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Fieldism必聴新曲リスト 2024 1/12~1/16

↓前回の新曲特集はこちらから

 いつもお世話になっております、Ryotaです。

 先日公開したT.M. Music主催のオーディションショーに関する特集記事を公開しましたが、公開から2日で400以上のアクセスをいただいております。ありがとうございます。大阪で言えば、心斎橋サンホールが埋まるくらいの人に読んでいただいているということになりますね。

 各バンド皆ますますやる気になっているようですので、当日オーディション行く人もいかない人も知らない・聞いたことがないバンドがいたらマジでチェックしておいてほしいです。この中から世界の強豪と渡り合えるバンドが出てくるかもしれないので古参ぶるなら今がチャンスです。

次のライブ特集もすでに内容は決めていて、個人的に大阪のお客さんにチェックしてほしいバンドを取り上げようと思います。機会を見てシリーズ化しようかな。


リストアップの条件ですが、下記2点です。
※今年からスタイルを変え、週刊に変更しました。
1. 1/12~1/16にフィジカル/ストリーミング/DL販売/MVのいずれかが解禁された作品(基本的により多くの人にアクセスできる手段を優先します)。
2. フルアルバム or EPのリリース時期がある程度明確にアナウンスされている作品の先行シングル、および既存楽曲のリマスターやカバー等は選出対象外。ただしアルバムのデラックス盤のみetc.に収録予定の楽曲は選出対象。

Casey - How to Disappear

アルバム (1/12)

 イギリス・サウスウェールズ発のポストハードコア・メロディックハードコアバンドバンドの最新フルアルバム。疾走感溢れるメロディックハードコアサウンドをベースに、哀愁を感じさせる繊細でエモーショナルなメロディを生かしたサウンドが特徴のバンド。2022年の暮れに再結成し、直後にシングル ''Great Grief/Atone'' をリリース。リスナーの感情を大きく揺さぶるメロディを活かしたサウンドは踏襲しながらも、より音像やレイヤーの取り入れ方がブラッシュアップされ、成熟した印象を受けました。

 アルバムは2018年リリースは ''Where I Go When I Am Sleeping'' 以来実に約6年ぶりとなる今作 ''How to Disappear'' は中途半端にトレンドを追ったりとか変な小細工は一切使わず、ただ自分達のやってきた音楽にひたすら真摯に向き合った姿勢が伺えます。ハードコアのアグレッションは若干薄れたものの、表現力豊かなリードパートとアンビエント要素はさらに成熟しどこかほの暗さの中に不思議な心地よさを覚えます。ただ、激情的な要素が無くなったわけではなく、Tr.3 ''Sanctimonius'' や Tr.6 ''Bite Through My Tongue'' なおどで時折現れるそれがよりメロディアスな一面を引き立てています。Tr.2 ''I Was Happy When You Died'' は名曲。


If I Were You - Wither // Without

アルバム (1/12)

 アメリカ・ニューヨーク州ホープウェルを拠点に活動しているポストハードコアバンドの最新アルバム。Dr/Vo.のRandy PasquarellaのハイトーンクリーンとVo. Kyle Strangの渾身のシャウトを交差させたコントラスト、そして随所に盛り込まれるドラマ性を引き上げるエレクトロ/シンセアレンジを取り入れた、2010年代直系の正統派アグレッシブかつメタリックなポストハードコアサウンドはインディペンデントながら日本でも高い人気を誇っており、音源がリリースするたびに周囲が歓喜するのをTLで把握しています。

 アルバムとしては通算6枚目となる今作 ''Wither // Without'' は上述したサウンドはこれまでと同じくぶれることなく一貫しており、楽曲によって雰囲気を巧みに変えている印象があります。リードトラックになるであろうTr.2 ''Wither'' は全体的に不穏でホラーな空気感を演出するアレンジが、Tr.5 ''Misery'' ではPolarisの''All In Vain''を彷彿とさせるサイバー調のエレクトロアレンジと、散漫にならないギリギリのラインでドラマティックな展開に幅を持たせているのは好印象です。


Catalysts - Sight

シングル (1/12)

 東京を拠点に活動しているメロディックハードコアバンドの最新シングル。2019年始動ながらもデビューEP ''Caution'' のリリース以来環境の変化やメンバーの脱退などもあって活動ペースが活発ではない印象がありますが、昨年から徐々にペースを戻しつつあり2月には大阪の盟友OLPHEUSとスプリットEPのリリース & 共同企画を控えています。デビューした時からクオリティの高い楽曲とポエトリー・シャウト・クリーンを駆使して喜怒哀楽を表現するVo. みよすのボーカルワークには目を見張るものがありますが、今回もそれをフルに発揮した曲をドロップしてきました。

