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細美武士さん「この世はなんでも起きるんじゃねえの!!」

2023年7月28日から30日にかけて
新潟の苗場スキー場で開催された
野外ロック音楽フェスティバル、
フジロックに行った。
今年は真ん中日だけの参加。

ELLEGARDENというバンドの
ボーカル、ギターを担当する
細美さんが言っていたことは
本当だった、という記事です。

🎸

夜7時からのELLEGARDENの演奏は、
一番大きなGREEN STAGEの
ヘッドライナーの
ひとつ前の演奏。

細美さんは曲の合間に
お話しも少ししてくださる。

数曲演奏したところでの間話で、
「今日は小学生の時以来の興奮をしています!」
のちのち
その理由を述べてくれた。

なんでも、
「ガキの頃から大好きだったAlanis Morissetteと
(ヘッドライナーの)Foo Fightersの間に
ライブが出来る」ので
この先、これ以上ないのではというほどの
興奮ぶりだと教えてくれた。

細美さんは本当に楽しそうなお顔で
彼らのライブを見られる事以上に、
観客は彼の表情を見て
幸せになったに違いない。
私もそう。

恥ずかしながら
ELLEGARDENに関して勉強不足ではあるが
言葉から察するに、
バンドの活動をするに至って
詳しくは述べられなかったけれども
外野からの様々な「御意見」を浴びせられつつ
活動を続けられていらっしゃったのだろう。

大好きな2組に挟まれてのこのライブについて
「この世は諦めなければ
なんでも起きるんじゃねえの!!」
と間話を終えて次の曲に入っていかれた。

🎸

彼らのライブの後、
私は今フジロック参加の目的
Foo Fightersのモッシュピットへ
馳せ参じた。

同行者の友人はELLEGARDENがお目当てだが
鑑賞の仕方は私と違って貴族的。
ほどよい距離から
ゆったりと大好きなアーティストの
音楽を愉しんでいた。

一方私は
モッシュピットという
ステージの前の、あばれるコーナーへ行き、
多くの人ともみくちゃになりながら、
せっかくのアーティストの生歌が聴こえないくらいに
みんなで一緒に声が枯れるほど歌って
楽しむ派。

そんな鑑賞をしていると
背が158㎝ほどなので、
どうしても前の人々で演者が見えにくい。
私もみんなも動きまくるので
たまには見える程度。

でも、どうしても目の前に立つ兄ちゃんを避けて
ボーカルのデイブ・グロールさんを見たい。

彼は夜なのに帽子を被っている。
それが前だけでなく
ご丁寧に、頭のまわりに
ぐるりとつばのあるお帽子を
お被りになっているので、
ハバの取りすぎで
にくたらしい。

で、ここで、先ほど聴いた
細美の師匠の言葉を思い出した。

「む!私も諦めないぞ!」

心を強くして
それでもせっかくのライブ中であるから
横揺れをして、音楽にノッて
楽しんでいた。

すると
左肩をトントンとたたかれた。

見ると紳士がジェスチャーで
場所を交換してあげるよと
ご自身のいらっしゃる場所を
指している。

どうやら、私が
前が見えにくいので、
必死に体をはげしく左右に動かしていたものと
彼は受け止めて
不憫に思ったと思われる。。
私はノリノリだっだのだけれども
リズムの取り方、おかしかったですか。汗

ライブも半分ほど過ぎており
声もすでに枯れていたので、
ちょこんと首を下げた程度で
場所を交換していただくと
なんと隙間からデイブ・グロールさんが
よくお見えになるではないか。
うれしい!!!!

🎸

その後も鑑賞中に、
大抵男性は我が背丈より高いので
彼らが何度となく我が視界を阻む事があっても、
「諦めない!」と強く念じると
モッシュのおかげで
目前の壁を次々と突破して
視界を確保できた。

デイブさんを、
メンバーを、
ステージ全体を、
もっとはっきり見たい。
そう強く思った。

そしてそしてー。

一番最後の曲、大好きなEverlongの
伴奏が始まった時。

大きなモッシュがあり
右側に、大きく引っ張られて
次に、ぐわりと左前に押し出された
その瞬間。

会場の真ん中の、
前から2列目に
体がねじ曲がった状態で
人の壁に挟まったのである。

ほぼ最前列ー。

視界をさえぎるものがない世界を
見る事ができた。

ステージが
一度に見渡せたあの瞬間。
世界が開けたあの感動。
モッシュピットは
人の熱気で汗だくだけれども。

ステージの上からは、
演者のために冷風が吹いていて、
最前列は、そのおこぼれの風を頂戴できた。
まるで高原にいるかのような
すずしさ、清々しさ。

音楽は聴こえていたのだけれども
何も聴こえないような静寂があった。

体は
隣の人がぐいぐいと
私を後ろに押し戻そうとしてくるのだけれども。
それでもそれも気にしていられないくらいの
目が吸い寄せられる、美しいステージ。

すべてがあるのだけれども、
なにもない感じ。

無の境地って
これかな。

🎸

細美さんのお話しが聴けて
諦めない気持ちを持てた事と、
親切な紳士が、場所を交換してくれた事がなかったら
あんなに美しい景色は見られなかったろう。

🎸

細美さんからは
他にもたくさん学びをいただいた。
様々な人々への配慮ができる
心優しい細美さん。
我が心の師として、ご活躍を追うことにした。

また、親切な紳士に
ろくすっぽお礼も言えなかった事が悔やまれる。
いつかまた、
フジロックの会場でお目にかかれて
あの時のお礼を述べることを諦めないことにする。

🎸

フジロックは時に過酷でもあるけれども、
それがすべて吹き飛ぶような感動が、
きっと得られる
すてきな場所。

あの会場がホームで、
普段がアウェイと思えるくらい好き。

行きたいと思ってはいるが
今一つ踏ん切りがつかない方。

是が非でも
一度は行ってみて。
まったく損はない経験となること
間違いなし。

ELLEGARDENさん/細美さんは右胸に鳩が彫ってあった。ポッポの師匠と呼ぶことにする。
Foo Fightersさん/前に行けた時、お写真は撮れなかったけれども、目に焼き付けてきた。
ボードウォークの途中にあった墓標のコーナー/キース・フリント、会いたかった。
演者さんと、抽選で当たったごく一部の観客が泊まれる苗場スプリンスホテル。
いつか当選しますように。

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