日本三大うどん

讃岐うどんブランドの成り立ち

香川県において、うどんは地元で特に好まれている料理である。

同県の2016年時点のサイトによれば、蕎麦とともに人口一千人あたりの店舗数は日本全国の都道府県別統計においても第1位であり、うどん用小麦の使用量は全国一位であったとされる。

料理等に地域名を冠してブランド化する地域ブランドの1つとしても、観光客の増加、うどん生産量の増加、知名度注目度の上昇などの効果をもたらし、地域ブランド成功例の筆頭に挙げられる。

日経リサーチの隔年調査では地域ブランドの総合力において350品目中1位となり(2008年、2010年連続)、観光客は行き先選択の理由、香川の魅力の第一にうどんを挙げ、2011年には香川県庁と香川県観光協会はうどんを全面的に推しだした観光キャンペーン「うどん県」をスタートさせた。

ブランドとして広く知られるようになったのは1960年代

古くから良質の小麦、塩、醤油、そして地元ではイリコと呼ばれている煮干しなどが、讃岐国(現在の香川県)の特産品であり、それらうどんの材料の入手が容易であった。元禄時代の一枚の屏風絵にも複数のうどん屋を認めることができる。
代表的なうどんの一種として有名になったことや、2006年から開始された地域団体商標制度への登録は「地名+商品名」でも、一般的に使用されている名称で全国各地で作られている物は難しいという見解を特許庁は示しており、該当する商品において「本場」「特産」などと表示する場合のみ、公正競争の観点から規制を設けた程度にとどまっている。本場でしか味わえない点と、どこでも容易に触れ得る点の両面から、「本場の味を試したい」という欲求を呼び起こすことに成功している一方で、日本国外でのブランド防衛では後手に回った事例も見られる。

小麦粉の切り麺であるうどんは香川にしかないものではなく、古来全国にあるが、讃岐は特にうどんのトップブランドとして広く認知されており、各地のうどんを紹介する際に「第二の讃岐うどん」といった表現が用いられたり、特にゆかりはなくとも「讃岐」「讃岐風」を謳われたりしている。

讃岐うどんの製法

香川県の讃岐うどんは手もみ・足ふみしてこねた生地を平たく伸ばし、包丁で切る「手打ち」製法の代表格です。一説には、空海が中国からうどんの製法を持ち帰り、良質な小麦と塩が採れた讃岐に根づいたといわれています。

10~15分かけてゆでた麺はしっかりコシを感じ、噛みしめるとモチッとして小麦の香りがふんわり。かつお節にいりこやさば節などを加えた、瀬戸内海ならではの香り高い上品なつゆが、麺の美味しさを引き立ててくれます。

熱々の麺と卵につゆやしょうゆをかけて食べる「釜玉うどん」や、ゆでた麺に濃いめのだしをかけて食べる「ぶっかけうどん」など、さまざまな食べ方があり、気軽な日常食として地元民に愛されています。

稲庭うどんの製法

秋田県の稲庭うどんは、練る・綯(な)う(=より合わせること)・延ばす・かけるの工程を経て熟成を重ねていく、独特の「手延べ」製法で作られます。その歴史は古く、江戸時代から殿様に献上されていたそうです。

形状は幅2~3mmの平たい乾麺でゆで時間は3分と短め。半透明な乳白色になったところで引き上げて、氷水でキリッと締めると美しいツヤが出ます。まずは、かつおと昆布のきりりとした味の正統派のつゆ、ねぎ、わさびやしょうがでシンプルに味わうのがおすすめです。

五島うどんの製法

遣唐使の時代に中国から伝わり、日本の麺ロードの拠点とされたのが長崎県・五島列島に伝わる五島うどん。稲庭うどんと同じく「手延べ」製法ですが、「打ち粉」で伸ばさず特産品の「椿油」を塗って細長く伸ばします。生地には上五島で造られた塩を練り込み、コク深いあごだしのつゆで食べるという、まさに五島列島の自然が育んできた麺。断面は直径2mmほどのスパゲッティに似た丸状。コシが強く長くゆでても伸びにくいのが特徴です。

地元で定番の食べ方は「地獄炊き」。大鍋にたっぷりの湯をぐらぐらと沸かして麺を7~8分ゆで、そのまま溶き卵やあごだしのつゆにつけて食べます。口の中にチュルンと入り、少しモチッと弾力がある食感は「生」パスタに近いかもです。

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