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冬へと走り出そう

2023/11/11の珈琲日記

Post Coffeeのサブスクコーヒーが新しく届いていたけれど焙煎日からまだそんなに日が経っていなかったので、今日は堀口珈琲の2番、前回のPost Coffeeのタンザニア、自前焙煎のゲイシャ、締めに堀口珈琲のデカフェコスタリカを淹れた。最近は実験的に豆とお湯の比率を1:14.5にしてみていて、ずっと手本にしてきたサードウェーブな人たちの提唱する比率と比べるとちょっと濃いはずなのだけど、個人的にはちょうどよい比率なのでは?と思っている。常に常識を疑っていきたい。

夜には2週間ぶりの手網焙煎。先日届いた海ノ向こうコーヒーのコスタリカのジャガーハニー。ハニープロセスの生豆は初めてだったけれど、クセの少ない豆で前回のゲイシャと比べると非常に焙煎しやすかった。狙い通り10分手前くらいで1ハゼ、12分過ぎくらいに2ハゼの始まりで煎り止め。この前のゲイシャがハゼをコントロールしにくいのは、ナチュラルなので豆の個体に水分のばらつきがある、とかそういう感じなのだろうか?分からないことがまだまだたくさんある。

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今週も引き続く過重労働でほとんど身体全体がおしまいの状態。ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド。「世界の終わりが そこで見てるよと 紅茶飲み干して 君は静かに待つ」とチバユウスケは随分前に歌った。性急なビートにしゃがれた歌声を乗せて。そんな時にでも紅茶を飲むんだ、ダージリンかな、レディグレイかな、オシャレだなって高校生の僕は思っていた。その後パンも焼いちゃうし、世界の終わりって案外祝福されるものなのかもしれない、って思った。その頃の僕にとって、世界なんてまだ何も始まっていなかったけれど、その世界のスン、ってした空気感、諦念とも違うフラットな感じ、あれはなんだろうってずっと考えていました。未明の頃。

それはともかく、なんとか今の僕も週末を迎えることができました。まず家の用事の関係で平日と同じ時間に起きるという苦行。寝不足でフラフラしながら外に出ると、今日が冬の最初の一日なんですね、という寒さ。頭ん中でaztec cameraの"walk out to winter"を口ずさみました。

用事を済ませて、喉の調子がまだまだなので耳鼻咽喉科へ。先週はガラガラだったのに今日はどうした?というくらいの混雑で、あらためて冬の訪れを感じます。薬をもらっていったん帰宅、早めのお昼にカレーうどんを啜って、気を失うように仮眠を取ります。ぎゅっと濃縮されたオレンジジュースのような眠り。

13時には家の猫を連れて動物病院へ。7ヶ月を過ぎたので穏やかに大人の猫になってもらうための儀式こと、去勢手術を執り行いました。一旦帰宅してまた気を失って仮眠(睡眠不足の負債が果てしないな)、再び動物病院へ。摘出されたXXXXを先生に誇らしげに見せられて「ジーザス…」と心で唱えました。人間でよかった。その後、身体がバキバキ過ぎて朽ちてしまいそうだったので整体へ。状態が酷すぎでウケるねみたいなことを言われました。継続して通わねばまともな人間に戻れないかもしれません。その後本屋に寄って、お勧めされて最近ずっと気になっていた「違国日記」を買いました。生まれて初めていわゆる少女コミックコーナー?にある漫画を買った気がします。さはさりとてジャンルなんてどうでもよくて、この作品の孤独と孤独が遠慮がちに、でも確実に共鳴している感じが心に響いたのです。漫画を読む、という行為自体、久しぶりで乾いた砂漠に川が流れ始めたような心持ちになりました。

そういえば先日リリースされたBeatlesの赤盤青盤のミックスの出来がおもしろ過ぎて、既存の音源と行ったり来たりしながら聴いています。細かくて恐縮ですが、"here, there and everywhere"でベースラインがとても際立って聴こえることがなんだかすごく嬉しくて、ニコニコしながら電車に乗ってしまいました。何十年も前の音楽の息遣いがこんなにもリアルに聴こえるなんて、凄い。

帰りにセブンで、ヨセミテロードシリーズのスペシャル的位置付けのカベソーを買いました。先日、ひとつまた歳を重ねてしまったので、ささやかに自分と乾杯しました。これからの一年は、自分にとって結構変化の大きい一年になるのでは、と考えています。ワインとコーヒーの力を僕に。あ、そういえば、と前述の通りコスタリカの焙煎を最後に。明日は日曜出勤なので今日の休みのかけがえのなさに息が詰まりそうですが、とりあえず無事に手術を終えた猫を抱っこして、今日は心穏やかに終えたいと思います。

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