ビリー_ザ_キッド_真実の生涯

ビリー・ザ・キッド、真実の生涯―第21章

ラス・ベガスで暴徒がルダボーの身柄を求める—キッドがサンタ・フェの牢獄に収監される—逃亡の試み—メシラでキッドが殺人の罪で裁かれる—絞首刑の宣告—リンカンに収監される

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12月27日朝、私は新しい枷をキッド、ルダボー、そして、ウィルソンにはめた。郵便請負人のマイケル・コスグレイヴ氏がサンタ・フェについてよく知っていたので、私が囚人たちを連行する際に同行してくれるように彼に依頼した。そこで私は2人の護衛と別れてコスグレイヴ氏、ステュアート、そして、メイソンとともに出発した。

朝食の後、我々は囚人たちを引き取るために牢獄に行った。彼らは手枷をはめられているキッドとウィルソンを我々に引き渡した。我々はルダボーの身柄を要求した。彼らは彼の引渡しを拒んで、彼が牢獄から逃亡したうえに殺人を犯したので彼の身柄を要求すると言った。私は、囚人に対する我々の権限は彼らの権限に匹敵するものであると彼らに言った。私は合衆国執行官補佐であり、合衆国の法律に違反した容疑でルダボーを逮捕して囚人として身柄を拘束しているので彼が他にどのような罪を犯していても関知するところではない。私は彼の身柄に対して責任を持っているので彼を拘束し続けるつもりである。ステュアートが供述書を見せたので彼らはルダボーを我々に引き渡した。

3人の囚人たちと共に我々が列車に乗った時、わずか数分でライフル銃とリボルバーで武装した大勢のメキシコ人が群衆の中に紛れ込んでいて騒いでいることに気づいた。ステュアートと私は、彼らの目的がルダボーを列車から引きずり下ろすことだと結論づけた。私は、我々は戦うべきかどうかステュアートに聞いた。彼は、もちろん我々は戦うべきだと言った。私は「それなら善戦しよう」と言った。我々は、彼らが彼を襲撃しようとしているか、もしくは我々が彼を諦めて手放すように仕向けようとしていると確信した。彼は、彼らを恐れていること、そして、我々に身柄を守ってサンタ・フェまで連行してほしいと述べた。

ステュアートは、列車の一つの扉を守り、私はもう一つの扉を守った。武装したならず者たちが列車の周りに殺到した。しかし、誰もルダボーの身柄を正面から要求することもなければ、何をするつもりか言うこともなかった。保安官の兄弟であるロメロ保安官補佐は、私がウェッブをヘイ牧場の彼のもとに連行した時に活躍した男だが、私が立っているプラットフォームにリボルバーをきらめかせながら接近している5人の暴徒に向かっていった。1人の暴徒が「さあ中に押し入って奴を引きずり出そう」と言った。彼らは保安官補佐をプラットフォームの上に押しやって彼の後に続こうとした。穏やかな声で私はプラットフォームから降りるように彼らに求めた。すると彼らは硬い甲羅を持つ亀の一群がペコス川の岸から下りるように地面に滑り下りた。彼らはまったく怖がっているようには見えなかったが、遠慮がちで慎ましい様子だった。

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