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パット・ギャレットの生涯―第九章

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流血のドナ・アーニャ郡

血に飢えた無法者たちによる熾烈で残虐な「牛泥棒の戦争」が荒れ狂ったドナ・アーニャ郡は、東西をグラント郡とリンカン郡に挟まれた南西部の辺境地帯に位置する。そこはメキシコの領土であったが、1853年に「ガズデン購入」の一部として合衆国に割譲された。1850年代初期にチワワから移り住んだ住民が最初の集落を作った。しかし、合衆国がその地方を獲得した時、多くの入植者は憎らしい「外国人[アメリカ人]」の土地にとどまるよりもチワワに戻ることを選んだ。幸いにも合衆国はこうした犯罪分子を厄介払いできたが、馬泥棒や盗賊などが境界を越えてやって来た。そのせいでこの地方は最初から「悪い土地」であった。ドナ・アーニャ郡という名前は、入植者の一人の妻の名前に由来する。最初、郡庁所在地はドナ・アーニャの村であったが、ラス・クルーセスに移った後、メシラに移って、またラス・クルーセスに戻った。ラス・クルーセスはギャレットの殺害現場のすぐ近くにある。郡の人口は約6,000人であり、[ラス・クルーセスの]町の人口は2,500人である。

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