大人にはなれないと思ったときに読む本


初めに

今回は、大人にはなれないと思ったときに読む本です。自分より年上の人を見ると、大人だなという感想を持つことがあります。しかしいざ自分がその年齢になってみると、そうでもないな、まだ全然子供だな、と感じることがあります。そんな時に読みたい本を集めました。

わたしが先生の「ロリータ」だったころ 愛に見せかけた支配について/アリソン・ウッド

ナボコフのロリータを読んだのはいつだかも思い出せないくらい過去のことなのですが、タイトルが気になって手に取った本です。著者の実体験を語るノンフィクションですが、まるで島本理生の「ナラタージュ」を実世界に落としてきたような話でした。ここで恋する先生は27歳ほど。18歳からみた27歳は十分大人に見えますが、社会人になって見渡してみると、案外大人でもないなと思う今日この頃です。

銀の夜/角田光代

少女時代のやり残した夢をそれぞれ過去として持って成長した女性たちの話です。大人になれば過去の経験はいい思い出(悪い思い出もあるかもしれないですが)になって、実生活は淡々と進むかと思いきや、行動に大きな影響を与えることを考えさせられる本です。自分は本当に大人になりきれているかを考える本でした。

ホットミルク/デボラ・レヴィ

読めば読むほど、奇妙な気持ちになる本です。母親の療養のためにスペインについていった娘の話ですが、読者は物語の序盤で母親が何かおかしいことに気が付きます。そして娘もどこか関係性がおかしくて、首をひねりながらも読み進めた本です。娘は、母親の病気が治らなかったら/治ったらどうしよう、という悩みにとらわれるのですが、自分の人生は自分のものだよ、とアドバイスしたくなってしまいます。大人になるとは、支配から独立するという意味もこもっていることを考えて、この本をおすすめします。

終わりに

久しぶりの投稿となってしまいましたが、本は常に読んでいます。昨年度は目標値も更新できていい気分です。
NHKの理想的本箱という番組が最近再放送しているのですが、やっていることが似ているなと感じました。(ちゃんとブックディレクターが選書しているので、こんなに場当たり的な選び方はしていないですが)
そちらもぜひ良ければ。


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