助けたいって言ってたじゃない、ふふっあなたも立派なお父さんの自慢の息子よ

誠人:でも僕はみんなみたいに最前線じゃないし…それに、そのせいで父さんは…

母:誠人…お父さんはね、1人でも助けを求めている人を放っておけない、救いたいって、それがあの人の口癖だった…だから亡くなったお父さんの事はそんな風に思わないであげて…

誠人:わかってるよ…でも…なんでそんな父さんをみていた姉ちゃんまで…同じ道に進むのさ…

茜:誠人、だって私はお父さんの娘だもんっ、どんなに大変で苦しい時も、助けた人達に感謝されて、助けられて良かったって…笑顔で話してくれてたお父さん顔…今でも忘れられない…こんな笑顔になれる仕事に私も就きたいって心から思ったの…私はお父さんみたいに、自分の命まで投げ打って人を助ける事は出来ないけど…同じ仕事についてお父さんの目線で…みていた光景をみて、私も何かを感じたいんだ…今日の救急救命士の試験だってその為のものだし、それにっお父さんは今もそばで見守ってくれてるよっ!誠人

誠人:父さん…

母:あ〜なんだか茜の熱意を聞いていたら、あの人の事思い出すわね…ホントにそっくりなんだから…嫌になっちゃうわ、それで私がどれだけ苦労したか…

茜:そこっ?まあ〜私もこれからも苦労はかけるかもしれないけど、自分の事は自分で出来るようには…頑張り…ます…

母:あら?それはお願いします

誠人:ふふっなんかほんとに姉ちゃんて、昔の父さんを見てるみたいだね、その反省して謝ってる顔とか、似すぎてウケる

茜:っ…誠人は後でしめる

誠人:あ〜あ、姉ちゃんの立派な父さんはそんな事言わなかったけどな〜

茜:誠人〜!

母:ほらっ!またケンカしないのっ仲がいいのか悪いのか…はあ…茜、食べ終えたならトレーニング行ってきなさい、今日は試験なんだから軽めにしなさいよ

茜:うん、あっご飯っ早く食べないとっ…もうっ誠人が余計な事言うから食べらんないじゃないっ

誠人:え〜?僕のせい?

母:茜っ行く前にお父さんに手を合わせてね

茜:うんっ…お父さん、今日も我が家は賑やかですっ心配しないでね、私きっと試験に合格して父さんのような立派な消防士になるからっ!
あっでもっ!応援はしててよねっ!1人でも多くの人を救えるように頑張るからっ!

茜:じゃあ行ってきま〜す!

父:頑張れよ、茜

~完~




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