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工藤直子(1935.11.2- ) 和田誠(1936.4.10-2019.10.7) 『密林一きれいなひょうの話(銀河社の創作絵本)』銀河社 1975.9  谷川俊太郎(1931.12.15- )和田誠『あな(こどものとも傑作集)』福音館書店 1983.3  谷川俊太郎・和田誠『とぶ こどものともセレクション』2006.1  谷川俊太郎・和田誠 『これはのみのぴこ』サンリード 1979  谷川俊太郎・和田誠 『ともだち』玉川大学出版部 2002.11

工藤直子(1935.11.2- )
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『密林一きれいなひょうの話(銀河社の創作絵本)』
銀河社 1975年9月刊
2015年2月28日読了

おはなし=工藤直子 え=和田誠
まんとひひが言います。
「けさ、たくさんのはんてんが、そらをとんでおった。
ひらひらひらひら…まるでちょうちょみたいだったよ。
あれが、きみのはんてんではないかしらん」

斑点をなくして悲しそうな顔をしている豹と
蝶をたくさん身体にとまらせてうれしそうにしている豹が可愛いです。

最後のページの蝶ネクタイをつけたまんとひひ、
斑点を毛布にしている蛙、
斑点をお腹にくっつけてポケットにしている鰐も可愛いなぁ。
https://www.hon034.com/items/58812290
で、ページ画像17枚を見られます。


https://ja.wikipedia.org/wiki/工藤直子
「1959年お茶の水女子大学文教育学部中国文学科卒業後、
博報堂のコピーライター第一号になる」

https://ja.wikipedia.org/wiki/和田誠
「1959年(昭和34年)に広告制作プロダクション
ライトパブリシテイにデザイナーとして入社」

お二人は同い年の同業者として知り合ったのかもしれませんね。
奥付ページに掲載されている三十代の頃の和田誠さんの写真が若いです。
https://www.hon034.com/items/58812290

2010年頃の和田誠さん(七十代半ば)が歌い踊るのを見てみたい方は
http://www.youtube.com/watch?v=cE8fTcumWy8
をぜひどうぞ。


『Illustration』2020年6月号
特集 和田誠[1936.4.10-2019.10.7]
玄光社 2020年4月17日発売
工藤直子(1935.11.2- )
「「ごまめ」と「ひょう」の話」p.53
「和田誠さんは親しい友人たちからよく「マコちゃん」と呼ばれていました。私はそんなに親しくなかったけれど、みんなのシッポにくっついて「マコちゃん」と呼んでいました。
和田さんと私は同年代で、二十歳後半の頃でした。
その頃私は、自家版詩集を作っていました。
「詩見せて」
「うん。でもなんで?」
「ピアノ買ったんだ」
「ピ、ピアノ?」
「作曲してみようかと思って」
(すごいや)
そして出来あがった本が『四人目の王様』(1965年刊)です。
奥付に「作曲・え・楽譜・デザイン=和田誠」とあります。
私は「ごまめ」という詩に曲をつけてもらいました。にこにこ。
 ごまめ/泣くな/はぎしりするな
 ごまめ/泣くな/ウロコにひびく
 ごまめ/泣くな/背びれをたてろ
 ごまめ/ごまめ/ちびすけごまめ……というウタです。
数年後、自家版詩集の中の
『密林一きれいなひょうの話』という童話を
絵本にしようという話を、出版社からもらいました。
「絵を描いてくれない?」
「なんで?」
「絵本の話、もらったので」
「うん。で、どんな物語?」
「ある日、豹の斑点が家出しちゃう話」
和田さんは、油絵で描いてくれました。
最後の頁で家出した豹の背中に、
斑点のかわりにたくさんの蝶々が
花のように止まっている姿があり、
何度も見てうっとりしました。1975年刊です。
『四人目の王様』には続きがあります。
2007年、和田さんは、『四人目の王様』からの抜粋と、
それ以後ご自分で作詞作曲したものをまとめてCDを制作。
そこに直子作詞の「ごまめ」の曲をいれるけど、
もうすこし長さが欲しい、というリクエストがあり、
二番、三番、サビ、の部分をつくりました。にこにこ。
CDの前口上と曲目ノートの「ごまめ」の項に
「武満徹[1930.10.8-1996.2.20]さんが
『この歌が好きだと、『ごまめ』を歌ってくださった」、
とあり、これも、とても、にこにこ、でした。」

