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Fieldism必聴新曲リスト2024 1/1~1/11

 皆さま、お久しぶりです。

 1か月半ほど更新が途絶えておりました…というのも12月はインド出張に始まり仕事の多忙さ故精神的にかなり疲弊していて、このままだと心療内科一歩手前なレベルまで病みそうになってたので、全力で冬休みも休んでゆっくり回復に努めておりました。そのおかげもあって仕事もピークを過ぎやっとnoteを更新できるくらいまで心の余裕を取り戻してきました。

 今年も良い音楽を聴いてお勧めしたい音楽を全力で推していきたいので、サポートのほどよろしくお願いいたします。

 また、今年も下半期メインでイベントを組んでいこうと思うので、レコ発/ツアーのサポートのご相談についてもXからDM or メール(nissintakenoko@gmail.com)まで気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

リストアップの条件ですが、下記2点です。
※今年からスタイルを変え、週刊に変更しました。
1. 1/1~1/7にフィジカル/ストリーミング/DL販売/MVのいずれかが解禁された作品(基本的により多くの人にアクセスできる手段を優先します)。
2. フルアルバム or EPのリリース時期がある程度明確にアナウンスされている作品の先行シングル、および既存楽曲のリマスターやカバー等は選出対象外。ただしアルバムのデラックス盤のみetc.に収録予定の楽曲は選出対象。

霞 - 開花

シングル (1/1)

 東京を拠点に新たに始動したラウドロックバンドが、リリース予定の同名のデビューシングルから表題曲を先行配信。メンバーには昨年筆者がレコ発ツアー大阪編をサポートしたSin ScriptureにいたBa. 兵庫とDr. 光が正規メンバー、そして格 (現HEXVOID) もSin Scripture同様サポートメンバーとして在籍しており、昨年の暮れあたりからSTUDIO PRISONERでのRECの光景がSNSに上がっていました。今年の7月には初ライブも予定されており、どういうキャスティング/方向性で活躍していくのかが楽しみなバンドです。

 先行でリリースされた表題曲「開花」は、「ラウドでもありメタルでもある」より自由な枠組みで作った作品の印象で、メタリックなサウンドの海を泳ぎ回るVo. 風雅の流麗な日本語詞クリーンがどこか日本のバンドらしい奥ゆかしい雰囲気を感じさせます。ところどころピアノやシンセを取り入れた部分もSin Scriptureの時の印象とはまた違ってて新鮮です。個人的にはSheeSawHarmHaze of the Bullet Blossomあたりとも相性が良いだろうな…とは感じましたね。


See You Smile - Kill Me

シングル (1/1)

 東京を拠点に活動しているポップパンクバンドの最新シングル。年々盛り上がりを増している今の日本のポップパンク・シーンを代表するバンドの一つで、洋楽ポップス由来であるキャッチーなメロディ、痛快なまでに爽快なドライブ感と遊び心が特徴的なバンドです。昨年の11月に行われたUNMASK aLIVEのONE & ONLY FESTIVALで満を持して初めてライブを観たんですが、入場規制が入りそうなレベルでパンパンだったサブステージの盛り上がりに圧倒されて帰った記憶があります。

 先日の名古屋編を皮切りに''YOU VS TOUR 2024''を敢行中のSee You Smileが新年早々ドロップした最新シングル ''Kill Me'' は、遊び心溢れるMVに負けない乗りやすいリズムとVo. ルイのキャッチーでエネルギッシュなクリーンメロディがSYSの「らしさ」を存分に発揮させた一曲。2:12~からテンポを一気に早めて畳みかけていくのも、最後までリスナーを飽きさせない仕掛けというかメンバー達のしたり顔が見える気がします。


Desolated - VICTIM

シングル (1/4)

 イギリス・サウサンプトン発ビートダウンハードコアバンドの最新シングル。2015年にはBLOODAXE FESTIVALにて来日も果たしており、徹底的に低さ・重さを追求したダウンチューニングサウンド繰り出される凶悪なビートダウン、そしてヒップホップからの影響も伺える横ノリのグルーヴゆえに「ヨーロッパで一番危険なバンド」とも称されたことがあります。

