料理人からPMへ。AIスタートアップで未経験からのチャレンジ。【入社エントリ】
はじめまして。 FastLabel株式会社の寺元と申します。2023年3月にジョインし、現在は AI Data Operation 部門でアノテーションサービスの PM を担当しております。
執筆時点でFastLabelに加わって半年程度が経ちますが、子育てにも理解をいただき、居住地の福岡からフルリモート勤務という有難い環境でお仕事をさせていただいています。
本入社エントリーでは、これまでの経歴や現在の業務内容を中心に書かせていただきますが、私自身は輝かしい経歴があるわけでもございませんし、境遇が似ている方も多くはないかもしれません。
他メンバーの入社エントリーも是非ご覧いただき、私の記事は「こんなやつもいるのかー」と気楽にご覧いただけますと幸いです。
所々端折って書かせていただきますので、「え?なんでそうなった?」の部分もあるかと思いますが、私の経験が転職(特に異業種・異業界からの転職)を検討されている方の後押しになりますことを祈りつつ、執筆いたします。
この入社エントリーは以下のような方におすすめです。
異業種・異業界からチャレンジしたいと考えている方
これまでの経歴
「な、なんのために大阪からわざわざ九州の大学へ…」と慄いていた母に、「ええねん、今時はそういう感じやねん」とわけのわからない理屈を押し通すところから私のキャリアは始まります。
福岡の大学で建築を学んでいた私は、同級生がゼネコンやハウスメーカー、誰もが知る建築家の設計事務所へ就職していく中、何を間違えたのか卒業後すぐに料理の世界へ飛び込みました。
就職活動らしい就職活動はせず、当時自分が好きだったカフェレストランに履歴書を持って押しかけ「働かせてください!」で合格。ホールでサービスもやるという条件のもと、料理人見習いとして採用されました。
晴れて料理人としての人生を歩み始めましたが、現実はやはり甘くなく、恐ろしく薄給の生活が待っていました。”有給休暇”や”残業代”は都市伝説かと思っていたほどで、”まかない”があるからどうにか生きていける、そんな生活です。
想像していたよりも過酷な環境で下積みを開始し…………と、この調子で書くと経歴だけで短編小説程のボリュームになりそうですので、以降はダイジェストで記載いたします。
1件目のカフェレストランで3年ほど勤務。
料理を学ぶため1年弱フランス・パリへ。花の都パリではエレベーターなし螺旋階段で8階という素敵なアパルトマンに住まう。
帰国後は定食店で勤務。夜中12時から20kgのハンバーグを仕込む生活に。
満を持して弁当店を一人で独立開業。開業資金という名の借金を背負いこむ。
息子が生まれる。
弁当店が期待していたほどには儲かっていなかったのに加え、子育てと店舗運営のダブルハードワークで身体が限界を迎え、人生を考え直す。
「よし!ITに関わる仕事にチャレンジしよう!」
弁当店を畳み、スタートアップ支援/エンジニア支援の事業を行う会社に運よく入社(前職)。
スタートアップを外から支援するのではなく、中から当事者として思い切りチャレンジしたいと思い至り、数年で転職を決意。
経歴と希望を伝えた業界最大手の転職エージェントさんから「弊社ではご紹介できる求人が…」と匙を投げられる。
FastLabelを選んだ理由
転職エージェントさんから匙を投げられた私ですが、前職でスタートアップ/エンジニア支援事業に携わっていたおかげで、たくさんの企業様や、たくさんのテクノロジー技術に触れる機会には恵まれていました。
Web3.0やXR/メタバース、webアプリケーション、バイオテックから衛星開発…等々。それまでITテクノロジーには門外漢であった自分でさえも聞いたことがあるような流行りの技術から、素人には「それ何の役に立っているの…?」と感じてしまうような技術(理解できなかっただけでその方面ではすごい技術)まで、実に様々でした。
そんなたくさんのテクノロジー技術に触れる中で、とりわけ魅力的に感じたのがAIでした。
以前はAIと聞くと「何でもできるすごいやつ」くらいにしか思っていなかったのですが、AI分野でお仕事をされている方にお話を伺った際、
「AIは決して魔法じゃないし、AIも間違うことがある。でも人間がやろうと思うと果てしなく時間がかかることでもAIだと数秒でできてしまうこともある。例えば…」
と熱弁され、それがきっかけでAIへの理解が深まり、親しみ、興味を持ちました。
また、様々な分野のお話を伺う中で、なんとなくではありますが、「これから世の中の中心となっていく技術はAIかなー」と感じるものがありました。
そんなこんなでAIに興味を持った私は、「AIといえば……FastLabelがあるやん!」と、前職でほんの少しの微かな関わりのあったFastLabelを思い出し、改めて「AIインフラを創造する」というヴィジョンに胸熱共感し、今に至ります。
業務内容
冒頭でも書かせていただきましたが、AI Data Operation 部門でアノテーションサービスのプロジェクトマネージャーを担当しております。
AIと一言で言っても、いろんなところで、いろんな用途で、幅広く利活用されているため、一つ一つのAI開発に必要な学習データは多種多様です。
そんな多種多様な学習データを、企業様に代わり、”高品質に”作成し、納期までのお届けに責任を持つお仕事です。
学習データの作成(アノテーション)は、料理に例えると「下ごしらえ」に当たります。
美味しい料理を作ろうと思うと、適切な素材を選び、丁寧に下処理をすることが欠かせません。下ごしらえは地味で面倒で目立たない作業ですが、料理においてとても大切な工程であることは、何となくイメージいただけるかと思います。
アノテーションも同様で、AI開発において、手間暇がかかるがとても大切な工程です。
AIについて私に熱弁をふるってくれた方は「アノテーションはAIに命を吹き込む作業」と仰ってました。
命を吹き込む作業。
そんな大切な工程をお任せいただくわけですから、難しさやプレッシャーもありますが、その分やりがいも大きく、お客様から「作成してもらったデータで精度目標を達成することができました!」等のご報告をいただけた日のお酒の美味しいこと…!
最後に
料理人からプロジェクトマネージャーへ、大きなキャリアチェンジを行いましたが、やはり大変さを感じることも事実です。
なんせカタカタ用語が飛び交ってますので、わからないことはその都度調べたり、チームメンバーに助けてもらったりしながら対応しています。
(チームのみなさん本当に良い人!いつもありがとうございます!)
とはいえ、これまでの自分のキャリアを否定することなく、むしろ全力で活かそうと考えています。
今の仕事をこれまでやってきたことに置き換えて考えてみたり、接客の経験をお客様とのコミュニケーションに活かしたりすることで、自分なりの価値を創っていくことを念頭に日々の仕事に向き合っています。
また、多種多様な分野のお客様からご依頼をいただけるため、全く関係ないと思っていた自分自身の経験が直接役に立つことも意外とあったりします。
そう考えると、料理人として過ごした期間は、プロジェクトマネージャーとして成長していくための壮大な“下ごしらえ”だったのかもしれません。
異業種・異業界からのご応募もお待ちしております。