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まだ儲かってない時に小規模企業共済に入ってもいいの?

「起業して、まだ儲かっていない時に小規模企業共済に入っていもいいのか?」という相談があります。
入ったほうがいいです。


そもそも小規模企業共済とは?

小規模企業共済は、国が用意した退職金制度です。
中小企業機構という、中小企業を支援するためにつくられた独立行政法人が運用しています。

小規模企業共済のメリット

加入するメリットはきく三つあります。

掛け金を所得税、住民税の課税所得から控除できる

掛け金は、毎月千円から7万円まで500円単位で調整可能。
概算ですが、所得400万の人の税額をが毎月4万円(年間48万円)積み立てていると10万円強の節税ができます。
年間48万円の投資で10万円の運用益を得られる商品はなかなかありません。
しかも、その10万円を投資等で運用することで、さらに効果的な運用が可能。

共済金の受け取り時に退職所得控除できる

共済掛金は、共済金として受け取ることができますが、
これは雑所得として課税されます。
しかし、退職金として受け取ると、共済金の受け取り時に退職所得控除できます。

貸付を受けられる

小規模企業共済に加入した後しばらくすると貸し付けが受けられるようになります。
一般貸付制度でも年率1.5%とかなり低利率で借りられます。
特別貸付け制度だとさらに低い利率の貸付もあります。
最短即日で借り入れ可能です。

小規模企業共済のデメリット

途中でやめてしまうと元本割れする可能性大

やめたいときには共済金を受け取れます。
しかし、退職したり事業をやめたりするのでなければ、共済掛金が元本割れする可能性があります。

インフレ環境では損をするかもしれない

運用益は1%とされていますが、今後毎年1%より大きなインフレ率を続けるのであれば、運用益を足しても元の経済価値を下回る共済金額になるかもしれません。

儲かってない時に小規模企業共済入ってもいいの?

本題です。
儲かってない時に小規模企業共済入ってもいいのか?

インフレ環境では損をするかもしれないけど、それであっても節税対策として考えると、入った方が良いと考えます。

入った後でも、毎月の掛け金は調整可能です。
毎月千円から7万円まで500円単位で変更できます。
増やすことも減らすこともできます。

さらに、掛け金の支払いが難しくなった時は半年、又は一年間の支払い停止ができます。

入った後で調整することができます。
実績が積みあがるほどメリットが大きいので、早く加入した方が良いと言えるでしょう。

iDecoと比較したらどうか?

iDecoも掛け金を所得税・住民税の控除項目にできます。
小規模企業共済の運用益は1%であるのに対し、iDecoの運用益は自身で選択した金融商品次第なので、5%~10%となるかもしれません。

それでも、小規模企業共済には、iDecoにはない魅力があります。

それは、掛け金に応じた貸し付けが受けられることです。
小規模企業共済の貸付の審査はかなり緩いです。
(毎月積み立てたという過程が、すでに審査であるといえます。)

小規模企業共済によって、節税しながら、セーフティーネットを張ることができるのです。

iDecoのまずい点

iDecoのまずい点としたら、途中解約ができない仕組みになっている点です。
小規模企業共済も途中解約をしようとすると、機構から引き止められますが、解約することは不可能ではありません。
途中解約できないことと、貸付が受けられない点で、iDecoの投資額が動かせないお金になってしまうので、経営が不安定な時にはお勧めできないのです。

小規模企業共済の注意点

小規模企業共済に注意してほしい点が二つあります。
一つは、従業員が増えてしまうと小規模企業共済に入れなくなります。
従業員の数の上限は、事業の種類によって異なります。
補足すると、従業員だと加入することはできません。

二つ目は、先ほど書きましたが、
途中解約するときは元本割れすることがあることです。
小規模企業共済に加入したら、中途解約よりも貸し付けを受けることを検討してみてください。
一時的な資金繰りの悪化であれば、貸付により立ち直る可能性が高いでしょう。
もちろん、その後の経営改善もぬかりなく行いましょう。
そして、貸付を受けた後で、返せない場合は、貸付の増額や期限の延長を相談してみるのがよいでしょう。

貸付を受けるのが怖い人には無理には勧めませんが、無策のあまりクレジットカードでローンを組むことになるよりは、小規模企業共済の貸付を受けたほうがいいのです。

経営は、準備しておくことが大事です。
「いつでも借りることができるが、今は借りない」
という安心材料が経営を元気にします。

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