センター国語8割とれた方法論(古文・漢文編)だけど、半分は共通テストにも使えるのでは!?


古文対策

ここからセンター国語の後半部(古文・漢文)の対策に入ります。古文では、古文単語と古文文法(主に助動詞)、漢文は書き下し文、再読文字の練習が主でしょうが、これらをセンター試験本番に向けて一からやり直して残り3か月で過去問を最低10回以上解く時間が取れるでしょうか。

センター対策のみでさえ、国語以外の科目にほとんどの時間をとられていると思います。でも、古文・漢文両方で100点もあります。

どう対応しますか?

正攻法で得点出来る人たちは、勿論、多くいるでしょう。それが出来ないから困っている訳です。

〇○の古文、〇○の古文単語…等々。国文科志望者や二次の記述式古文を受験する人たちであれば、それらをしっかり学ぶ必要があると思います。

ですが、理系文系問わず、受験生の多くの人たちが、古文・漢文のみならずセンター国語の準備不足で得点出来ず、傾斜配点国語のウエイトが大きなマイナスになるのは毎年みられる傾向です。

現実として、時間のない(再)受験生が、いくら古文や漢文が苦手でも重箱の隅をつつくような文法を学ぶ時間も必要性もないのです。

少なくともセンター古文・漢文では必要最低限の約束事を知っていればよいのです。

では、あとはどうすればいいのか? 

先ずは、私大・センター試験の古文・漢文でも、現代文と同様、「物語文と論説文」の区別が重要です。

(3)センター試験の古文ですが、これから述べる内容は古文の専門家の方からは批判されるのを覚悟で書かせてもらいます。

どうしても正攻法のやり方ではセンター国語(特に古文)で得点出来ない、特に、理系の受験生がそれに泣かされるのをかつて見てきたので敢えて書かせてもらいます。

古文文法を学び古文単語を覚えようとしてもダメな人やその時間が取れない受験生の悩みは多く聞きます。

それを解消するのに、ここまで述べてきましたように、センター国語・英語に共通する概念ということに行き着いたのですが。

マーク系英語の小説・物語とセンター古文には共通する概念はあります。

国語の苦手な人にとっては、センター古文が一番やっかいで20/50点前後のケースが多いのではないでしょうか。

その原因は、単語の意味、文法ですか?

私は、古文文法は最低限の約束事だけ(係り結び等)と助動詞は主要なものに限定するしかないと思います。古文単語は覚えてもそれが本番センター古文に出る確率がどれだけあるのでしょうか?

「古文」の場合、数年に一度出る論説的古文(教訓・テーマを述べるパターン)は、漢文と同じ解き方をすればよいのですが、それが昨年2018センター古文に出題されました。

ですが、ほとんど例年物語系が多く、現代文ではないので苦手な人には本文の字面さえ分かりません。

またまた、では、どうするのか?

後述の漢文と同様に、「古文」もほぼ同じような解き方をしますが、「漢文」のように参考や前書きを読んでも古文の苦手な人は本文の意味はよく分かりません。

さらに「状況設定」、「登場人物」、「参考」と「各設問選択肢」を漢文のようにフルに活用しながら、大切なことは、英語のS+VかSVO(O)の関係、つまり、「誰が誰に何をしたのか」を把握することに集中します。

例年「古文」の場合、ほとんど和歌を介して、「誰(S)が誰(Oの1)と何(Oの2)をした(V)か」の各要素を聞いてきます。登場人物の身分の違いは、動詞や最低限の助動詞で分かります。

VとOは英文解釈のように設定と参考と各設問選択肢の和文を最大限利用して、設問部分に関する本文内容を推考していきます。

「古文」においても現代文のように設問間の相関関係(設問自体や設問の関連から正解が絞れていく)が必ずありますから、それも利用して下さい。

漢文において、「教訓(テーマ)」が大切なように、古文は「設定状況(場面)の内容」が、本文や各選択肢から漢文ほど最終設問が助けにはならないのですが、「2つの仮説」を立てることは出来ます。

あくまでセンター古文が出来ない人への助言ですが、その2つの仮説・前提(assumption)は、本文内容一致設問の選択肢を読むと2つの帰着点(結論)候補が想像できます。つまり、この話はプラスorマイナスどちらで終わる話なのかを想定しながら、登場人物4,5名の誰が誰に何をしたのかを考えていきます。

その際に、不可欠となるのが「~したか、しないか」を表す否定の助動詞。ある登場人物の立場が明確でない時、上下関係を知るための尊敬語と謙譲語が決定づけてくれます。最低限それらのことは学んで選択肢にウエイトを置いて読む・解く練習をしていくとセンター古文への抵抗感が減っていきます。


古文の2つの仮説法

「2つの仮説として考えて解いてみる練習」を繰り返していると解答の精度が少しずつ上げっていきます。

これも最後の方の設問に問われることが多いのですが、これまで現代文(小説物語)で述べてきたようにすぐに正解を一つに決め付けず、各選択肢から「すじ・流れ」が、2つの仮説のどちらなのかが少しずつ見えてくると思います。

そのいずれかの判断根拠を選択肢だけではなく、最終的に本文の一部に求めることで、必ずプラス・マイナスの帰着点は判断できます。


センター古文が苦手な人には、このことは過去問を解く時に意識に定着させてほしいので、古文部門だけでも制限時間を設定して、最初は古文単独で解く練習をする方がこの概念を試しやすいと思います。

あとは必ず出てくる和歌の内容把握です。この和歌の意味自体を問う設問も多いと思いますが、ここで古文単語の意味さえ分かればとなります。

ですが、二次英語対策でも述べますが、全ての単語意味が分かった上で和訳をするのではなく、和歌の意味も正解候補の選択肢や前後の分かり得る意味内容から推考する練習をして下さい。

