[指定難病]シェーグレン症候群[医療費控除]

この記事は[指定難病]シェーグレン症候群と診断されたらやるべき4つのこと!の記事を詳しく説明するものです。


この記事は約3,500文字あります。休憩しながら、または必要な部分から少しずつ無理なくご覧ください。


なぜ領収書の保管をすべきなのか

 シェーグレン症候群になってから心身共に不安定で、収入の心配も感じ、医療費の出費が増えてため息をついているという患者さんが多いと思います。2024年現在はこの病気の治し方が医学的に解明されていないので長く付き合う病気になります。負担金額をできるだけ少額にしていくのが良策です。領収書をもとにして受けられる返金や控除制度がありますので、絶対に領収書は捨てずに保管しましょう。

 すでに捨ててしまった領収書は残念ながら再発行できない医療機関が多いです。再発行できるのであれば再発行で入手し、できなければこれから受け取る領収書をかならず保管しましょう。

領収書の使い道

 領収書はいろいろな申請に使います。どの領収書をどこに・どの制度のために提出するのかを一つ一つ解説します。

①診断前(検査)の領収書
②シェーグレン症候群と診断されたとき以降の病院と処方薬の領収書
③シェーグレン症候群での通院のために使った交通費
④その他すべての傷病や予防接種の病院と処方薬の領収書
⑤生計を同一にする家族がいる場合は、家族全員分の全ての傷病や予防接種の病院と処方薬の領収書

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①診断前(検査)の領収書

 医療費控除申請に使用します。
 指定難病医療費助成制度の対象外なので助成申請はできません。

②シェーグレン症候群と診断されたとき以降の病院と処方薬の領収書

 医療費控除申請に使用します。
 難病申請をする(した)場合に受けられる指定難病医療費助成制度の差額返還手続きに使用します。

③シェーグレン症候群での通院のために使った交通費

 公共交通機関を使用して通院する必要がある場合は、交通費を医療費として申請できますので、医療費控除申請に使用します。
手書きのメモでも可能です。
・日時
・交通機関名(○○バス など)
・乗車場所(バス停○○1丁目 など)
・下車場所
・運賃
 詳しく書き残すことが重要です。このメモは領収書と同じく大切に保管してください。

 自家用車を使用して通院する場合は、ガソリン代などの自家用車にかかるお金を医療費に計上できません

④その他すべての傷病や予防接種の病院と処方薬の領収書

 医療費控除に使用します。

⑤生計を同一にする家族がいる場合は、家族全員分の全ての傷病や予防接種の病院と処方薬の領収書

 医療費控除に使用します。


筆者おすすめの保管方法

・(生計を一にする家族が居る場合)個人ごと
・病院・薬局ごと
・1年ごと(1月から12月の区切りです)
 このように整頓して保管すると、医療費控除申請をするときにスムーズに書類を記入しやすいです。筆者は1年1冊のクリアファイルブックを使用しています。申告が終わったものはバッグ型のファイルケースに過去4年分を入れて収納しています。

保管が必要な期間と理由

 保管しておく理由はズバリ医療費控除申請のためです。税申告の際に医療費を申告すると一部の税金が返還してもらえる場合があります。期間は、5年間です。それより古いものは破棄して問題ありません。使用するのは確定申告の1回きりだということがほとんどですが、税務署から確認が必要だと求められた場合には領収書そのものを提出する義務があります。

ちなみに、医療費控除申請をしないのであれば領収書はまったく必要ありません。


医療費控除とセルフメディケーション税制

 この記事で何度も登場した医療費控除この制度を利用したことがありますか?かんたんに説明すると、支払った医療費を税務署に申告することでお金が返ってくる場合がある制度です。
 世帯収入などいくつかの条件があります。
 領収書の実物は提出不要ですが、5年間は本人が保管して、税務署が求めればいつでも提出できるようにしておく必要があります。
 どのようなひとが還付を受けられるのか詳細は国税庁HPで確認することが出来ます。


