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徒歩生活圏の大切さ

私の故郷は兵庫県の日本海側にある城下町で、古くて中々に風情のある町並みが残る小京都です。

町内は京都と同じく碁盤の目の様に道が付けられ、家並みも京都と同じ様に間口が狭く奥に向かって長い町家造りの旧家が並びます。

私の実家はそんな町内(まちうち)からは外れた農村部にありますので、ごく普通の古い家なのですが、碁盤の目状に区切られた地域にある家は、鰻の寝床の様な細長い家が多く残っていて、今でも普通に人が生活しています。

そんな古い鰻の寝床の様な家に、実は私の叔母が今でも独りで暮らしています。

年齢は確か今年で85歳になるはずなのですが、足腰も元気で頭もしっかりしている事もあり、帰省する度に顔を見に行こうと思いながら結局寄らずに帰ってしまうことがここの所続いていました。

それでふと考えて見たら、もう3年ほど寄っていなかった気がして、次回帰ったときは絶対に会いに行こうと決めていて、先日寄ってきました。

久しぶりに見る叔母は、少し背中が丸くなって背も縮んでいました。とてもきれい好きな人なのですが、以前訪問した頃よりは若干室内が散らかっている印象を受けました。

この叔母は私の母親の妹にあたるのですが、母方の血筋はもう田舎には誰一人残っておらず、何かあった時に頼る人は田舎にはいません。

甥に当たる私の住まいからも車で3時間以上かかりますし、叔母の兄と弟が大阪と滋賀に一人ずついますが、私よりも遠方な上にどちらも高齢でとても頼れる状況ではありません。

そんな事もあり、今後はもっと頻繁に顔を見に行かなければいけないなと思った次第なのですが、先日叔母と話していて意外な事に気づきました。

よく田舎暮らしは車が必須になるから、若い内はいいけど歳を取って車が運転出来なくなったら、とても田舎では生活出来なくなるといいます。

これは実際そうで、私の実家などは一番近いスーパーまで距離にして8キロ程は離れています。

ところが叔母の住まいは町内(まちうち)にありますので、スーパーまで85歳でも歩いて行けます。叔母もその事は分かっていて、先日もこんな事を言っていました。

「私はこの町が大好きだし本当に住みやすい。だってスーパーも銀行も本屋さんも役場も、みんな私の足で歩いて行けるもの。」

田舎は不便と言いますが、田舎町であってもその中心部で生活すれば、逆に都会よりも全てがコンパクトにまとまっているため暮らしやすい場合もあると気づきました。

しかも適度に散らばって各施設があるため、何かしら用事を済ますためには結構な距離を歩かされます。これが年寄りにとっては良いリハビリになっているのではないでしょうか。

この先何年、叔母の寿命が続くか分かりませんが、なるべく自立した生活を続けられるよう、あまりお節介は焼かずに見守りたいと思った次第です。


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