その思考力は必ず単語の意味だけに頼らない英文解釈法にもつながります。和歌自体の肯定的or否定的内容も大切ですが、誰が誰に宛てた歌なのかは絶対に外さないようにして下さい。

そして、最終的に内容一致設問にも直結する判断根拠やその話の帰着点(ハッピーエンドのプラスor別れや死別などのマイナスを示すsybolicな表現(語句)が、多くの場合、後半の後半辺りに出てきます。

その象徴的語句と内容一致選択肢の照らし合わせの練習も本番では12~18点分につながるので自習レベルでは極めて大切な思考作業です。この点は現代文の小説物語と共通することはもう言わなくても理解できると思います。


漢文対策(50/50とれます)

(4)ここから「漢文」部門について述べます。センター漢文は、前書き、参考部分、また選択肢の中に正解に直結する大きなヒントが圧倒的に多くあるので、設問選択肢にかなり重心を置きながら本文を読んでいくことを勧めます。

本文を一通りまともに読んでしまってから設問を見るのでは到底時間は足りません。多分、本番で漢文に使える時間は、15分~18分程度です

英語や国語が苦手な受験生には、時間的プレッシャーはかなりのマイナス要因です。焦ると思考は上滑りしますから、正に悪循環です。マーク系不得意科目に対応するには、知識や思考力だけでなく、メンタル面の影響も考慮して下さい。

だからこそ古文同様、いきなり漢文の本文を読むのではなく、最初に書かれている場面設定説明と参考からフルに情報を入れます。

次に、まだ本文に行くのではなく、後半に出でくる内容一致の設問選択肢を中心に第1問文法や語句問題以外の設問を見ながら、本文と照らし合わせていくと各回の話(テーマ)はどんなものかがほぼ理解できます。

漢文では、教訓の書かれた論説的展開の出題が多いですから、現代文の論説と同じように「教訓(テーマ)」さえ取れれば半分は出来たことになります。そのテーマが内容一致問題の選択肢に書かれているのですから、大体のテーマは見当がつくはずです。

内容が物語風であってもそれは何か教訓(テーマ)めいたものを示唆する内容がほとんどですから解き方や問題に向かう方向性は同じです。

にもかかわらず、単に問1から解いていくことは、時間的にも論理的にも時間の大きなロスになります。あとは全分野共通の各設問選択肢同士の相関関係も含めて、設問によるエリアのロック・オン(正解根拠となる場所を推考して絞り込むこと)で正解精度は必ず上がります。

極端に言えば、漢文の本文自体を読むことよりも各設問選択肢の和文だけを読んで解いて行くというイメージをもちながら、ここでも各選択肢に対する〇×△や正解候補2つに不等号をつける稚拙なやり方は国語が苦手な人はフルに使ってください。

かつて、遠距離であまり直接指導が出来ず英語だけを指導した国立医学部志望の現役生がいました。夏休みに直接英語指導した後に、立ち話程度に前述の漢文取り組み方を伝えただけで、それ以後、センター模試で漢文はほとんど45or50/50点になりました。本番前期はダメでしたが、センター試験文系得点率が功を奏して後期試験で国立大医学部に現役合格しました。

結局、センター試験の根底にあるものは、提示する事象や誘導する思考方向から受験生がそれらを関連づけ、大問1つの中でさえ小さな体系化をさせたいのではないかと思います。ですから、私は「推考する思考力」が、センター試験の国語においても最重要だと声を大にして繰り返し伝えたいのです。

この取り組み方が成功する根拠

私が過去25年分のセンター本試験と追試験を解いて考え出した国語の共通概念や具体的方法論を私の塾の生徒たちに指導しましたら、それ以降はセンター国語で泣く生徒はいなくなりましたし、国立大学合格率は90%以上です。

「概念のないところにいくら知識入れても定着しない」、「一方向ではない縦の思考と横の思考による体系化が求められている」。

そういう考え方があることを伝えると、私の塾以外の学校で指導した際でも、高3の9月時点で英語・国語が高2レベルしかなかった6人の生徒たちが、半年で京大・九大に現役合格、一人は国立後期で医学部に合格してそれを辞退して翌年九大医学部に行きました。

たった週1回各2時間の指導でそこまで行ったこともこの概念や方法論が間違っていない裏付けになると思っています。

最後に卒業生の話を書いてこのセンター国語対策編を終えたいと思います。かつて、現役で国立大・物理学科に進んだ生徒がいました。卒業後にSE(システムエンジニア)として数年働きましたが、 この仕事をいつまで続けられるだろうか? と考えたそうです。結局、彼女は、会社を辞めて一年間自分で勉強して国公立大の看護学部に再入学しました。その後、看護師、助産師、保健師の国家試験に同時合格して、今は、助産師として忙しいけど充実した日々を送っています。

彼女が再受験するまで、私とは一度も会っていません。ですが、その間、彼女は現役時を振り返りながら自分自身の頭で色々な普遍的概念を思い出し考えたからこそ(決して主観を入れて問題設問を読まない)、各分野の体系化が出来たのだと思います。

彼女が振り返って言うには、「何故、現役の時、特に、センター国語でそれが出来なかったのか? センター試験再受験時では国語が一番出来たのに!」だそうです。



※全身痛再発7年目で外部の学校には指導に行けませんので、サポートは本当に有り難いです。投稿内容にご納得の上、何らかの形で英語指導の機会を与えて頂ければ幸いです。よろしくお願いします。 HP⇒https://feedback01.webnode.jp/ 福岡県 北九州市 小倉南区