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G. M. Davis. American Lumberman (1914/7/18)

ポール・バニヤンと旅人

「かつて熱い信仰を抱いていた疲れ切った巡礼者は休息を求める。だから私も今は道を外れて杖を置いて休もう」

疲れ切った紳士はそう溜息をつき、ポール・バニヤンの台所の屋根の後ろに隠れようとしている太陽の灼熱の一撃に顔をしかめた。夕食の準備が進んでいた。その旅人は開かれた扉に近づいて、お腹が空いているので夕食をいただきたいと告げた。すると巻尺を持ったボールが出て来て、旅人の腰周りを測った。そしてポールは、夕食をご馳走してもよいが夕食が終わったら再び腰回りを測らせてもらうと言った。豚肉と豆は1インチ[2.5cm]で50セントだと付け加えた。

旅人はテーブルに座ってもてなしを受けた。数分後、旅人の目は開いてる扉の先に向けられた。ビッグ・ルイと雄牛たちがその日の仕事を終えてキャンプに戻ってくる途中、近くの丘を登っていた。最初、旅人は大きなスクーナーのマストを見ているのかと思った。しかし直後にそれは雄牛たちの角だとわかった。それから丘のように大きな額が二つ見えた。次に見えたのは二つの頭だった。雄牛たちは鼻の穴から煙と炎を噴いていた。 暑い日の終わりには雄牛たちはいつもそうしていた。

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