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「年金保険で年金は作れない」ってホント?

前回は、
「終身型死亡保険で老後資産を作るのは効率が悪い」
というお話をしました。

それでは、個人年金保険だったらどうでしょうか。
商品名に“年金”と入っているところからして、
「これだったら資産が作れるのではないか」
と感じますよね。

上は、ある年金保険を図示したものです。
年金保険は、5年間の据え置き期間が
設けられているため、30歳に加入後、
60歳まで保険料を払い続け、65歳から
10年間、保険金を受け取る設定にしました。

この場合、月10万円の保険料で設計しても、
返礼率は106%であり、
受け取り総額は3800万円程度にしかなりません。
年間平均利回りは0.21%ですから、
かなり少ないのが実情です。

続いて、最近人気の変額保険も見てみましょう。
変額保険の大きな特徴は、確定利回りではなく、
運用実績に応じて利回りが変動するという点です。
ちなみに、運用商品は自分で選択しますので、
当然、何を選ぶのかによって実績も変わります。

こちらが変額保険を図にしたものです。
保険料を支払っていますから、
払込保険料累計は増えていきますが、
波型の線が示しているように、
解約払戻金は、運用成績によって増えたり、
減ったりしています。

こちらは、運用実績ごとの払戻金を
表にしたものです。

月額5万円で35年間支払いを行う前提で、
運用実績がマイナス3%からプラス6%までを
想定して算出しました。
仮に利回り6%で運用され続けたとすると、
35年後には払戻金が5000万円を超えるので、
一見、悪くないように見えます。

しかし、実はかなり手数料を取られています。
本来、年利6%で運用すれば、
35年間で7147万円の利益が出るところを、
手数料で1836万円も抜かれているのです。

これだけ手数料を取られたら、
老後資金を確保するのが難しいことは、
ご理解いただけるのではないでしょうか。

“保険”という名前を聞くと、
いかにも保証されているように感じますが、
実際は利回りまで保証されているわけではありません。
ネーミングやイメージだけで商品を選択しないよう、
くれぐれもご注意ください。


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HP:https://www.fangs-g.com

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