『治療師ギルド』のコミカライズ化を辞退した経緯につきまして

お読み頂きありがとうございます。
初めに伝えさせて頂きますが、以下の文章を丸々SB文庫の担当編集者の方にお送りし、この文をSNSに投稿致しますということと、事実と相違ないかの二点の確認を取ってから投稿しております。

契約から辞退までの流れ


2021年4月にSB文庫の方から書籍化をさせてほしいとのご連絡を頂きました。
この作品にはありがたいことに十数社から書籍化やコミカライズ化の打診があり、更に私はコミカライズ化を最重要視していたため一度お断りしたのですが、スクウェア・エニックスでコミカライズ化も行うという条件で再打診して頂き、SB文庫が一番早くお声掛け頂いたこともあって、打診を受ける旨を伝えて契約に合意致しました。

実際に2021年の11月には書籍の方は出版させて頂いたのですが、コミカライズの方は具体的なことを聞かされず、進展しているということだけを聞いていました。
それからもコミカライズにつきましては進展中とだけ伝えられ、具体的な話が出ないまま一年以上何も聞かされていない状態でした。
何分知識がなく、コミカライズ化にどれほどの時間がかかるのかも分からず、更に書籍の売り上げも芳しくなかったこともあって、この間はこちらから急かすこともできずに待ち続けていました。

そんな中、私の二作品目である『名家の長男』が2022年の9月に書籍化+コミカライズ化の打診を頂き、その時に頂いたスケジュールによると2023年の夏頃には『名家の長男』のコミカライズを開始できるとのお話でした。
この時に『治療師ギルド』のコミカライズが異様に遅いことに初めて気づかされ、更に2022年の10月に『治療師ギルド』のコミカライズをやらせてくれませんかというお声を他企業様に掛けて頂きましたので、編集者の方に進展していないようでしたら辞退してこちらの企業様とコミカライズをやりたい旨を伝えさせて頂きました。

その返答と致しましては、既に漫画家さんが決まっており、更に一話のネーム(漫画の下書きのようなもの)を制作しておりますとの連絡でした。
進展が異様に遅いことに気づきましたし正直辞退したい気持ちもありましたが、既に動いているのであれば漫画家さんに悪いと思い、裏で進展してくれていたことは分かったため、辞退することを思い留まって引き続きSB文庫及びスクウェア・エニックスとコミカライズを進めていく決断をしました。

それから2023年の2月頃に急に担当する漫画家が代わり、一度白紙になったことを伝えられました。
ここでも色々と思うことがあったのですが、同時に送られてきたスケジュールには、予定が変わることはなく2023年の6月頃に連載開始とのお話でしたので、特に支障をきたさないならと受け入れました。

ただ、それ以降一切の連絡も来ず、流石に痺れを切らして5月の中旬にこちらから連絡を行うと編集者の方からの返答は、作業に遅れが出ていて連載開始も遅れるとのこと。
その時に出されたスケジュールは、年内連載開始とのお話でした。
遅れが出ても毎度のこと連絡がなく、催促の連絡をするかどうかで毎回やきもきしていたことでかなりのストレスもあったため、この時点で連載を辞めたかった気持ちが強かったのですが、年内開始ならとそれでも思い留まって了承致しました。

そこからはスケジュール通りにある程度事が進んでいたのですが、10月中旬に送られてくるはずだったネームが送られて来ず、11月7日に私の方から送られてくるはずだったネームはどうなっているのかと、年内に連載を開始できるのかの二点を尋ねました。
編集者の方から確認を致しますと返信は来たのですが、週明けにも返信はなく、返信に時間がかかる質問ではないと思っていたため、質問した日から一週間が経過した11月14日に痺れを切らし、年内に連載を開始できるかの一点だけを再質問させて頂きました。

このやり取りのストレスから他の作品の執筆作業にも影響が出ており、この時に年内に連載が開始できなかったら辞退しようと決めました。
そして編集者からの返答は『年内には無理』との言葉。

翌年1月末には連載開始できるとのお話でしたが延期に延期を重ねた今、このお話が本当かどうかも分からないですし、報連相ができない方とのやり取りを行うのもストレスでしかなく、他の作品の執筆作業にも影響を及ぼしていたため、他の企業様に迷惑をかけないためにも今回コミカライズの辞退を致しました。
担当してくださった漫画家様には大変ご迷惑をお掛けし、本当に申し訳ございませんでした。

一番伸びており私にとっての始まりである感慨深い作品でしたが、今回の一件でweb版の続きも執筆する気力が完全に消えてしまい、申し訳ございませんが今回は打ち切りという決断をさせて頂きました。
弁護士の方にもきちんと相談をし、コミカライズの辞退やSNSに報告しても問題ないことの確認は取っており、また現在他の作品に携わってくださっている企業様にも確認した上で、このツイートをさせて頂いております。

作品を打ち切ると決断したため、続きを待っていてくれた方へのけじめとして今回はこういった形で全てをご報告させて頂きました。
続きを楽しみにされていた方には本当に申し訳ございません。

今回の決断は今後も執筆活動を行うための決断であり、現在連載している『名家の長男』と『勇者殺しの元暗殺者』に関しては、完結まで執筆致しますし、メンタル面が持ち直し次第新作も執筆したいと思っております。
また『名家の長男』はコミックウォーカーでコミカライズが連載中、『勇者殺しの元暗殺者』に関しましては週刊少年チャンピオンの電子版にてコミカライズが近々連載予定となっておりますので、どうか応援頂ければ幸いです。

最後になりますが、経緯だけを書き綴っただけの乱文をお読み頂き、本当にありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?