 同じくUKのハードコアバンドMalevolenceが立ち上げた自主レーベルMLVLTDからリリースされた最新シングル ''VICTIM'' は (実際にDr. Charlie ThorpeはMalevolenceと兼任)、上述したヘヴィなサウンドをベースに、Vo. Paul Williamsのヒップホップのフロウを取り入れた甲高いスクリームとタフなギャングボーカルがフロアの熱を押し上げること請け合い。客演で参加しているデトロイトハードコアD BlocのCamden Goodのft.やアウトロの極悪ビートダウンも聞きどころ。

Gray State - Under the Wheels of Progress

アルバム (1/5)

 フィンランド・サスタマラのメタリックハードコア/メタルコアバンドの最新アルバム。2018年のアルバム ''Our Final Regret'' 以来約5年半ぶりのフルレングスになります。90年代後半のミリタント/フューリーエッジから影響を受けた単音&16分の高摩擦単音リフ、歯切れのいいビートダウンパート、なによりボーカリストの若干しゃがれ気味の特徴的なブチギレシャウトなどハードコアリスナーを惹きつける要素に満ちています。

 まず、先行リリースされた6分弱にもわたるリードトラックTr.3 ''The Death of True Love'' を聴いていただければと思いますが、上述したアグレッションに満ちたギターワークにマイクジャック必至系のシンガロングパート、そして中盤の天から降り注いだかのような1分弱の長尺ギターソロを挟み、そしてブレイクダウンへ畳みかける展開は「そこでそのパート挟むんだ!」と驚かされました。余韻を一切残さない3分に渡るアウトロも印象的です。


Bring Me The Horizon - Kool-Aid

シングル (1/5)

 イギリス・シェフィールドを拠点に活動しているもはや説明不要のバンド。昨年もNEX_FESTを主催 & 来日ツアーを果たし、マンネリ化している日本のロックフェスに風穴を大きく開けたことは記憶に新しいです。筆者も実際にEXTRAの神戸編には足を赴きましたが、その貫禄のあるパフォーマンスと作り込まれたバンドの世界観には圧倒されるばかりでした。ただ、昨年の暮れにKey. Jordan Fishが脱退したのは残念でなりませんが…。

 ''AmEN!'' ''DArkSide'' に続きPaleduskのGt. DAIDAIが制作に携わったことで年始早々議論の的になった新体制の幕開けにふさわしい新曲 ''Kool-Aid'' は、Jordanが抜けたことでそれまでバンドの世界観を築いていたシンセワークが減退したことは否めないものの、2020年EP ''POST HUMAN: SURVIVAL HORROR'' 以来回帰しているバンドサウンドという面は一貫しており、ギターワークはやはり唯一無二の個性があります。ちなみに曲名 ''Kool-Aid'' は「盲信する」「無批判に従う」を意味するスラングですが、由来は昔実在していたカルト教団「人民寺院」が引き起こした集団自〇に起因しています(気になる人は各自調べてみてください)。

Suguru Ohtaka - Liquid

シングル (1/6)

 仙台発デスコアバンド提婆達多のフロントマンとして活躍しているSuguru Ohtaka、その特徴的なスクリームやフロウはバンドの唯一無二な音楽性の要になっているのは言うまでもありませんし、昨年は後輩のOPTIMISTと共にスプリットEP ''VIRGIN'' をリリースし、仙台の最前線をリスナーに提示しました。その一方で彼はバンドサウンドだけではなくEDMを始め多彩なジャンルにも精通しており、ソロ名義でも活動しております。

 ソロ名義でのリリースとなる今作 ''Liquid'' は「アメリカのDJであるPorter Robinsonから大きく影響を受けた」と公言しており、ドラムンベース/フューチャーベースをはじめとしてEDM由来のリズムにメロディックハードコア直系の疾走感あふれるバンドサウンドを散りばめた枠組みにとらわれない自由な発想が反映された一曲。聴きようによってはエモラップにもポップパンクにも聞こえるかもしれませんが、解釈は人それぞれ。後半に出てくるSuguruのメロシャウトも彼の多彩なボーカルアプローチが垣間見えて面白いです。

Pray for my Past - Terminal

シングル (1/7)

