ビリー_ザ_キッド_最後の日々

ビリー・ザ・キッド、最後の日々―第6章 5月18日、フォート・サムナーへの旅

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少し後、彼らはビリーを滞在させている部屋に食べ物を持ってきた。ビリーと私の義兄が一緒に食べた。私の父と私、そして他の家族は台所で食べた。我々は食べ終わった後、ビリーと私の義兄がいる部屋に戻って座った。ビリーは引き続き牢獄から逃れた話について我々に語った。

「俺が牢獄から出られたと知って君たちは驚いたようだね。奴らが俺を安全に閉じ込めておいたのにね」とビリーは言った。

「奴らが俺を絞首刑にする前に俺が逃れる機会を得たなんて誰も信じないだろうな。なにしろ奴らは俺に鎖を付けていたからな」

「それで俺は、サラザールの牧場に至る道まで約2マイル半[約4キロメートル]馬を飛ばした。この牧場はキャプテン山脈の中に向かう道の途中にあってその南側にある。俺がそこに到着した時、サラザール一家が全員そろっていた。そして、他にも数人の友人がいた。彼らは俺を見て驚いた。8人以上の男女が俺に会いに来た。なぜなら俺はサラザール一家からとても愛されていたからだ。全員が腕を広げて俺を迎えてくれた」

「馬から降りろよとサラザールが俺に言った。馬から降りた俺は彼らの部屋の中で一番良い部屋に案内された。彼らは俺を囲んで『どうやって逃げ出したんだい。奴らが君を絞首刑にしてしまったんだと我々は信じたくなかったんだ』と聞いた。俺は『いいや、神様がそんなことを許すはずがないだろう。奴らが俺を不当にも閉じ込めて、俺とは関係のないことで俺を絞首刑にしようと彼らが言ったことを神様は知っていたんだよ』と言った」

「俺は、話している時間はないと彼らに語った。まだ俺の足に付いている足枷を切って欲しかったからだ。彼らはヤスリを持ってきてすぐに足枷を解いてくれた。それから彼らは俺に朝食を与えようとした。しかし、俺は断った。朝食を食べてからあまり時間が経っていなかったからだ。2人の護衛を俺の朝飯にしてしまった」

「それでパットはどうしたとサラザールが聞いた」

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