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「先延ばしをなくす朝の習慣」

「先延ばしをなくす朝の習慣」(印南敦史 秀和システム)

日本一の書評家の著者による、先延ばしをしないような仕事のやり方についての本。副題の「コツコツ書き続けて日本一になった書評家が、絶対に締切を破らないためにやっていること」も迫力がある。この方の書評はよくお見かけする。

毎日書くのはとても大変だろうし、そのような仕事のコツを知りたくて読んでみた。ひとつひとつのコツは、割とオーソドックスなもので、それほど奇をてらったものはないが、こういうことの積み重ねで実績を出していくのは、とても大切だと思う。

 「暗く悩んで苦しんだとしても、明るく前向きに考えたとしても、たどり着く終点はひとつだけ。だったら、明るく考えたほうが楽じゃん。どっちにしたって答えはひとつだけなんだから」(38ページ)

 なぜなら、効率にばかり意識が向いてしまうと、必然的に「効率的に仕事を進めること」自体が目的になってしまうから。つまり場合によっては、仕事のクオリティが下がってしまいかねないわけです。でも当然ながら、それでは本末転倒というもの。
 では、どうすればいいのでしょうか?
 経験的にいうと、そんなときこそ、やるべき仕事をコツコツ進めるに限ります。
 「当たり前すぎ!」とツッコミが入りそうですが、その点を忘れている人は意外に多いのではないでしょうか。その当たり前のことがうまく進まないからこそ、悩むことになってしまうのです。(44ページ)

 穏やかに目覚めるために僕が実践してきた「意識すべきポイント」は次の2点です。
 ①「この朝」を受け入れる
 ②目覚める直前に1日の「ゆるいスケジューリング」をする (63-64ページ)

 なお余談になりますが、僕はときどき新聞の「社説」を書き写しています。
 パソコンで書いているので「打ち写している」と表現すべきかもしれませんが(そんなことばはないけど)、自分が知らなかったこと、理解できなかったことなどを、少しでも理解するためにそうしているのです。(93ページ)

 そこでおすすめしたいのが、毎朝チェックしているニュースサイトやまとめサイトの数を意識的に減らすこと。(107ページ)

 [文章をシェイプアップするための訓練]
 ①よく見ているオンラインメディアなどから、任意の記事をピックアップする(生活系がおすすめ)
 ②その記事をコピペして、「ここは削っても支障はないな」と思われる箇所を容赦なく削る
 ③その結果として残った断片を組み合わせ、文章として再構築する(125ページ)

 だからこそ「時間がない」と感じている人は、とくにテレビやYouTubeをダラダラ見ている時間がどのくらいあるか、そして、それらは本当に自分にとって必要なのかを考えなおしてみることをおすすめします。(142ページ)

 眠る直前に「あすやること」を考える
 つまり、寝る前に難しい本を読むと眠くなるのと同じように、頭を働かせるのです。
 もちろん、僕は睡眠の専門家ではありませんから、医学的なエビデンスを提示することはできません。が、経験的にそれを強く実感しています。
 「まず、あれをやって、次にこれをやって、それが終わったら、あの人とこの人に連絡をして...」というような調子で、軽く目を閉じてリラックスしながら、"やるべきこと"を順序立てて考えると、比較的短時間で眠くなってくるのです。(159ページ)

 なんらかの不安に押しつぶされそうになっているとき、僕が考えたのは「なぜ、自分は不安なのだろう?」ということでした。
 当たり前すぎますが、不安である以上は間違いなく、その理由があるはずです。そこで、不安の根源をとことん突きつめてみることにしたのです。
(中略)
 不安なときはその不安から逃れたいと思うものですが、中途半端に逃れるよりは、とことん考えたほうが結果的には楽なのです。(164-165ページ)

 仕事に追われて疲れたら、なんらかの気分転換をする必要があります。そこで疲れてきたなと感じたら、そのつど10分程度の読書時間を挟み込むのです。
 たった10分読むだけなら、「タイムシフト・リーディング」のメリットである「早く続きを読みたい」という気持ちを残したままでいられることになります。(178ページ)

 なお参考までに、僕がよく利用しているネットラジオ・ステーションをいくつかご紹介しておきます。
 KUSC(南カリフォルニア大学が運営するクラシック専門局)

 We Funk(カナダ・モントリオールのファンク/ヒップホップ・ステーション)

 Soma FM Drone Zone(サンフランシスコのSoma FM内にある、ドローン・ミュージック専門チャンネル) (183ページ)

 「成果を出してみせるぞ」と、がんばることには間違いなく価値がありますが、「成果を出せなければ意味がない」と考えてしまったのでは、仕事の価値も変わってきてしまうからです。
 それに(ここからが重要なのですが)「成果を出すぞ!」と必要以上に力まなくても、いまできること、やるべきことを愚直にこなしていけば、相応の成果は必ず出るものです。むしろ、そちらのほうが意識すべき大切なことだと僕は思います。(200ページ)

 しかし実際のところ、いつしかその"当たり前"を忘れてしまったまま働き続けている人も決して少なくないはず。だからこそ「いま、自分がなにをやっているのか」を常に意識しながら、やるべき仕事を「コツコツやる」ことが大切なのです。
 そして日々の仕事をコツコツとこなしていくにあたっては、その仕事をするにあたっての「ルーティン」を意識することが大切です。(204ページ)

 あのとき、あのことばに共感して生きてきたからこそ、僕はいまここで「続けることの価値」を強調したい。なぜって、たしかに「続けていれば道はできる」のだから。経験的に、それを強く実感するのです。
 しかも、当時の先輩は「10年やれば」といいましたが、現実には10年もかけずに結果が出ることもよくある話です。1年かもしれないし5年かもしれないし10年かもしれませんが、いずれにしても信じたことは続けてみる。それが大切だということです。(208ページ)

 僕がインプットとアウトプットのバランスを意識すべきでないと考えるのは、そんな理由があるから。損得勘定に従ってインプットしても、それは記憶に残りにくく、アウトプットできる機会も少なくなるわけです。
 いいかえれば、損得勘定よりも純粋な好奇心を優先すべきだということ。「知りたい」という気持ちを大切にすれば、無意識のうちにそれはインプットされるのです。
 それこそが本当に意味でのインプットであり、だからいつかアウトプットとして活用できるようになるということです。(212ページ)

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