 名古屋を拠点に活動している新鋭ポストハードコア/メタルコアバンドの最新アルバム。名古屋はじめ東海のバンドは個性あふれるハードコア/ポップパンクバンドの印象が強いんですが、海外のポストハードコアから強く影響を受けたバンドが多く、例を挙げればCrowsAlive, SCYLA, A Curtain Of Mist, The Moment I Decideなどが思い浮かびます。そんな中、昨年産声を上げたのがこのPray for my Pastです。

 昨年9月にはフルアルバム ''DROWN'' を引っ提げてデビューしたばかりのこのバンドですが、早くも新曲 ''Terminal'' をリリース。Vo. Yukiのハイトーンクリーンボーカル/スクリームの対比 & 静と動を強調させたドラマティックなバンドサウンドはまさに東海のポストハードコアの最前線を象徴するサウンド。今月にはアメリカのメタルコア/ポストハードコアAcross The White Water Towerのエクストラショー名古屋編でサポートアクトを務めるので、今のうちにチェックしておきましょう。

Issues - Since I Lost You

シングル (1/10)

 アメリカ・アトランタのポストハードコアバンドの最新シングル。2010年代のRise Recordsを代表するバンドの一つで、ポストハードコアにR&B/ヒップホップ/ソウルなどを取り入れた前衛的なサウンドで瞬く間にシーンの最前線に躍り出て、以来幾度のメンバーの脱退を乗り越えつつも常に唯一無二のサウンドを提示してきました。ところが2020年にVo. Tyler Carterの不祥事による解雇が原因で、昨年11月に解散を発表するまで約3年間の間完全に活動を止めていました。

 残ったメンバー3人はIssuesの遺作として最後のシングルを制作、先日リリースされた ''Since I Lost You'' では、これまで築き上げてきたR&B/ソウルの影響を強く受けたIssues流のポストハードコアが一貫して提示されており、Ba. Skyler AcordがTylerの代わりにクリーンボーカルを務めているのですが彼も負けず劣らずソウルフルなボーカルワークでこのまま続けてもいいんじゃ…って思ってしまうのは自分だけでしょうか?ラストショーは1/28の地元アトランタで行われ、配信もあるそうなので気になる方はURLからアクセスしましょう。

Acres - A Different Shade Of Misery

シングル (1/11)

 イギリス・ポーツマスを拠点に活動しているポストハードコアバンドの最新アルバム。昨年は4年ぶりのフルアルバム ''Burning Throne'' をリリースし、喪失・苦しみ・挫折をエモーショナルに表現した楽曲をリバーブの利いたアンビエント要素や冷ややかで透明感のあるサウンド、そしてスケールの大きなコーラスワークで彩られた作風で個人的にも結構ハマっていました。Parting Giftや昔のHolding Absenceとか好きな方にはお勧めです。

 アメリカのクリスチャンロックレーベルSolid State + Tooth Nail Recordsとの契約が先日発表され、同時にリリースされた最新シングル ''A Different Shade of Misery'' では、前作の路線を踏襲しながらも7弦ギターを取り入れチューニングを落としてよりモダンな路線へ傾倒。最近のFit For A Kingの音楽性を考えても、個人的には今回のSolid Stateとの契約はバンドのサウンドともがっちりハマった感じがします。The Plot In YouのLandon Tewersによって製作されたMVも必見です。



For The Win - Narrative

シングル (1/11)

 アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴを拠点に活動しているポップパンク/イージーコアバンドの最新シングル。エネルギッシュで力強いポップパンクの疾走感に、ハードコア/メタルコアのアグレッション/モッシュパートを詰め込んだスタイルで人気を博し、2018年には初来日も経験しています。その後2020年に一度解散するも、2022年に再結成し昨年9月には2度目の来日が実現。筆者はスケジュールの都合上公演に行くことは叶いませんでしたが、近年の国内ポップパンクシーンの盛り上がりも相まって盛況だったと聞いています。

 先日リリースされた新曲 ''Narrative'' は上述したサウンドは一貫しているものの、今作はブレイクダウンやスクリームがなく、ポップパンク要素のあるキャッチーなメロディを前面に押し出している印象。公式のFacebookの投稿には「こんな感じの曲を収録したEPをリリースしてライブした方がいい?」って投稿しているので、今後の動向にも注目が集まりそうです。


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