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【違う視点から見れば…】シロアリは百害あって一利なしか?

皆さんは「シロアリ」と聞くとどんなイメージを持ちますか…沢山の方が良いイメージを持たないはずです。なんせ…昔から家に悪影響を与えるシンボルとして、戦ってきたような存在ですから…。

一方で…自然環境や生態系の視点からシロアリをみると、そのイメージは人と家の都合による「一面に偏った」ものなのかも知れません。


●家にとっては不都合

家にどのようにシロアリが発生するのか、そしてどのように住めばよいか、は重要です。それを考える前に、シロアリそのものの存在について、悪者と決めつけずに違う角度から…つまり、地球の生態系や食物連鎖からみてシロアリはどんな役割を持っているのか…知っておくことも必要ではないでしょうか。


●シロアリも食物連鎖の仲間

 シロアリはタンパク質である身体を、生態系に栄養として戻しているそうです。タンパク質としては牛肉並みに栄養価が高いらしく、アリを食べる動物(アリクイなど)はだから大きな体を維持できるようです。 


●シロアリも生態系に寄与している

 シロアリは「栄養豊富な植物や樹木」を食べるのではなく、他の昆虫類が摂取しない「植物の老化部分(硬い繊維質)や枯れた樹木、枝、枯れ葉を食べることで生きているそうです。

 そしてシロアリは、自分たちの生活道(蟻道)は土を利用して作るため、老化した樹木内部にも土が運び込まれます。土には「木材腐朽菌」が居り、結果的に樹木の最終的な分解を行う木材腐朽菌も一緒に運んでいることになります。樹木や植物の世代交代や循環に一役関わっていることになる。

いわば樹木や植物の分解者と表現も出来るようです。老化した樹木はいずれ腐ち、虫や細菌の力で土に還り、また新しい樹木が育つ…これが生態系です。



●地下でも生態系に寄与している

 地下でシロアリが活動すれば、土中に空気が入ります。そして蟻道を作る為に土を地表に持ち出します。この結果、土が耕されることになり、微生物や土壌生物の繁殖に貢献しているそうです。



●シロアリに好みの材料はあるのか?

 シロアリに「食わず嫌い」はなく、とりあえずかじるらしいです。多数匹でかじられると鉄や銅板でも穴が空くようです。

 「この材はかじり、これはかじらない」は無いと言われ、特定の材料や材質を狙って寄ってくるのではないようです。

条件が整えばそこに引き寄せられ、結果的に被害が出るようです。だから、同じ材料でも条件によっては被害がでる場合と出ない場合があるそうです。

 屋外の庭やプランターで、発泡スチロールを使用している場合、その裏側に生息して被害を受けることもあるようです。なぜ裏側なのかと言えば、雨が落ちない所に生息する習性がある習性と、発泡スチロールをかじった感触がシロアリに合っているから…らしいです。


●シロアリは必ず地下からやってくるのか?

 必ず地下からやってくるとは限らないようです。羽アリが群れて飛ぶ中には、運よく新しい巣を作る蟻もいるようです。

 例えば、建物の屋上で常時水たまりが出来るような場所~屋上緑化は注意が必要らしいです。土があればシロアリ種類を問わず巣を作る可能性があるらしく、放置すれば屋上防水材が被害を受けて漏水要因になる危険性もあり得るようです。よくある事例ではないらしい一方で、まれだからと考えるかどうかは、その人次第のようです。


●まとめ

暮らしに都合の悪い生き物を駆除することは必要なことである一方で、生態系の一員であるシロアリの存在までを否定出来そうにないですね…。樹木の循環のためにシロアリも一役買っているし、必要なのだから…。



12/25追記  地方紙 参考情報

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