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産後の腱鞘炎は手首のケアだけでは不十分

こんにちは!ライターの徳嶋です✦ฺ
今日もお読みくださりありがとうございます♡

生後約2週間の次女とのんびり過ごしながら
ちょこちょこnoteを書き進めています。


なんていうのは理想で・・

現実は、
連日の夜勤(夜間授乳)で眠い目を擦りながら
「やっべー明日までに書かなきゃ」と
マミーブレインでボケボケの頭をフル回転させて
このnoteを書いております!笑



さて今日は!

産後のママに多い腱鞘炎について。

今は育休中ですが、
わたしは普段整形外科クリニックで
産前産後のママのリハビリを担当しています。

クリニックで勤務されている方は
知っているとはご存知だと思いますが、
腱鞘炎で受診されるママって本当に多いんです。


産後のママに多いのは
「ドケルバン症候群」という腱鞘炎で
治療の第一選択は「安静」です。

そのため、以前勤務していたクリニックでは
腱鞘炎ママに対してリハビリテーション介入を
行うことはほぼなかったのですが

いま勤務しているクリニックでは
生活指導含め介入させていただいています。


今日は、そんなわたしが
腱鞘炎のママのリハビリを行う上で重要視している
肩甲帯・体幹の機能についてお話ししていきます✦ฺ


産前産後のママに多いドケルバン症候群

ドケルバン症候群とは

短母指伸筋腱と長母指外転筋が、手首の背側にある手背第一コンパートメントを
通るところに生じる腱鞘炎

母指の使いすぎで腱に負担がかかり炎症することで起こる。

治療として、


産前産後に腱鞘炎が多い理由

理由は2つあります。

1つ目は女性ホルモンの変化。

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分娩後、エストロゲンの分泌が急激に減少します。

エストロゲンは、
筋肉や腱などの関節支持組織にも分布しており、
それらの柔軟性を維持する働き
をするとされています。

エストロゲンが減少している産後に、
赤ちゃんの抱っこなどで手首を多く使用することで
負担が蓄積し、腱鞘炎になりやすいと考えられます。


2つ目は育児動作による過負荷。

赤ちゃんの1日の抱っこ時間は約3時間、
授乳はトータル約160分というデータがあります。

首が座るまでの赤ちゃんは
抱っこでも授乳でも頭を支えてあげる必要があるので
手首へ負担が蓄積し腱鞘炎になりやすいと考えられます。


手首に負担をかけない動作指導

腱鞘炎の治療の第一選択は「局所安静」です。
しかし、産後のママは特に安静なんてしていられず
24時間休みのない育児が待っています・・・

もし育児を変わってくれる人がそばにいるのであれば
演奏が落ち着くまでは頼った方がいいのですが、
お話をお聞きするとなかなか頼れる人が近くには
いないというママが多いのが現実です。。


そういうママには動作指導を重点的に介入します。

・手関節尺屈、母指内転を避ける
・授乳時の姿勢
・抱っこのバリエーション
・抱き上げ方
・スマホの操作方法
・家事の際の手首の使い方

この辺りをしっかりと。
実際の方法はコチラの記事からどうぞ!