『茨木のり子 「言の葉」のいのり 文藝別冊 増補新版』
河出書房新社 2022.5
工藤直子(1935.11.2- )
「のり子さんのり子さん」p.2-6

「1958年(昭和33年)、出たばかりの『見えない配達夫』、
茨木のり子さん[1926.6.12-2006.2.17]の第二詩集。
「怒るときと許すとき」の
油断すればぽたぽた垂れる涙を
水道栓のように きっちり締め
の詩句が気に入り、気がつくと私もぽたぽたぽたぽた涙を垂らしていた。」

「今年(2016年)は「茨木のり子」さんに会って半世紀。
のり子さんは会うたびに私の年齢を聞き、
必ず「若いわねぇ。いいわね」とおっしゃってたっけ。
「ずるいよ。じゃ私、いつまでも十歳年下で、いつまでも若いって言われるんスか?」と刃向かうと、きっぱり、こう言い返された
……若さでなく歳の差のほうが問題だというふうに。
「十歳じゃありませんっ。九歳の差です!」
七十九歳で亡くなられたのり子さん。
私は今年八十歳になりました。
いまなら言えますね。
「のり子さん、若いわねぇ」」

田中和雄(1935年東京都生まれ・童話屋創業者)
「低い濁声で歌った『愛の讃歌』 2016.5.30」p.20-28

「博報堂に入りますが、束縛がいやで五年で辞めたんです。島田満雄という博報堂で制作局長だったアートディレクターと二人で、童話屋をやろうと言ううことになった。」
「そのうち工藤直子さんが遊びに来た。博報堂の同期だったんですが、
非常に優秀な人で、当時から「天才ナオちゃん」と言われていた。
彼女はぼくより三年前に、束縛されるのが嫌で、フリーになって仕事をしていました。そしてその縁で茨木さんが来たんです。1979年です。」

和田 誠 (絵)
谷川 俊太郎 (詞)
高橋 睦郎 (詞)
『NHKみんなのうた絵本 1 誰も知らない / 4人目の王様』
童話屋 2006.6
https://www.amazon.co.jp/dp/4887470614



谷川俊太郎(1931.12.15- )
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『あな(こどものとも傑作集)』
福音館書店 1983年3月刊
2012年12月18日読了
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=2083
https://www.amazon.co.jp//dp/4834009211

https://www.amazon.co.jp//dp/4834009211

『こどものとも』1976年11月号単行本化

「にちようびの あさ。
なにも することがなかったので、
ひろしは あなを ほりはじめた。
おかあさんが きた。「なに やってるの?」
ひろしは こたえた。「あな ほってるのさ」
そうして あなを ほりつづけた。」

縦開き見開きの画面構成です。
上のページが地上で、
下のページが掘った穴の断面で、
本文が最下段に印刷されています。
ひろし・母・妹・友達・父、
登場人物の表情がみんないいなぁ。


谷川俊太郎 作・和田誠 画
『とぶ こどものともセレクション』
福音館書店 2006年1月刊
2014年10月21日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4834021645


『こどものとも』270号(1978年9月号)単行本化
月刊絵本「こどものとも」50周年記念出版

『あな』1976.11 に続く
谷川・和田コンビの「こどものとも」第二作。

「あるばん まことは ゆめをみた。
そらを とぶ ゆめだ。……
「すてき!」 あこちゃんは めをまるくした。
「どうやったら そらを とべるの?」 
「かんたんさ。そらを とぶ ゆめを みれば いいんだ」

最終ページは眠っている あこちゃんです。
私も空を飛ぶ夢をみたいなぁ。
https://www.hon034.com/items/58812250
で、ページ画像17枚を見られます。
和田誠さんの色遣いが何とも言えないほど素敵です。

この絵本が発表された頃、
私は映画雑誌『キネマ旬報』の
連載「お楽しみはこれからだ」で
和田誠さんのファンになっていましたけど、
絵本作家としては知りませんでした。


谷川俊太郎・和田誠
『これはのみのぴこ』
サンリード 1979年刊
2015年2月1日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4914985012


谷川俊太郎 作 和田誠 絵
「これは のみの ぴこの
 すんでいる ねこの  ごえもんの
 しっぽ ふんずけた あきらくんの
 まんが よんでる おかあさんが
 おだんごを かう おだんごやさんに
 おかねを かした ぎんこういんと
 ぴんぽんをする おすもうさんが
 あこがれている かしゅの
 おうむを ぬすんだ どろぼうに
 とまと ぶつけた やおやさんが
 せんきょで えらんだ しちょうの
 いれば つくった はいしゃさんの
 ほるんの せんせいの
 かおをひっかいた ねこの しゃるるの
 せなかに すんでいる のみの ぷち」
本文は以上です。

