FASで仕事と家庭とのバランスに悩む方へ

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 FAS自体は楽な仕事ではないですが、私個人としては結構好きで長く続けたいと思っています。できれば周りのメンバーにも長く働いてもらいたく、そのためにはサステナブルな働き方が必要と考えています。FASは20代後半から30代の層が厚く、共働きで子育をしながら働く方も多い。本noteは「私はこうやって切り抜けた」という方法を書いていますので、家庭と仕事とのバランスで悩んでいる方の何か参考になれば幸いです。また、より良い方法があれば是非ご意見ください。


前提条件(置かれた状況)

  • 自身はFASのDD部門で働くM/VPクラス

  • 共働きで配偶者はフルタイム

  • 夫婦とも実家は遠方で祖父母の日常的な応援は期待薄

  • リモート導入直後(コロナ禍直後)に第一子誕生。同時期に上記職位に昇格

結論_自身のリソースを最大限確保する

「様々な手を使い、自身のリソース(時間)を最大限確保する」が結論で、そのために採用した方法を各論で書いています。とにかく時間が足りないので、時間を確保する癖をつけましょう。
 なお、効率化のために自宅の作業環境を整備するとか、便利家電を買い揃えようとか、PC等のスキルを向上させようといった話は書いてません。それはそれで重要なので並行してやりつつ、仕事のやり方どうましょうか、という話です。

各論

(当面の)働く強度を決める

 子どもができたら「どの程度のペースで働くか」という「働く強度」を決めましょう。「子供が3歳になるまでは、仕事は要求される最低限度として、家庭の時間を可能な限り確保するような働き方をする」等といった感じ。判断軸となる価値観をはっきりさせることが重要。ここがブレると後で後悔したり、周りにも迷惑がかかる可能性もある。各人の家庭状況や価値観は全く異なるので、「これまで以上に精力的に働き、最速で昇進を目指す」でもいいと思います。
 私は「子供が小さいうちは18時-21時は基本的に働かない。睡眠時間は6時間は確保し、それで可能な範囲で働く」くらいの緩い認識で働いていました。成長速度や昇格は遅くなりますが、もはや人生の価値観の問題ですし、自分が死の間際に人生を振り返ったとして「この時期をどのように過ごすのが後悔しないか?」を踏まえ決めました。1-2年昇格が遅くなろうが、長い人生のスパンで見ると大差ないな、と。子どもや配偶者との思い出や良好な関係を維持する方がきっと人生の幸福度は高いと考えています。

関与するプロジェクトを選ぶ

 プロジェクトによって融通の利きやすさは全く異なる。自身が構想して提案書を書き受注することが理想。ただ全ての関与PJでそれを実施するのは困難。関与するとしてクロスボーダー案件や深夜に平気で電話がかかってくるようなPJは、(時間の融通をきかせる点からは)できれば避けたい。この辺りは自身の稼働状況を踏まえてパートナーと相談しながら埋めていく。
 一方で、上記を避けたとしても会社から必要な人材として認識されるよう、日々を過ごすことは大事。私は社内での特定領域の第一人者となるよう意図的に振る舞ってました。FAS自体それなりに成熟したプラクティスであり各領域の専門化が進んでいると思うのですが、それであるが故か領域横断的な取り組みに積極的な人材は少ない気もしており、そこを開発していました。

PJのリソースを確保する

 PJ予算による制限もあるが、スタッフはできれば多めに確保したい。そして優秀なスタッフ。そのためには高い予算を確保するよう提案でも動きたい。担当パートナーや部門に色々と理由をつけてスタッフを確保する。日常的に様々なスタッフとコミュニケーションをしっかりとる、あたりが大事かと思います。
 外注できるものは積極的に外注しましょう。(ここでの外注は事務作業等を専門で請け負う社内部門への外注を想定しています。)受注関連の手続、データ入力、各種チェック等、外注できるものは相当数あるはずです。チームメンバーにも徹底させましょう。それによりメンバーの余力が生まれ自分の手も空きます。
 また、意図的に自身の稼働は少し緩くしていました。体感で70-80%くらいの力で働いているくらい(稼働率ではなく体感での余裕度合い)。PJには当然突発事象は起こるが、子供ができると家庭事情での緊急対応案件が増える。子どもの体調不良→保育園へのお迎え・通院→自宅療養(でも子どもは元気)、コロナ陽性、配偶者の体調不良等々。なんで子どもすぐ体調崩すん