 セルフメディケーション税制こちらは処方箋が要らない医薬品(市販薬)を購入した金額が高額になった場合にその金額を税務署に申告することでお金が返ってくる場合がある制度です。
 世帯収入などいくつかの条件があります。


医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらかしか使えない

 これがかなり重要です。
 シェーグレン症候群の場合は市販では入手できない薬や専門医しか処方できない薬を使用します。1度の通院で処方できるお薬の量は薬事法という法律で決められていて、1年分というような大量処方はできない決まりになっています。なのでお薬がなくなる前に1月1回から3か月に1回くらいの頻度で通院することになります。定期的に検査もするため、必ずと言っていいほど病院に行きます。
 ここで市販薬の購入を控え、病院で処方してもらえるものは処方してもらいましょうに話が戻ります。

なぜ医療費控除をお勧めするかと言うと、シェーグレン症候群の場合は病院での医療費出費が避けられないからです。シェーグレン症候群以外の疾病でも 病院で処方を受けることが出来る薬は病院から受け取ることでまとめて「医療費控除」を申請できます。

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 あくまでもシェーグレン症候群患者の家族として暮らしている筆者が節税を考えて出した個人的お勧めなので、セルフメディケーション税制がわるいというものではありません。

指定難病医療費助成制度(難病手帳・医療受給者証)

 難病手帳(医療受給者証)とは、指定難病と診断され重症度・金額・期間による審査があり助成金額が決まっているものです。一定期間ごとに更新が有ります。これは難病法という法律で定められています。
 制度の詳細は難病情報センターHPをご覧ください。

 この制度は例えば自己負担割合が2割になったり、月の自己負担上限が5,000円になる場合など、患者それぞれの状態により医療費負担が軽くなります。

申請方法

 都道府県・指定都市に申請します。必要書類が何なのかは窓口によって少し違いますので問い合わせてください。窓口が分からない場合は市役所の保健課か、自治体保健所にいる保健師に相談してください。
 窓口で必要書類の説明を受け、難病指定医に診断書等を交付してもらってください。診断書等は依頼から受け取りまでおよそ1週間から3週間ほどかかります。当日は受け取れません。

申請のコツ

 医師に病状を詳しく伝える。自覚としてはシェーグレン症候群と関係ないかもしれないと思うことでも、自分自身の心や体の不調や困りごとを敏感に感じ取って、詳しく正確に伝えること。日々の変化を病状日誌のようにしたり、事前に伝えたいことをメモ書きしておくことで医師への伝達がスムーズで伝え忘れが防げます。自覚症状としてはとてもつらいのに、医師に軽症だと誤解されてしまうと治療が適切でなかったり、適切な助成が受けられません。

 医師が診断書の作成に協力的かどうか感じ取ってください。医師によって治療方針、病状判断などに個人差があります。話していて患者さんが納得できる感覚が大切です。信頼感を感じられる医師にみてもらって診断書を依頼することをお勧めします。

結びに

 お疲れ様でした。長い文章を読んでくださってありがとうございます。筆者自身、家族がシェーグレン症候群だと診断されて不安に思っていたときを思い返していま・これから困っている方のお役に立てたらと思いがあふれて、つい長い記事を作成してしまいました。

 シェーグレン症候群というまれな疾患で悩んでいるかたのお役に立てればと願っています。

 シェーグレン症候群は患者数も一般認知度もひくいため、相談相手や、わかってくれる話し相手がいないという孤独感をもつことはありませんか。なぜ私がとか、家族が居てもアナタには分からないでしょうと強く当たってしまうことはありませんか。お辛い気持ちをひとりで抱え込まないでください。

 患者同士のコミュニティに参加すると支え合ったり、情報共有などで安心感と居場所を感じられるかもしれません。筆者はコミュニティの作成者ではないのでこの記事でのご案内は控えます。患者の会などの検索ワードで患者同士のコミュケーションをするのもひとつの不安解消方法かと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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