 結成から5年の節目にリリースされた''Sight'' はCatalysts初ライブの時から一貫してセットリストに入っており、バンドメンバーにとっても「初めて作った大切な曲」と語られています。3拍子のイントロ、疾走パート、タイトなブレイクダウンを交えながら展開していく楽曲もイケてますが、その中でもみよすのボーカルワークとリリックが刺さりすぎます。個人的にポエトリーの後半(3:48~)のくだりは筆者が過ごしている日常のそれに当てはまりすぎて情けない気持ちになりました。


The Plot In You - Vol.1

EP (1/12)

 アメリカ・オハイオ州を拠点に活動するメタルコア/オルタナティブロックバンドのEP。現在のレーベルFearless Recordsに移籍してから ''Dispose'' ~ ''Swan Song'' とオルタナティブ要素やVo. Landon Tewersのクリーンを活かした退廃的ながらもどこか美しささえ感じる方向性を推し進めていましたが、今回紹介する作品にも収録されている ''Divide'' ではダウンチューニングのリフワークを取り入れ過去の作風への回帰も見せながら、現行の路線とのバランスをうまくとっている印象で個人的にはハマりました。

 (筆者はインド出張で行くことはできませんでしたが)昨年来日を果たしたことが記憶に新しいTPIYがドロップした最新EP ''Vol.1'' は、先行でリリースされた ''Divide'' の後に公開された Tr.2 ''Left Behind'' と Tr.3 ''Forgotten'' を収録。Tr.2 ''Left Behind'' はLandonが聴いて育った懐かしいバンド/アーティストからインスピレーションを受けた決別の歌、''Forgotten'' は ''Divide'' 以上に怒りとヘイトに満ち溢れたアグレッシブな曲調でブレイクダウンは一種のカタルシスさえ感じます。筆者は初期の作風から入ったので歓喜です。



Fit For A King - Keeping Secrets

シングル (1/12)

  アメリカ・テキサス州タイラーを拠点に活動しているクリスチャンメタルコアバンドの最新シングル。中期までのブルータルかつテクニカルなメタルコアサウンドに叙情的なメロディをフィーチャーしたサウンドで筆者もマーチを輸入していたほどハマっていたのは今でもいい思い出ですが、近年の作品ではPhinehasのDaniel Gaileyが加入したことでより王道を往く熱いメロディックメタルコア路線にも軸足を伸ばしていると同時に、クリーンパートの比重が増えたことでよりメロディを活かした楽曲が増えている印象です。

 前作 ''The Hell We Create'' 以来の新作となる ''Keeping Secrets'' は、Vo. Ryan Kirbyの養子の経験からインスピレーションを得た楽曲であり、これまでの路線を踏襲した強靭なメタルコアサウンドにエモーショナルなクリーンパートを活かした曲であることは変わりませんが、最大の特徴はこれまで以上にエレクトロサウンドを始めとしたオルタナ要素の導入。今までの作品も全くシンセアレンジがなかったわけではありませんが、ここまで大胆に新しい要素を入れたのは驚きました。



Rough Justice - Faith In Vein

シングル (1/12)

 イギリス・シェフィールドのメタリックハードコアバンドの最新アルバム。シェフィールドのメタリックハードコアと言えば、前回の特集でも自主レーベルがあることで言及したMalevolenceですが、そのバンドのギタリストであるJosh Bainesは今回紹介するRough Justiceの創設メンバー。2012年にEP ''Mind's Eye'' がリリースされていたほど歴史は古く、シェフィールドでは伝説的な存在として見られていたようですが、大々的にプロモーションされていなかったのかUKのハードコアシーン以外ではあまり知られている存在ではなかった様子です。

 前回のDesolatedと同じくMLVLTDからリリースされた待望のデビューアルバム ''Faith in Vain'' は、Joshが作曲に携わっているからなのか同郷のMalevolenceを彷彿とさせる分厚くモッシーなグルーヴ・容赦なく切り刻まれるメタリックなリフワーク・畳みかけるようなスピード感とノリのいいミドルテンポを切り替えて展開していく楽曲が持ち味。ビートダウンパートでは容易にモッシャーが狂喜乱舞するのが想像できます。2月にはMalevolence & 昨年来日したPain Of TruthとのUKツアーに帯同する予定です。



ReVERSE BOYZ - LFG!

