痛みについて勉強しなおす (2)-② ---神経痛?---(PS.2023年7月18日少し修正)

いわゆる神経痛(坐骨神経痛、胸郭出口症候群、頸肩腕症候群など)の治療で、とくに痛みや凝り感じゃなく、”痺れ”を主訴とした患者さんの治療は苦労しませんか?恥ずかしながら、私がそうでした。その”神経痛”も以前の私は「筋肉のトリガーポイントが原因だ!」として、例えば頸肩腕症候群や胸郭出口症候群なんかもすべて、斜角筋周りの治療メインでしていました。坐骨神経痛も殿筋群や梨状筋狙い撃ちの治療でした(笑。しかし、思い返してみると、そういった患者さんたちが良くなったケース”全て”、「治療後、少し楽になったので、自分で体操をしてみたら更に楽になった(で、治った)」と言われているのを覚えています。

今回、”神経痛”について勉強していくと、そのことの意味が初めて理解できました。まずはじめに、私の知人のブログから勝手に引用します。でも決して彼を批判や卑下しているのではありません。私も以前は全く同じ意見でした。

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首がピキッとなる
あなたは首がピキッと痛くなったことはありませんか?
・声をかけられたので振り向いたら、首がピキッとなった。
・何気なく横を向いたら首がピキッと痛くなり、しばらく激痛が続いた。
患者さんから時折このような症状を訴えられることがあります。

特徴として、
・首を動かした時に
・いきなり強い痛みに襲われて
・それ以降しばらく首が痛い状態が続く

ではこれ、一体なんなんでしょう?結論から言うと、首の筋肉に原因がある可能性が高いです。しかし、ネットで「首がピキッ」で調べると

原因は「神経痛」「ヘルニア」「炎症」・・などと穏やかでない単語が出てきます。本当にそうでしょうか?

実際に神経痛やヘルニアならば、首がピキッ程度では済まないはず。神経になんらかの不具合が生じれば、力が入らなかったり、手の感覚に異常がでてきます。(実際にそのような場合は即病院へ行ってください)

果たしてネットと僕、どちらが正しいのでしょう?

理由
神経痛ではない理由
神経痛とは、神経に沿って痛む症状をさします。

つまり「神経に沿って痛まない=神経痛ではない」ということになります。例えば、肘をぶつけると、小指の方までビリッときますよね。あれこそが神経が刺激された時の痛みです。首がピキッとなった時に、指先や他の場所にまでビリッときたでしょうか?また、同じ動作をすると再びピリッとしますか?もし首「だけ」ピリッとしたのなら、神経痛の可能性は低いでしょう。ヘルニアならもっと深刻な症状なはず。首がピキッとなったらヘルニアかも・・?

(中略)

首がピキッとなった時の対処法
神経でもなく、ヘルニアも考え辛い。
首がピキッと痛いのは、筋肉が原因の可能性が高いです。
ぎっくり腰や寝違えに近いもの、と考えています。もっと言えば

ー筋肉が過剰に凝っている状態で動かしたので、微細な筋肉の断裂が起きた

(以下省略)

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次にDavid Butler & Lorimer Moseleyの「Explain pain」(2003年)で彼らは神経についてこう書いています;

Most people know about muscles and joints. (中略)Unfortunately, nerves are often forgotten. (中略)Leading neuroscientists argue that peripheral nerve problems are far more common than clinicians believe. 

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