⑪FANKSになったことでの人生の変化を教えてください。
(第3話からの続き)

あんでぃ：「Log-on to 21 st Century」の後に、あれが出るじゃないですか。「Major Turn-Round」。ちょっとプログレっぽいね、「IGNITION,SEQUENCE,START」がカッコ良過ぎて、「これはカッコええなぁ。」と。
でね、12月にインディーズレーベルからでしょ。店舗に並んでいないんですよね。で、私、(翌年2001年の)1月25日にアメリカに旅立つことになっていたんですけど、ギリギリに届くような感じで。すごいドキドキして受け取ったのを記憶しています。
「受け取れた！あぶねぇ。」みたいな。ちょっともう、引っ越しの荷物出しちゃって、そこの住所にいないかも、みたいな恐れがあって。「ちゃんと受け取れて良かった！」っていう記憶がすごくありますね。

 自分の中でも、アメリカ駐在っていう大きな変化があって、不安もいっぱいある訳じゃないですか。当時、なかなか若い年齢でアメリカに行くことになったので、なんとなくプレッシャー的なのもあったり。
いまだに英語は微妙ですけど、当時、本当に英語なんか1mmもしゃべれなくてですね、「ワシはどうなるんだ？」と思いながらいた時に、そのタイミングでTMがこれ(「Major Turn-Round」)を出してくれて。
「なんという運の良さだろう！」というか、「こんなタイミングでありがとう！」みたいな感じで勝手に思っていましたね。「よくぞ、俺のこの海外駐在始まりのタイミングで出してくれたね！」って。

(TMの音源は) 全部持って行ったと思いますね。最初、2001年にアメリカのロサンゼルスに駐在になったんですよね。
「CASTLE IN THE CLOUDS」は、普通に買っているんだよな。アメリカの日系の本屋が、紀伊國屋とか旭屋書店とかがあって。ロサンゼルスのダウンタウンかカーソンの方か。
私がいたところって、トヨタとかホンダが昔、現地の本社を置いていた地域なんですよ。トーランス市っていう。日本人駐在員がいっぱいいて、日系の店とかもすごくあって。日本語だけで暮らせるアメリカの街なんですよ。ちょっと特殊ですね。

ロサンゼルスのダウンタウンに「リトルトーキョー」ってあるんですけど、そこは そんなに周りに日本人はいなくて。でも、ちょっと南の方に行くと、トーランス市があって、日産やトヨタ、ホンダといった日系企業も割とあって。メーカーの工場とか販社があったりして。で、日系の幼稚園とか小学校とかもあったり、何だったら、医者も「日本語通じます」とか。
うちの子供は2人ともロサンゼルスで生まれているんですけど、嫁は大変だったと思いますけど、それでも普通のその辺のアメリカとは違っていたんで、生活するにはまだ良かったかもしれないですね。　

 ロサンゼルスで3年ぐらい過ごして、仕事も慣れてきた頃に、そうしたら今度、2004年にニュージャージーに転勤になったんですよ。ニューヨークオフィスっていうのが当時あって。千葉にあるのに「東京ディズニーランド」みたいな、正にあんな感じ。すごいド田舎にあるんだけど、ニューヨークのマンハッタンからフリーウェイで1時間弱走ると着くみたいな田舎の街で。
ロサンゼルスって本社だったんですね、うち(の会社の)。日本人の駐在も当時10人以上いた環境だったんですけど、2004年にニューヨークオフィス、ニュージャージーに行ったら、日本人は私だけなんですよ。そこに放り込まれることになっちゃって。
「これまた、どうするんだろう？」と思っていた矢先に、あれですよ！「NETWORKTM -Easy Listening-」が出たんですよ。

「なんということだ！」と。「2001年の時もそうだったけど、今回もやってくれたな、TM！」と。「俺がこういう時に、よくぞ出した！」みたいに、また勝手に思ってですね。そうしたらほら、またこの曲が「SCREEN OF LIFE」とかめちゃめちゃカッコいい歌じゃないですか。「PRESENCE」とか「風のない十字路」とかオリジナルもあって。「TIME TO COUNT DOWN」とかも全然ボーカルがなくて、これはこれで面白いなと思いましたけどね。 これはね、たぶんね、マンハッタンに日系の本屋があって、そこで買ったんじゃないかな。

金谷：(アメリカでも、お店で)オンタイムで買えるんですね。タイムラグがないんですね。

あんでぃ：そう、買えたんですよ。聴きましたよ。で、1年半ぐらい経って、また2006年くらいにロサンゼルスに戻ったんですよね。で、しばらくしたら、「SPEEDWAY」が出たんですよね。「また出してくれたな。」と。今度は少しずれましたけどね。「また出たか！」と思ってこれも買って、車でよく聞きましたね。「ACTION」とか「DIVING」とかね。
「ACTION」なんて正に、「1人車をあてもなく走らせ 特に雨の日は孤独に浸れる♪」じゃないですか。ロサンゼルスって年中夏みたいなところなんで、滅多に雨が降らないんですけど、ただ2月、3月に若干雨季があるんですよね。その時に夜な夜な車でその辺を走りましたよ、これを聞きながら。そんな思い出がありますね。

(第5話へ続く)
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