シングル (1/12)

 大阪ハードコアクルー ''West Side Unity'' 所属、''Freestyle Hardcore'' を標榜するNeoninja集団の最新シングル。昨年は前名義含めて始動から5年が経ち、憧れだったSUMMER BASH FEST & CKS Promotions主催のROTTING NOISE TOKYO 2023に出演を果たしバンドとしても活躍の幅を広げた1年となりました。先日も再始動したuniverse last a wardなどをゲストに加えた自主企画 ''Babylon Killer Night Ver 2.0'' が満員御礼で終わったことも記憶に新しいですが、Combust,Judiciaryを始め今年も海外アクトとの共演も予定されており話題に暇がない様子。

 先述の ''Babylon Killer Night Ver2.0'' の直前にリリースされた新曲 ''LFG!''は、ReVERSE BOYZの鉄板フォーマットともいえる「ビートダウンハードコアをベースに、Vo. Young Dioのラップ+ミクスチャー/ラウドロック/メタルコアはじめ多種多様な要素をぶち込んだ」フリーダムなスタイルは今回も健在。海外アクトからも定評があるとメンバーはコメントしていましたが、90~00'sの日本のポップカルチャー/サブカルチャーを取り入れた雑多な空気感は「日本だからこそ生まれるハードコア」を体現しているからこそだと考察します。

DIVIBE - BRAND NEWNESS

アルバム (1/13)

 大阪を拠点に活動しているエモ/ポップパンク/オルタナティブバンドの最新アルバム。始動時期は2019年らしいのですが、ここに至るまでメンバーの脱退やコロナ禍による活動の制約が大きくなかなか思うように活動ができていなかったようですが、最近の楽曲がXのタイムラインに流れてきて「ParamoreTonight Aliveのような2010年代のポップパンクを彷彿とさせる音楽」に興味を持ちました。確かに最近の国内ポップパンクシーンは盛り上がってますが、女性Vo.は少ない印象です(大阪にはLauncher No.8がいますが)。

 そんな2010年代のポップパンクをルーツに持つDIVIBEがリリースしたデビューアルバム ''BRAND NEWNESS'' は、かつて大阪に存在したYOUR LAST DIARYを彷彿とさせる空気感やVo. LISAの力強いボーカルワークはどこか懐かしいエモ/ポップパンクはまさにバンドがウリにしているそれで、過去作もチェックしましたがTr.1 ''ONE MORE DAY'' のMV見ればわかる通りそれまでのダークな雰囲気から路線転換したのがわかります。個人的にはLIKE A KIDHate This Townあたりと共演したら面白そうです。


Ameonna - Goddess Wept

EP (1/14)

 かつてChelsea Grinで活躍していたVo. Alex KoelherとGt. Jacob Hammond, そしてCGには在籍しているものの活動休止中のDr. Pablo Viverosによる新しいデスコアバンドのデビューEP。今Tom Barberがフロントマンを務めている現体制CGもカッコいいのは間違いないんですが、そこに至るまでにはこのプロジェクトのメンバーによる試行錯誤があり、筆者が一番好きだったJason Richardson在籍時のメロディックなリードパートを前面に押し出していた時期も含めバンドの音楽性の確立に貢献したのは大きいです。

 そんなChelsea Grinを作り上げてきたメンバー達が再び集結して製作されたデビューEP ''Goddess Wept'' は、3人が一緒に在籍していた時の最後の作品 ''Self Inflicted'' 期のアップデートされた残忍さ/重厚さをさらに洗練させたブルータルなデスコアスタイルを提示。Tr.3 ''Behavioral Health'' ではAlexとPabloのグロウルの掛け合いが再び実現し、Tr.4 ''Void'' では最もメロディックだった ''Ashes to Ashes'' 時代の妖しさ溢れるインストを交えた作風が。CG時代の経験をフルに活かした渾身の一作。



Yours Truly - Call My Name

シングル (1/16)

 オーストラリア・シドニーを拠点に活動しているエモ/ポップパンク/オルタナティブバンドの最新EP。Stand AtlanticTonight Aliveに続く、オーストラリア発女性Vo.ポップパンクのネクスト・ブレイクになると注目されているバンドと見られておりましたが、2022年にリリースされたEP ''is this what i look like'' ではグランジ&ロックサウンドのアプローチやダンスミュージックからの影響が見られている意欲的な作品に。Stand Atlanticとはまた別方向の真価を果たしました。

 年内にリリースがうわさされているアルバムに収録される可能性のある新曲 ''Call My Name'' は先述のEPの作風を踏襲しており、このバンドに限らずポップパンクシーンを次のフェーズに進めうる「エレクトロニック」要素を前面に押し出しています。内面的な葛藤を掘り下げたリリックをVo. Mikalia Delgadoが儚くも力強く歌うメロディーはキャッチーで気づけば何度も再生してしまいます。タイ出張期間中にNeck Deepのサポートアクトでバンコクに来ていたんですが、筆者はその日スケジュールギチギチで行けませんでした…

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