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「「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法」

「「後回し」にしない技術」(イ・ミンギュ 吉川南 文響社)

韓国の臨床心理専門家の著者による、実行力を身につけるための本。
つい先延ばしにしがちな自分にとって役に立つ内容で、非常に面白かった。

 実行力は生まれつきの資質ではなく、学んで練習すれば誰でも開発できる、一種の「技術」だ。(6ページ)

 平凡な人と成功した人の違いは、知識ではなく実践にあり、成功した企業とそうでない企業の違いは、戦略ではなく実行力にある。個人であれ組織であれ、実行力こそが真の競争力なのだ。(9ページ)

 人生の成功を手にするには、目標を達成した場面をイメージする「ゴールの視覚化(Outcome-oriented Visualization)」よりも、目標までのルートを正しくとらえる「プロセスの視覚化」の方が、ずっと重要なのだ。(29ページ)

 望むものを手に入れたければ、すでにそれを持っている人たちの習慣を研究して、それをまねるのがいちばんの方法なのだ。(32ページ)

 問題を正確に把握できていなければ、問題ではないことを解決するために、多くの時間とエネルギーを浪費することになる。(39ページ)

 あなたは死んだ後、どんな人間として人々の記憶に残りたいだろうか?(61ページ)

 ひそかな決心は、決心しないことと同じなのだ。(77-78ページ)

 人生でもっとも破壊的な単語は「あとで」だ。(111ページ)

 もっとも良いアイデアは、常に作業をする過程で出てくるからだ。(115ページ)

 他人の助けなくして、どんな人でも豊かな人生を送ることはできない。望むものを手に入れられなかったとすれば、それは他人の助けをうまく得られなかったという意味だ。また、他人の助けを得られなかったのは、助けをうまく求められなかったという意味だ。(171ページ)

 人間は本当に重要だけれどもやりたくない仕事(頭を使わなくてはならない仕事)があるとき、単純な仕事(頭をあまり使わなくてもいい仕事)をすることで、ストレスから逃げようとする傾向がある。部屋の片づけをすることでやるべき勉強を後回しにしている学生だけに限らず、雑談をしたり、住所録を整理したりすることで、本当に重要な得意先への営業活動を後回しにする営業マンもこれにあたる。(199ページ)

 あなたがいま首を突っ込んでいるつまらない仕事は何だろうか?
 その仕事によって手を付けられないでいる重要な仕事は何だろうか?(209ページ)

 もっと大きなことをしたければ、まずあなた自身をもっと大きくイメージしなくてはならない。(216-217ページ)

 いまとは違う姿で生きていきたければ、理想に描く姿の人間として自分をイメージしさえすればよい。本をたくさん読みたいなら、「本をたくさん読みたい」と望む代わりに、「わたしは一週間に1冊以上、本を読む人間だ」と、はっきりと自分を規定しよう。実行力のある人間になりたければ、「自分は意志薄弱だ」という考えを頭から追い出して、「自分は決心すれば必ずやり遂げる人間だ」と、きっぱり規定すればよい。(220ページ)

 わたしの知り合いで、不当な頼み事を断るのが非常にうまい人がいるが、彼にそのコツを尋ねるとひと言でこう言った。
 「何を選択し何を放棄するかをはっきり決めて、自分の選択に責任を負うのだと考えれば、意外に簡単に人の頼みを断ることができる。断れないのは、自分の決定に責任を負いたくないからだという場合が多い」(236-237ページ)

 重要でないことに大切なエネルギーを注ぐのはやめよう。意味のないことに利用価値の高い時間を使うほど愚かなことはない。(中略)人がしていることを昨日と同じようにやって生きていれば、絶対にいまある以上の人生を送ることはできない。昨日と違う明日が来るはずもない。(259ページ)

 望むものを手に入れたければ、望まないこと、避けたいことについてではなく、望むものとそれを手に入れる方法について考える時間をもっと増やさなければならない。(269ページ)

 人間は目の前に迫った小さなことは過大評価する一方、10年後の重要なことは過小評価する傾向がある。会わなくても困らない友達に会い、どうでもいいおしゃべりに夢中になり、送らなくてもいいメールを送るのに時間を使いながらも、10年後の未来のためにそれだけの時間を投資しようとする人は意外に少ない。目の前の小さなことが、目に見えない「未来のために重要なこと」を隠しているからだ。(中略)
 10年後に本を書きたければ、一日に15分ずつでも資料を集め、アイデアを整理しよう。20年後に幸せな老後を送りたければ、いま配偶者と子どもにどう接するべきか考える時間を持とう。(277ページ)

 本を読めば理解できる。理解しようとすれば記憶できる。記憶したことを教えれば、それは実行につながるだろう。学びたい分野があれば、そのテーマで文章を書いてみよう。
 一年に数冊ずつ本を出版するほどの筆力を持つ作家が、こんなことを言っていた。
 「わたしは知りたい分野があれば、そのテーマで本を書きます。文章を書こうとすれば、必然的にそのテーマに関して勉強するしかなくなりますからね」(309ページ)

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