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育休からの復帰はいつが正しいの?

3月末日が出産予定日だった我が子は、少し遅れて4月頭に生まれてきた。「(年度頭に)0才児クラスで入れるから、保育園入りやすいね」と当たり前のように、知ったように、人生の先輩方と会話して、育休を1年丸っと消化し翌年4月に復帰することを半ば当然と思っていた。

時は流れ、8月。
ふにゃふにゃだった我が子は、よく笑いよく寝るたくましい乳児へと成長し、もうすぐ4ヶ月。私はというと、週1件ペースで保育園を見学している。ちなみに、来年4月入園準備ではなく、今年の11月入園希望だ。

まだ確実なことは何も決まっていないが、なぜ早期(?)復帰へと舵を切りつつあるのか、少し想いをまとめておこうと思う。


①育休1年は恵まれているという発見

妊娠〜出産期に、大学留学時代の友人(オーストラリア、マレーシアなど)や家族友達(シンガポール)と話す中で、育休(給付金あり)が1年間もあるということが恵まれている(=世界では当たり前では決してない)ということを知ったことがまずは大きかった。

アメリカでは、少なくとも法律上の規定では有給の産休・育休が無いというのは有名な話だと思うが(会社によっては多少福利厚生として用意していたりするそうだが)、オーストラリアの友人に聞くと豪州でさえ、有給は18週。しかも一律最低賃金だそうだ。シンガポールでも4ヶ月、マレーシアの友人からは「2ヶ月よ〜」と返ってきた‥。

非常に長い有給の育休制度のある北欧諸国との比較で日本では語られがちであるため、育休を1年も取得できないのが世界では圧倒的常識ということに(少し想像すればわかりそうなものだが)衝撃を受けた。

『1歳までは赤ちゃんはママと過ごさなければ発達に良くない』『母親の心身の回復にはそれくらい必要』―そんな風に無意識に抱いていた常識が世界では非常識であると気がついたことで、自分の中でのバイアスが外れた。これは、間違いなく今回の復帰時期の検討において一つ大きな契機となった。

②孤独すぎた育休

 我儘をいえばこれが一番クリティカルな問題かもしれない。地方都市へ移住してきてまもなく、会社を超えたネットワークがまだまだ発展途上な状態での育休だったため、同じ時期に出産するママ友なんていない。リモートしやすい職場に務める夫が、最大限家にいてくれるとはいえ、赤ちゃんと2人きりの時間の多い毎日の、得も言われぬ孤独さが辛かった。

毎日、我が子の可愛さ、愛おしさ、尊さが勝るが故、こんなに幸せなんだから、と自ら抑え込んでしまうのだが、それでも大人との会話や知的活動への欲求がとくとくと溜まっていく。「(もう半年は持たないぞ…。)」密かにそう心中で葛藤していた。

③夜まとまって寝てくれるから回復が早い

前述の自分の心情はもちろんだが、やっぱり子供の個性が一番大きなファクターだと思う。我が子は3ヶ月過ぎたあたりから、びっくりするぐらい夜寝てくれている。7時台の泣きで初めて目覚めて、何度か時計を疑ったほど。

夜まとまって寝れるようになってから、体力気力が目覚ましく回復した。これが今も夜2〜3時間間隔の授乳が続いていたら、復帰への考えは180°違ったと思う。

復帰後も同じように夜寝てくれるのであれば、仕事との両立もできるかも?と淡い自信を持たせてくれている。(もちろん、預け始めたとたんどうなるか分からないというリスクは承知のつもりだが…)

④尊い時期って今だけじゃないかも?

そんなふうに、復帰したい。夜寝れるしもしかしたら復帰できるかも?!という状況になったうえでも、こんなに子供と一緒に過ごせる時期は今だけなのに自らその尊い時間を手放して良いのか?と葛藤があった。

そんなときふと思ったのは、我が子に120%向き合うべき時間は今だけか?ということ。今、何かしたい何かしたいと、うずうずしながら育休期間を過ごすよりも、今後我が子が、成長の過程で踏み入るであろういろんな感情的・心情的不安定な時期に、(つまり私を必要とするであろう時期に、)120%で向き合える余裕を、早めに復帰することによって稼いでおくのも一つ手ではないか?という発想だ。

誰・何を認識するようになり社会に接するストレスも感じられるようになったときにはいっぱいハグしてゆったり寝かしつけしてあげたいし、話すことができるようになったときには辛抱強く聞く余裕を持っていたい。そのときそんな余裕を持っているためにも、早くワーキングママフェーズに入って、”モノにして”おきたいではないか。

そんな思考経路を経て、今は11月入園・復帰シナリオをメインに考えてい
て、そう振り切ると我が子と過ごせる今をもっと大切にできそうな自分もいる。

余談

早期(でもないのかもしれないが)復帰を考え始めて感じているのが、1年よりも早期に復帰する人にとってのインセンティブがもっとあってもいいのではないかということ。前述のとおり、子の個性にもよるので、大変な状況で無理に早期復帰しなければならないような制度(早期復帰しないと損)は反対。ただし、少なくとも早期復帰=損みたいな構図からは脱却すべきではないか?と思う。例えば、早期復帰する場合に、復帰後、従来の育休期間満了までの間はシッターサービスの利用が補助されるとか。少し調べただけでも、企業によってはそんなメニューを用意しているところもありそうだが。

今は、4月以外に保育園に入りづらいし、世帯収入が高ければ保育料も目ん玉が飛び出るほど高いし、早期復帰には寧ろディスインセンティブばかり!と言っても過言ではないのではないかと思ってしまうのだ…。

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