谷川・和田コンビの絵本を読むのはこれで五冊目。
詩人の言葉遊びと画家の愉快な絵が楽しめます。

ごえもんとしゃるる、
二匹の猫が可愛いなぁ。
お母さんが読んでいるマンガは
『マンガ少年』朝日ソノラマ 1976.9-1981.5
です。懐かしい!

ユーチューブに、
読み聞かせ動画が色々ありますから、
ページ画像は、
https://www.youtube.com/results?search_query=のみのぴこ
で、どうぞ。


谷川俊太郎・和田誠
『ともだち』
玉川大学出版部 2002年11月刊
2015年1月28日
https://www.amazon.co.jp/dp/4472402785

「「ともだちって かぜがうつっても へいきだっていってくれるひと」―谷川俊太郎の珠玉の詩と,和田誠のほのぼのとしたイラストによる,幼児~小学校低学年向き絵本。よい友は一生の宝であり,生きて行くうえで友だちがいかに大切かということを,やさしいことばと楽しい絵により,幼児にもわかりやすく語りかける。」

『玉川こども・きょういく百科』1979
谷川俊太郎 文 和田誠  絵

谷川・和田コンビの絵本は全部で何冊あるんだろう?
私はまだこの『ともだち』が四冊目です。

「ひとりでは とどかない せなかも ともだちが いれば かいてくれる。」
子供二人の表情がいいなぁ。

「すきなものが ちがっても ともだちは ともだち。」
プラモデルを組み立てている女の子と毛糸を編んでいる男の子の真剣な表情が好きです。

ユーチューブ読み聞かせ動画 三篇
ttps://www.youtube.com/results?search_query=谷川俊太郎%E3%80%80と

絵本ナビ 谷川俊太郎さんインタビュー
https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents_old.asp?id=166

読書メーター 谷川俊太郎の本棚(登録冊数18冊 刊行年順) https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091289

読書メーター 和田誠の本棚(登録冊数117冊 刊行年順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091203

https://note.com/fe1955/n/n2384a22b2150
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『ぬすまれた月 ポニーブックス 復刻版』岩崎書店 2017.10
『ぬすまれた月(レインボーえほん 3)』2006.10
谷川俊太郎(1931.12.15- )・和田誠
『しりとり』いそっぷ社 1997.6
『絵本作家のアトリエ 3 (福音館の単行本)』母の友編集部編 福音館書店 2014.4
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『男ごころ』新潮社 1989.7

https://note.com/fe1955/n/n139bc0726409
Martha Grimes (1931.5.2- )
マーサ・グライムズ『「禍いの荷を負う男」亭の殺人(文春文庫)』
山本俊子訳 和田誠装幀 文藝春秋 1985.3
『「化かされた古狐」亭の憂鬱(文春文庫)』青木久恵訳 1986.12
『「鎮痛磁気ネックレス」亭の明察(文春文庫)』吉野美恵子訳 1985.11
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『和田誠切抜帖』新書館 2007.10
『Illustration』2020年6月号 特集 和田誠


https://note.com/fe1955/n/ncbceea41d912
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『Black & White in Wadaland 和田誠モノクローム作品集』愛育社 2010.8
『Coloring in Wadaland 和田誠カラー作品集』愛育社 2011.5
『定本 和田誠 時間旅行』玄光社 2018.9

https://note.com/fe1955/n/n7b8889012dd0
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『Posters in Wadaland 和田誠ポスター集』愛育社 2012.9
『Record Covers in Wadaland 和田誠レコードジャケット集』アルテスパブリッシング 2014.2
『Book Covers in Wadaland 和田誠 装丁集』アルテスパブリッシング 2014.11

https://note.com/fe1955/n/nc4dbaafc05b1
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『シネマッド・ティーパーティ』講談社 1980.4
『シネマッド・カクテルパーティ』講談社 1991.11

https://note.com/fe1955/n/n7f7a01861383
山田宏一(1938.9.13- )
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『たかが映画じゃないか』文藝春秋 1978.12 文春文庫 1985.5
『ヒッチコックに進路を取れ』草思社 2009.8



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