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ビリー・ザ・キッドに関する私の個人的回想―第3章 パット・ギャレットとビリー・ザ・キッド

※『ビリー・ザ・キッドに関する私の個人的回想』に関する説明は『ビリー・ザ・キッド史料アンソロジー』についてにまとめています。

今、私はパット・ギャレットがキッドを追跡し始めた話に戻ってそれがどのようになされたのか語ろうと思う。私はパット・ギャレットと知り合って22年になるが、その期間のほぼすべての期間、我々は直接的、もしくは間接的に繋がっていた。その大部分の期間、私は彼の下で補佐を務めていたので、 私は今、生きてる他の誰よりもパット・ギャレットについて知っていると思っている。彼は、何人かの書き手が彼がそうであったと作り上げたものとは違った種類の男であった。彼らが映画で見せるような像とはギャレットは違っていたと私は知っているし、私が描く像はそれとは合致しないだろう。

リンカン郡の保安官に選出された時、彼の最初の目的はキッドが続けている法を蔑ろにする行為を血を流すことなく終わらせることであったとギャレット自身が私に何度も何度も語っている。彼は「私はどのようにそれを達成するか考えていた。私が保安官に選出される前、私はキッドと会ってそのことについて彼と話し合った。我々は一緒にポーカーをして、ポーカーをしている間、私は彼ができる最善のことは3年か4年、潜伏して行方をくらますことだと彼に伝えた。それから戻ってリンカン郡戦争で起きたことについて何も言わないようにしたほうがよい。しかし、キッドは私の助言を無視して留まることに決めた」と言った。

その時、キッドは単独で行動していた。後に一味と見なされるようになるチャーリー・ボウディーやその他の者たちとは一緒ではなかった。 しかし、彼らが集結するようになると、パット・ギャレットは彼らをその地方から追い出そうと最善を尽くした。ギャレットはサン・フアン・メサの郊外でチャーリー・ ボウディーと面会しようとした。武装せずに面会していろいろ話そうという取り決めだった。しかし、ボウディーは六連発銃を携行してきた。ギャレットはそれを好まず、「おいおい、おまえは俺の信頼を裏切った。おまえは武装して来た」とボウディーを叱責した。しかし、ギャレットはとにかく面談を進めようとした。彼は「おまえたちはこの地方から立ち去るのが最善だ。フランク・コーとジョージ・コーのようにおまえはなりたいのか。どこかへ去ってしばらく留まってほとぼりが冷めたら戻って来い」とボウディーに言った。

チャーリー・ボウディーは、そうするつもりだとギャレットに約束した。ギャレットが「もしおまえたちが立ち去らなかったら、俺はおまえたちを逮捕するか、殺すだろう。もしくはおまえが俺を殺すかだ」と率直に語ったにもかかわらず、彼らは立ち去らなかった。彼らはその地方の北部の周辺に留まって、1880年夏にホワイト・オークス近隣にあるレッド・クラウド牧場に立ち寄った。

鉱山の町であり開けた場所であるホワイト・オークスには、その地方の他の部分を蹂躙した無法者たちに根拠地を持たせるべきではないと決意した人々が多くいた。その時までに彼らは、キッドとその一味がちょっとその周りを引っ掻き回しただけにもかかわらず猜疑の目で見ていた。

キッドの一味がレッド・クラウド牧場に屯している間、ホワイト・オークスの人々からなる一団が古い令状を使って彼を逮捕しようと出動した。チャーリー[ジェームズ]・カーライル はキッドと仲間たちがいる家に行った。彼は、キッドの仲間の一人であったビリー・ウィルソンと一味の中に入って一味に降伏させようとした。チャーリーが家の中にいる時、偶然、外にいる誰かが銃を発射した。キッドの一味は戦いが始まったと思ってすぐにチャーリー[ジェームズ]・カーライルを殺害した。

これはキッドの命取りになる行動であった。それは彼に対する非常に強い感情を巻き起こした。キッド自身もそれを後悔していた。というのは彼は「俺たちはそんなことをするべきではなかった」と私に語ったからだ。しかし、それはもう起きてしまったことであり、その後、多くの困難がキッドの身にに次々に起きた。

パンハンドルの牛が次の話になる。これらの牛はLXやLITS、LSなどパンハンドルの人々によく知られている焼き印がついている。盗まれてタラローサ近隣に連れて行かれた牛の焼き印を思い出せなかったがなんとか思い出した。そこで私はたまたまそうした焼き印の一つを見つけた。2月[1881年1月]、私はパット・コフランのところに働きに行っていた。彼は私をスリー・リバーズに送り出した。私が最初に行ったことは周囲を回って地理を確認することであった。私はインディアン川を遡ってコフランのものとは異なる焼き印がついた牛を45頭も見つけた。

3月、もしくは4月頃、パット・コフランと私は喧嘩した。彼は私を雇うのを止めて給料を精算した。最後に私は「LXやLITS、LSなどの焼き印がついた牛がおまえのベッドの柱の周りで鳴いているのに気づくことになるぞ」と彼に言った。

こうしたことはキッドとはまったく無関係である。というのは彼がその牛を連れて来たとは思えないからだ。とはいえ彼の一味であるトム・ヒルか[クーパー]とチャーリー・ボウディーが牛を連れてきてコフランに売った。 キッドが山脈に向こう側にいる一方、私は山脈の西側にいた。ギャレットは彼らを逮捕しようとしていた。チャールズ・ボウディー はギャレットの言うことに耳を貸そうとしなかった。おそらくキッドが介入したのだろう。ただ私はどのように彼がそうしたかわからない。私が知っている確かなことは、その時、彼がホワイト・オークスでモンテ賭博をしていたことだ。

コフランのところで働いた後、私は山脈を越えてハイドンという男からペニャスコ川沿いにある現ブライアン牧場を購入した。 私は古い相棒のトム・ノリスを迎えた。その年、我々は一緒に農作業に行った。 どのようにギャレットがキッド一味を追っているのか我々のもとに情報が時々入った。パンハンドルの人々は牛を取り戻すために何人かの男たちをニュー・メキシコに送った。ギャレットの一団の一部はパンハンドルの人々から構成されていた。

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