↓ ↓ ↓


評価、アプローチ

上に載せた記事でもご紹介していますが、

わたしは腱鞘炎ママのリハビリ介入時には、
評価として

・その他の部位の疼痛の有無
・肩甲骨のmobility、stability
・胸腰椎の可動性
・呼吸状態(肋骨の可動性)
・体幹筋力

この辺りを見ていきます。

手首の腱鞘炎があるママは、

・肩甲骨のstability、mobilityの低下
・胸腰椎の可動性低下
・体幹の支持性低下

となっている方が多く、
ここに対してアプローチをしていきます。


産後に多い不良姿勢と手首への負担

産後は、妊娠時に伸長されていた腹筋群の
筋力が十分に回復しておらず、
体幹の支持性が低下しやすいです。

このため、体幹の抗重力伸展が保てず
骨盤後傾
胸腰椎屈曲
肩甲骨外転
フォワードヘッド

といった姿勢を取りやすくなります。

また、抱っこ、授乳、オムツ替えなどの
赤ちゃんのお世話で体幹の前屈姿勢を
取りやすいことも不良姿勢につながります。


この不良姿勢は、肩甲帯のstabilityを低下させ
動作時の手首の負担を増大させてしまいます。



そのためアプローチとして

・肩甲骨のstability、mobilityを高める
・骨盤を立て、胸腰椎の可動性を高める
・インナーユニットの機能を高める

を目的に運動療法をおこなっていきます。



肩甲骨のstability、mobilityを高める

わたしは徒手療法+運動療法で介入します。

肩甲骨自体の動かし方が分からなかったり、
自動運動の可動範囲が小さすぎたりする方が
多いので、誘導しながら一緒に動かしていきます。

産後のママはガッチガチの方が本当に多い・・


骨盤を立て、胸腰椎の可動性を高める

運動療法で胸腰椎の伸展・回旋を行います。

育児動作は体幹前屈させる動きが多く、
妊娠中から回旋や伸展の動きが制限されやすいので
この運動はホームエクササイズとしても
積極的に取り入れてもらいます。

また、骨盤を立てる動きは特に重要視しています。

骨盤が後傾していると、
脊椎の屈曲、肩甲骨外転となりやすく
肩甲帯のstability低下に陥ってしまいます。

骨盤を起こす際に、過度な腰椎前弯が出たり
そもそも骨盤を中間位に保つことが出来ない
ママはとても多いのです。

なので、徒手で誘導しながら
繰り返し運動学習をおこなっていきます。


インナーユニットの機能を高める

方法としては様々ありますが私はシンプルに
呼吸と腹横筋、骨盤底筋群の働きを促していきます

背臥位 膝立て位で腹式呼吸を用いながら
腹横筋・骨盤底筋群の収縮を促します。

・呼気時に骨盤底を下に押し出すような力の入り方になっていないか
・下腹部が膨隆するような力の入り方になっていないか
・腰部や下肢、頸部などに力が入りすぎていないか

 

という部分を確認していきます。
こうなっているとインナーユニットが
上手に使用できていません。

背臥位で腹横筋や骨盤底筋群の収縮の理解・内省が
行えたら端座位→立位へと移っていきます。

各姿勢で収縮感覚が掴めたら、
・上肢のリーチ運動
・骨盤ー股関節を連動させた運動
・体幹の回旋運動
などに移行していきます。


といっても、
基本的に1単位での介入なので
アプローチに多くの時間を割くことは難しいです。

また産後のママは続けて介入していくことが
難しい方も多いので、自宅でできる運動指導と
育児動作指導がメインとなることも多いです。




整形外科クリニックでは、
疼痛が出現した後のリハビリテーション介入を
行うことがほとんどです。

しかし、産後早期から、妊娠中から、
自分の体を守る方法を知っていれば
防ぐことのできる疼痛も多い
です。


絶対に全員が産後のリハビリテーションを
受けた方がいいのか??というとわかりませんが
(全員が受けられるのが理想的だとは思うけど)

「自分の体を守る方法」
伝えていける場があればいいのにな。と
自分自身の出産を機に改めて感じました。


今日もここまでお読みいただきありがとうございました!
ご質問などありましたら各SNSからお願いします♡
また、この記事をいいなと思ってくださった方は
『スキ』を押していただけるととっても嬉しいです!
よろしくお願いします❤︎

ではまた来週お会いしましょう♡ʾʾ
ライター:徳嶋美希

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理学療法士。整形外科クリニックで産前産後のママのリハビリをしています!体は硬いし運動は苦手な私だからこそ「本当に必要な運動を必要なだけ」お届けしていきます。「すべての女性が産後のからだケアを受けられる世の中に」をスローガンに掲げ正しい情報でママの体を守るために活動しています。YouTube10万回再生超。妊娠出産で変化した体を守り正しく整える方法をお伝えします!

わたしについてさらに詳しく知りたい方は
こちらにまとめています。


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