ブロックチェーンの論文を読む 後編

後編は、実際の例を考えながら論文を味わう。

概要 1. イントロダクションの、「・・・必要なのは、信用ではなく暗号化された証明に基づく電子取引システムであり・・・」が感慨深い。
これは言い換えると、信用を何をもってシステム化するかと同義。

それを踏まえたうえで、世の中の信用について例を考えてみる。

CASE :1 コンビニで水を現金で買う場合。

①コンビニで水入りペットボトルを手に取る。
 ・その商品は安全か?
  ⇒コンビニ、商品メーカを信用している。
②レジで現金を支払う。
 ・使用する現金は本物か?
  ⇒国、日本銀行を信用している。今までの現金取引を信用している。
 ・レジの計算は正しいか?
  ⇒コンビニ、レジメーカを信用している。

CASE :2 コンビニで水を電子マネーで買う場合。

①コンビニで水入りペットボトルを手に取る
 ・その商品は安全か?
  ⇒コンビニ、商品メーカを信用している。
②レジで電子マネーで支払う。
 ・電子マネーに記録されている情報は正しいか?
  ⇒電子マネーを扱う企業を信用している。
   今までの電子取引を信用している。
 ・リーダで金額が正しく処理されるか?
  ⇒リーダメーカ、取引機器を信用している。

CASE :3 コンビニで水をビットコインで買う場合。

①コンビニで水入りペットボトルを手に取る
 ・その商品は安全か?
  ⇒コンビニ、商品メーカを信用している。
②レジでビットコインで支払う。
 ・ビットコインで記録されている情報は正しいか?
  ⇒(★)みんなでデータ保持する & そのデータの改ざんは
      圧倒的処理能力が必要なので現実的に無理。
 ・リーダで金額が正しく処理されるか?
  ⇒リーダメーカ、取引機器を信用している。

となる。
上記は荒い分類だけど、この論文で言っているのは(★)の部分という理解。
水は物体としてあるためブロックチェーンで扱えないけど、電子マネーはデータ化できるため、(★)の考え方でブロックチェーンで置き換え可能では?という話。

また、コンビニで水をビットコインで買う場合「その商品は安全か」、「リーダで金額が正しく処理されるか」という、ビットコインが直接関係ない部分も改めて考えさせられる。つまり、その人が何を信用するかという話にも繋がってくる。
ってなってくると人間味がでてくるので面白い。

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