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バレンタインデー

こんにちは!

あっというまに2月ですね。
14日のバレンタインデーは、いかがお過ごしでしたでしょうか。

バレンタインデーについて、今回からはエッセイ風に書いてみたいなと思います。


今年は、コロナが5類になってから初めてのバレンタインデーだ。

そのせいか、昨年よりもイベントが盛んになっていたように思う。

我が家には小2の娘がいる。

彼女が今回用意したチョコレートは、7つだ。

チョコレートをもって、いそいそと出かけた彼女。

しばらくして、元気よく帰ってきた。

「誰に渡したの?」と聞くと、

好きなおとこの子は、まだいないのだそうだが、

「友チョコ」として7つすべて渡してきたらしい。

相手は男女関係なく、

そして年齢は8歳からなんと50代まで!

娘の交友関係は、母よりも広いのだ。

いっぽう小4の長男は、そろそろ「女子」を意識する年齢。

もちろん好きな子もいるみたいだが、

残念ながらその子からはもらえなかった。

しかし友達の中には、チョコをもらった子が何人かいたようだ。

悲しがる長男に、

「おれのわけてやろうか?」と励ましてもらったらしい。

そういうところが、「モテるおとこ」は違うのだ。



今から30年ほど前のバレンタインデーは、

「友チョコ」というのはなかったように思う。

ましてや男の子にあげるのは、「本命チョコ」のみ。

そんなイメージがあった。



私が初めてチョコをあげたのは小3のときだった。

たしか手作りのチョコを渡したはずだ。

その子を好きになったきっかけは、「ギャップ萌え」。

いわゆるよくあるやつだ。

私とKくんは仲がいいというわけではなかった。

でも仲が悪いわけでもなかった。

しかしどういうわけか、やたらとKくんはちょっかいを出してきた。

私は身長が当時から高かったので、Kくんがそれをからかい、

私が追いかけるというのがお決まりだった。



ある日、私は教科書を忘れてしまった。

隣にはいじわるなKくんだ。

教科書なんて見せてくれないだろう。

そう思っていると、

「ん!」

とぶっきらぼうに教科書が渡された。

渡してくれたのは、Kくんだった。

私は思いもしていなかったKくんの行動に、ドキドキしたのを覚えている。

その日から、Kくんのことを意識するようになった。



そしてバレンタインの日。

私はKくんにチョコを渡すことにした。

家が近かったので、直接家まで渡しに行った。

インターホンを押すと、Kくんのお母さんがでた。

「Kくん、いますか?」というと、

「ちょっとまってね」と言われた。

待っている間は、心臓が口から飛び出そうなほど、

緊張した。

少しして、寝癖がついたKくんが出てきた。

いつもと違い、あちこち視線が泳いで、ちょっとそわそわしている。

私は、

「この前のお礼!」

といってチョコを渡すと、

猛ダッシュでその場から走り去った。



その後、Kくんとは席も離れていたし、とくに話はしなかった。

しかし一か月後のホワイトデーに、

K君は自宅までお返しを持ってきてくれた。

そのやりとりを、なんと卒業まで続けたのだ!

結局、それ以降の進展はなく、

中学は別々なり、それっきりになってしまったが、

その当時を思い出すと、ほんのり甘酸っぱい思い出がよみがえる。



うちの子どもたちも、近い将来にそんな経験をするのかもしれない。

楽しみな反面、少し寂しく思うのは、

親だからこそなり得る心境なのだろうか。

長男、次男は、男子に生まれてしまったので、

毎年チョコレートに翻弄される運命なのがかわいそうな気もする。

しかし「何もなったね」「まだうちの子には早いよね」と、

ちょっとばかり安堵している自分がいて、

そんな自分に苦笑いしてしまうのだった。

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