アトレティック・クラブ 〜誇りを胸に〜
"Pride of Basque" 「バスクの誇り」
彼らを一言で表すなら、この言葉がふさわしい。
Athletic Club de Bilbao
アトレティック・クルブやアスレティック・ビルバオなどと呼ばれることもあるが、ここでは「アトレティック・クラブ」と呼ばしてもらう。
バスク人選手のみでチームを構成するこのチームは、近年のフットボール業界において異質な存在だ。
方針におけるバスク人とは、生まれ又は育ちがバスク州(ビスカヤ県・ギプスコア県・アラバ県)、ナバラ州、またはフランス領バスクのラブール・スール・バス=ナヴァールである選手の事を指す。そのため、上記の条件を満たしていれば国籍を問わず入団する事が可能である。
近年であれば、ウィリアムズ兄弟がよい例だろう。
そんな「縛り」を持ったチームにも関わらず、1929年以来継続してプリメーラ・ディビシオンに在籍しており、8回優勝している。コパ・デル・レイ(国王杯)では23回もの優勝を誇る。またレアル・マドリード、バルセロナとともに一度もセグンダ・ディビシオン(2部)に降格したことがない3クラブのうちのひとつである。
バルサやレアルのように、よそのクラブからスーパースターを獲得することが出来ないのに、なぜこのような強さを誇るのか。
印象的なビデオがYou Tubeにあがっていたので紹介したい。
スペイン語と英語のみの動画だが、この動画の中から彼らの「強さ」を垣間見た。
動画の中で感じたのは、「誇り」と「団結」だ。
アトレティック・クラブはクラブ以上の存在と語る人もいた。
クラブの方針上、選手は必然とアカデミー出身の選手が多くなる。その選手たちが一丸となって、スター集団のレアル・マドリーやバルセロナと戦う。クラブの伝統・歴史、バスク人としての「誇り」を胸に。
それがここぞという場面での粘り強さを引き出しているのかもしれない。
そしてまたサポーターも一丸となって我が街の選手・クラブを応援する。
このクラブと街との異様なまでの「団結」も、アトレティック・クラブの強さの要因ではないだろうか。
また、他のクラブが選手獲得に使うお金をこのクラブではアカデミーへ投資している。そうした育成機関の充実も、よい選手を輩出することに繋がっている。
資金力があるクラブが優位なこの時代。
現代において異質となったこのチームは、今シーズンどこまでやってくれるのか。
今後も目が離せない。
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