自身のリソースを確保する_早朝に働く

 家事育児にそれなりに時間を割く前提でいると、毎日18時-21時はオフライン、その後に仕事復帰が一般的なサイクルかと思います。これを1年くらいやったのですが、正直、個人的には結構キツい。21時まで家事育児モードでそこからまた仕事モードに頭を切り替えるのに気が乗らない。体も疲れている。深夜はそもそも頭が働かない。この働き方は極めて非効率では?と常々感じていました。
 過去を振り返ると、自身が過去働いていたコンサルティング会社のマネージャー(子持ち)には朝型生活者が多かったので、それを試験的に取り入れてみようと思い朝方に切り替えました。想像通り朝が最も作業効率が良く、誰の邪魔も入らないので思いのほかサクサク進む。4時に起きて3時間働けば体感半日分くらいの進捗。17時頃にはかなり眠くなり疲れるが、家事育児は眠かろうが疲れていようができる。同じ時間の中でどうやって生産性を上げるか?は好きなテーマですが、この本が非常に参考になりましたので紹介しておきます。

 一方、早朝働くために早く寝ることとコロナ禍もあって、飲みにいく回数はグッと減りました。自分1人違うスタイルで働いているので社内で取り残されている感もあり、社内事情にも疎くなるデメリットもあります。短期的には大したデメリットではないですが、中長期で考えると貯金を取り崩して働いている感じはします。

参考:平日の生活スケジュール

 色々と試してみて、最終的に以下のスケジュールで概ね動いていた。時間外の稼働時間を1日4時間程確保できるので、平日のみ働いても月に最大80時間は時間外で動ける。睡眠時間も6時間は取れる。予備で休日もあると考えると結構色々できそうじゃないですか?
0400-起床・仕事
0700-家族を起こす。朝食、保育園準備
0830-仕事(間に昼食を挟む)
1800-風呂、夕食、就寝準備
2130-就寝
*余裕のある時は保育園の送り迎え
**土日は基本的に働かない前提でスケジュールを組む

生活スタイルをチーム、上司と共有する

 生活スタイルをチームや部門の上司と共有することは必須。新規PJではその内部キックオフで「18時でいったん離脱する。夜は連絡がつきにくい。深夜は働かず早朝働く。その他突発的な事象の発生で仕事を抜けることがある」と共有していました。また、チームメンバーにも同様に柔軟に働いて頂きたく、各自のスタイルは共有してもらってました。(私以外で早朝働くメンバーは見たことありませんでしたが)
 クライアントとどこまで共有するかは難しいですが、付き合いの長いクライアントには(ニュアンスは調整して)共有していました。

成果物の品質にどこまで妥協するか

 上記の働き方をしていると、レビュー&修正のサイクルがどうしても遅くなる。働く時間も短くなり、これまでの同じ品質で成果物を作成することは困難になる。正直ある程度は成果物の品質には妥協していましたが、もうそれはしょうがないなと。結論やそれに至るロジック、理解しやすさや計算の正確性を外さなければ、体裁への拘り等細かい内容は気にしないようにしました。ディスカッションペーパーでもクライアントと合意できる最低限の情報が整理されていればOK。必須でないならPPTも極力使わない、とか。品質とは少し離れますが。

うまくいかないこともある

 何もトラブルがなく理想的に動けた時はなんとか回る。ただ実際には18時以降にクライアントから長時間の電話、夜間の会議セット、PJでトラブル発生からの緊急対応、家族の体調不良(特に保育園からのお迎え要請電話)、子供がぐずる等が必ず発生する。想定外の事象は必ず発生するものとして、対応できるための自分のリソースを少しあけておく。時間が少しあくからといって、追加の仕事を無理して取りにいかない。土日は必ずあけておく。これだけでかなり精神は落ち着きますし、トラブルが発生しても一個くらいであれば全く動じなくなる。
 「仕事を空けても誰かがやってくれる」とか「自分が休んでいる間にやってもらって申し訳ない」とか考えるよりも、「最後は全て自分で片付けないといけない」と考える方が逆に精神衛生上は良い。何かトラブルが発生しても「グタグタうっさいわ。土日で(あるいは徹夜で)やったるから文句言うなや(その代わりに働き方にも文句出すなよ)」というスタンスで臨んでいます。(口には出しませんが)

今後の課題

 以下のことは非常に悩ましく、今後どう変えていくか検討中。もしいい方法あれば誰か教えてください。

  • スタッフからM/VPクラスまでであればこれでいける。SM/SVP以降は求められるものがまた変わるので悩ましい。自分が死ぬほど働けばなんとかできるPJを中心にデリバリしていたので、そこからどう抜け出すのかは今後の課題。あと、コロナと育児を言い訳に飲み会をかなり絞ってたのは反省点。

  • 2人目が生まれたがどうするかも悩ましい点。記事執筆時点で2人目が生まれて育児休暇中(育休はいいですよ)。復帰してみてから考えるしかないですが、復帰後に同じやり方で働けるかは結構悩ましい。家事代行とベビーシッターは現状利用していませんが、今後はこちらも積極的に活用しようとは考えています。

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