FFJE article22 フランスの結婚事情

こんにちは!皆さんお元気でしょうか??
FFJE20期の佐藤美乃梨です。
だんだんと寒くなってきました🍂今年は家でゆっくり過ごす冬になりそうです😊

今回は、、、フランスの結婚についてお話ししたいと思います!
フランスの結婚といえば、先進国でも先駆けて同性婚が認められたことでも有名ですね。
’結婚’の考え方は国によっても様々ですが、フランスと日本ではどのような違いがあるのでしょうか?日常生活の中でも国の価値観や文化が現れていて、私はこのような比較をするのが好きです😊
では早速みていきたいと思います!

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1.フランス版のパートナーシップ制度「PACS」って何?
2.PACSのメリット、デメリットは?
3.実際にPACSをとるには?
4.最後に
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1.フランス版のパートナーシップ制度「PACS」って何?

画像1


(SPURKNESS, ’The civil union ("PACS"): an alternative to marriage',2018/8/2
https://www.bcee.lu/en/blog/sophie-and-marcs-adventures/the-civil-union-pacs-an-alternative-to-marriage/の画像から引用)

PACS(pacte civil de solidarité)は、日本語で訳すと、「民事連帯契約」...つまり、二人の成人が共同生活を送るために結ぶ契約のこと。この制度の大きな特徴は
①異性でも同性でも結ぶことができること
②同棲以上、結婚未満の関係
であることです!

②については、結婚のように苗字は変える必要はないけれど、共同生活をする義務や、相互扶助をする義務は発生する、ということらしいです。

利用する人も年をたつにつれて増加しています。2018年には結婚が全体の53パーセント、パックスが47パーセントと、ほぼ同じくらいの割合になっています。

2.PACSのメリット、デメリットは?


この制度、何がすごいって、同性同士でも結ばれる、ということ!
最近では同性婚が認められてきましたが、PACSが成立した1999年当時は画期的でした。
もっともPACSはLGBTのカップルに向けて考案された制度ですが、現在では異性愛のカップルも広く利用しているとのことです。

メリットはたくさんあります。
例えば...
税金・社会保障などの権利が保障されている
結婚より緩い関係でも、公的に結婚と同等な扱い
簡単にパートナー関係を終わらせられる事(通常よりも時間もお金もかかりません)

などなど。

でもこのPACS、課題も。

当事者二人のみの契約となるので、子どもは非嫡出扱いとなってしまうのです。
それにしたがって、親子関係も複雑になります。例えば、同性カップルの場合は人工授精による出産や養子縁組が認められなかったり、親権はどちらかにしか与えられなかったりします。


3.実際にPACSをとるには?


フランス人だけではなく、日本人も取得することができます。

まず、必要なものは

PACS契約書 
PACS申請書兼誓約書(血縁関係になく婚姻もしていないという誓約と共同生活誓約)
3か月以内の戸籍謄本(または抄本)
有効期限内の身分証明書(IDカードやパスポート)原本とコピー

です。
これを持って、市役所に行って契約書をサインするだけ。
結構大変...?と思われるかもしれませんが、結婚よりはずっと簡便な仕組みです。
公証人に依頼 することもできます(ただし、400€ほどかかります)


4.最後に


 一人一人が違うように、愛の形や結婚の形が違う。それは、フランスの建国時のスローガンでもあった、「自由、平等、博愛」にも通じることかもしれませんね。
さらに興味を持った方は、ぜひ日本のパートナーシップ制度、オランダの登録パートナー制度、スウェーデンのsambo法などとの違いも調べてみてくださいね!


*おまけ*


何度かお知らせしていますが、FFJEでは来年度から一緒に活動してくれる新メンバーを募集します🙋‍♀️
それに先立ち、説明会をzoomにて開催します。
FFJEってどんなことをするの?どんな人が団体にいるの?など団体について、プログラムの紹介、そして最後には参加者同士の交流会もいたします。

日程は
①11/20(金)19:30-20:30
②11/28(土)11:00-12:00
で、両日とも同じ内容です。

少しでも興味がありましたら、奮ってご参加ください!
詳細情報や申し込みフォームは団体のinstagramとFacebookに掲載していますので、是非チェックしてみてくださいね!
皆さんにお会いできるのを楽しみにしております。

それではまた来週!


参考文献
SPURKNESS, ’The civil union ("PACS"): an alternative to marriage',2018/8/2
https://www.bcee.lu/en/blog/sophie-and-marcs-adventures/the-civil-union-pacs-an-alternative-to-marriage/
ハフポスト 日本版、『「男性が産休を取る」フランスでは当たり前だった。仕事は大丈夫?利用者に聞いてみた』、2017年3月12日、https://www.huffingtonpost.jp/2017/02/28/france-parental-leave-1_n_15057740.html
ハフポスト 日本版、『「法律で認められてどう変わった?」フランスで初めて同性婚した男性に聞いた』2017年5月14日、https://www.huffingtonpost.jp/2017/05/14/france-same-sex-marriage_n_16614422.html
在仏女子コミュニティ、「これでPACS(パックス)まるわかり!結婚との違いは?」、2015年5月20日、https://franpon.com/love/1505202
FRANCE365, 「フランスで事実婚制度”パックス(PACS)”が結婚を上回るか」2020年2月12日、https://info.ensemblefr.com/news-522.html