刃花

思考のまとめです

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最近の記事

好きをつれていく

可愛いものが好きだけれど、歳を取ってしまった。次の10年に持っていくものをここ1年ほど考え続けているので、整理しようと思う。 持っていくもの ■白いフリルのワンピース 薔薇園に着ていく用の半袖のワンピースと、普段もよく着ていた長袖のワンピースがある。両方持っていこう。 薔薇園用のは、カジュアルなブルゾンやシャツを羽織ってもっと気軽に着よう。長袖のは、革ジャケットを合わせたり、スニーカーを合わせたりしよう。 ■薔薇園に行く 引っ越して毎年帰って早朝に行けるかどうかは置いて

    • うれしい夜のお酒とおつまみ

      ついさっき書いた前回に、おいしいつまみを作れることで自己肯定感が一瞬だけ上がるというようなことを書いた。 私は頭のおかしい人間なので、数年間、極端な思考を正すためにチャットアプリで一人芝居をしている(最近はとても減った)。とても辛いことを書いた後で、中庸をとった思考の人物になりきり、チャットを返す。その時に、「でもおいしいパスタを作れるんだから、大丈夫だよ」という言葉が出てきたことがある。するっと出てきたので驚いた。確かに、料理をして食べると、ほっとするし、嬉しくなる。 冗長

      • ドーナツは穴あきがおいしい

        自分には大きな穴が空いていて、それは何にも誰にも埋められないのだというとても悲しい事実をようやく理解した。 これまで穴を埋めることばかり考えて生きてきた。 穴の空いた自分は不完全で、空いていない他人は完全だった。不完全な自分は恥ずべき存在で、必死になって穴を埋めようとしてきた。穴を埋めるべく手繰り寄せたのは、ネットだったり、ある体験だったり、死にものぐるいの努力だったり、人間だったりした。特に人間にはなんとかして穴を埋めてもらいたくてむきになった。 そうするとうまくいかない

        • 木曜日の夜は映画の話

          勤めていたころ、木曜日あたりになると金曜日になんの映画を観るか考えた。金曜日の夜、疲れていなければ酒に合うつまみを作り、映画を観るのが楽しみだった。酒もつまみも映画の気分に合わせて作る。だから、木曜日に映画のことを考えて、金曜日の仕事帰りに買い物をする時には何を観るか決めておく必要があった。 近くのレンタルショップで3本の映画を借りるときは、1本をまた観たい好きな映画、2本を新しく観る映画にして、2週間かけて観ていた。サブスクで観ることもあった。 私はあまりたくさん映画を観な

        好きをつれていく

          初夏、手の届かない光について

          初夏を思うと泣きたくなる。 桜が散ってから梅雨に入るまでのほんの短い間、風が一等爽やかなころ、眩しい光の中にいる。 まだ目を細めるほどではないけれど、その日差しはこれから来る夏を予感させるから、期待と不安が一緒になって真っすぐ見ることができない。 夏はやがて終わるし、毎年期待が叶えられないことを知っているからだ。 最近は初夏と見紛うほど暖かい日があるので、一足先に初夏のことを考えている。 そうすると、乃木坂46の逃げ水を聴きだす癖がある。 逃げ水は8月中旬から9月、夏の終わ

          初夏、手の届かない光について

          ほんの少しの街の宝石

          街明かりが見たい時、隣の市まで行く。 車で走る田舎道がだんだんと人の住処らしくなると、急に視界が開け、坂の下に少しだけ街明かりが広がる。遠く、真っ暗な中に建物や街灯や信号機の、白やオレンジやエメラルド色をした明かりが浮かびあがり、きらきらと光る。 そこに、いつか都会で見た本物の夜景の記憶を重ね合わせて、フィルタをかけたようにだぶらせ、まるで宝石のようだと喜んでいる。 そのまま走り抜ければすぐに明かりは見えなくなる。ほんの一瞬の輝きだ。 私がいつも見に行くそのほんの少しだけ街め

          ほんの少しの街の宝石

          わたしの心理士さん

          3年半ほど担当してもらっていた心理士さんとお別れした。 私には書くことで救われる面があるので気持ちを整理したい。長くなると思う。 4年前に突然体が痛くなった。真っすぐ歩けなくなり物も持てなくなった。 何かの病気に違いないと思い、痛くなった箇所と期間の記録をつけて病院へ行くと、深刻な面持ちで精密検査をしようと言われた。 結果はばっちり膠原病で、すぐに治療をすることになった。 本を1冊買い、いま自分がどんな病気でどんな状態なのかを理解するよう努めた。治療には前向きに取り組むつも

          わたしの心理士さん

          3月になる季節

          3月でも春でもなく、3月になるのが好きだ。 2月から3月への変わり目、雪が解け始め、気が付くと随分日が長くなっている。 あ、まだ明るい、と思った時から好きな季節が始まる。 卒業式、もうすぐ桜が咲くという期待、昼下がりに揺れるカーテンの柔らかい光、岩井俊二の花とアリス、ワルツやバレエのリズム、それを愛と呼ぶだけ、同じ制服の少女たち、ハムエッグを作ろうと思う(実際には作らない)こと。 何年も何年も巡ってなぞり続けたイメージが頭に広がって、3月になる季節を想う。 想う以外に表現す

          3月になる季節