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パット・ギャレットの生涯―第二章

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騒動の発端

近隣の争いは国家間の戦争のように境界争いや不法侵入によって大部分が引き起こされる。この悲劇は、ブラゼルがギャレットから借りた牧草地で山羊や牛に草を食べさせてよいかどうかに関する誤解によって生じた。パットギャレットは、ラスクルーセスから東に25マイル40km)離れたオーガン山脈の中に二つの牧場を所有していた。そのうちの一つの牧場にギャレットは、テキサス州エル・パソの徴税官の任期が終わった後、約2年間住んでいた。 ギャレットはラス・クルーセスの商人から約3,000ドルを借りていたようで負債の保証として抵当を入れていたようだ。商人は2,000ドルだけで返済を済ますことに同意した。そこでギャレットは、近くにあるサン・オーガスティン牧場のW・W・ コックスからその金額を借り入れて、牧場と家畜を担保として与えた。コックスが不注意にも抵当権を失効させてしまったので問題がより複雑になった。ギャレットに対する債務を回収するにあたって銀行は、差押令状のもと、ギャレットの家畜を差し押さえて売却することにした。しかし、保安官はすべての家畜を見つけられなかった。家畜の一部がコックスの牧草地にいたからだ。コックスはその家畜の一部を差し押さえていた。それからコックスはギャレットに家畜を戻したが、それでもベア・キャニオン牧場の家畜が足りなかったのでギャレットは牧場をウェイン・ブラゼルとA・P・ロードスに貸し出した。後者はコックスの親戚である。

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